第一章~吉池 遠矢~
「・・・―い」
「おーい」
「おい!トーヤ!!」
ばしっ!
痛い。
不機嫌な寝起き顔で文句を言う
「なんだよ人がせかっく気持ちよく寝てるってゆうのに。」
「なんだよじゃねーよ。また今日もボーっとして」
「あ?なんでもないよ」
ただ単にバイトでの早起きで眠いだけである。
その眠気に疲労の特典つきだ。
しかも今回は肉体疲労&精神的疲労のwコンビセットだ
「なんでもないだぁ?浮かない顔して・・って、あぁ!なるほど♪」
「なにがだよ?」
「また愛理ちゃんをみてたんだろ?」
「っば!ちげーよ///」
なぜそうなる。
疲労困憊なだけなのに・・・
しかし照れてしまった自分が悔しい。
「おっ♪ずっぼっし~」
「ち、ちげぇっつってんだろ!!友一のバカ野朗」
「ごめんって~そんな怒んなよ~」
僕の名前は吉池 遠矢。みんなからはトーヤって呼ばれてる。
××中学校3年のごく普通の中学生。小さい頃に空手を習っていたがなんとなくやる気がなくなったのでやめてしまった。これでも真剣にやってきたつもりだ。とある大会では準優勝した経験もある。小さい大会だったけど・・・。
この学校に入学して一番最初に友達になったのが今、話してた友一こと山岡 友一だ。こいつの紹介はメンどいからまたおいおい話すよ。
そして僕は今、好きな人・・・いや、気になってる人がいる。まりちゃん。華崎 愛理。クラスメイトでみんなの人気者。特に男子からの支持率が高く、女子
達からは憧れの存在
世に言う『リア充』だ。
「お~い。またぼ~とっしてるぞ」
友一が僕の顔を覗くように見てくる
「なんでもないって」
「そうか?ならいいけど・・・」
なんだかパッとしない顔だ。
けど正直どうでもいい事なので気にせずスルーする。
「おーい。みんな席つけー」
ここで担任が教室に入ってきた
「やば!俺、席もどるわ!」
あわてて友一が自分の席にもどる。
僕は遅れて
「おう」
小声で返した
「席ついたか~?そんじゃ朝のHRはじめるぞ~」
僕にとっては長いようで短い一週間の最終日。
土日休み前のだるい金曜日が始まった。
・・・どくん・・・どくん・・・
心臓の鼓動が何かを伝えてきた様な気がした。
さすがに金曜はいつもだるいなぁ~
ほんとに体が疲れているのかもわからないくらいだるかった。
だから今の心臓の鼓動が虫の知らせの様にも聞こえてくる。
「おい吉池!」
「は、はい?」
「何一人でブツブツ言ってるんだ?」
「え、えぇ~///」
どうやら小声で口に出していたらしい。
クラスみんなの笑い声が自分の頭の中まで響き渡り顔が熱くなった。
そんなこんなで朝のSTの終わりを告げる鐘が鳴る。
そして一時間目、二時間目と時は流れ気持ちも高鳴る。それに伴い心臓の鼓動も早まる。
・・どくん・・どくん・・どくん・・
やはり何かおかしい。
時計の兄弟が空を射す頃にはもう
・どくん・どくん・どくん・どくん・・
おやつの時間を少し過ぎて最終授業の終わりを告げる鐘が鳴る。
どくんどくんどくんどくんどくん
今週が終わった。
気分もなかなか良かったしあとは帰るだけである。




