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傷心の果てに13
「私はいつも貴方を責めたのに、それでも貴方は私を思ってくれて、私を心の底から愛してくれていたのに、それを知らず、私は貴方を責め続けてしまい、本当…」と客は言葉に詰まり泣き出したのを、ホスト亭主は「大丈夫ですよ、続けて下さい」と優しく励ました。
客がホスト亭主を真っ直ぐに見詰め言った。
「貴方、本当に御免なさい。貴方は私にとってかけがいの無い人だったのに、それも分からず私はお金欲しさに、いつもいつも貴方を責めてしまい、本当に御免なさい。どうですか、私、旦那にちゃんと謝罪していますか?」
ホスト亭主が恭しく頷き答える。
「大丈夫ですよ、続けて下さい」
客が頷き続ける。
「私はいつも貴方を責めたのに、それでも貴方は私を思ってくれて、私を心の底から愛してくれていたのに、それを知らず、私は貴方を責め続けてしまい、本当…」
ここで堪え切れずに客が涙ぐみ泣き出したのを、ホスト亭主が再度優しく促す。
「大丈夫ですよ。続けて下さい」
客が涙を指で拭い言った。
「本当に御免なさい、貴方…」




