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傷心の果てに12
「でも貴方は死んだ旦那になんかちっとも似てはいないのに、私は自分の病気のせいで似ていると錯覚して謝罪しようとしているのに逆に責めてしまう。これが私と旦那の在るがままの姿なのでしょうか。これって変ですよね。そう思いませんか?」と客は言った。
客が続ける。
「私は貴方を傷付けるつもりなんかちっとも無いのに、貴方が死んだ旦那に面影が似ているから、私はつい貴方を責めてしまうのです。御免なさい」
ホスト亭主が首を振り否定する。
「いえ、自分は責められているとは思っていませんから」
客が苦笑いしてから言った。
「でも貴方は死んだ旦那になんかちっとも似てはいないのに、私は自分の病気のせいで似ていると錯覚して謝罪しようとしているのに逆に責めてしまう。これが私と旦那の在るがままの姿なのでしょうか。これって変ですよね。そう思いませんか?」
ホスト亭主が首を振り再度否定する。
「いえ、変じゃありませんよ。どうか続けて下さい」




