この手には無限の可能性
気分で書いた、めがみちゃんだけ後悔してる!!
勇者項目第一条
勇者は勇者らしくあるべし
「のどかな村」ここはそういう例えにぴったりな田舎であった。
村の入り口で腰を下ろして地面に座り込む三人。一人はいかにも旅人という感じの大柄な無精髭を生やした男性。誰かを待っているかのように辺りを見ては二人の方へ視線を戻しとそれを繰り返している。もう一人場違いのようかに思わせる身なりの良い容姿の女性。髪が肩まで伸び、首のところで大きなリボンによってひとつにまとめられている。旅慣れしてないためか大層疲れている様子。
そしてその女性に手を引かれてここまで来たであろう少年と呼ぶにも幼すぎる男の子。ニ?、三歳といったところか。こちらも疲れきっているようだ。
遠くからでも聞こえてしまうドスンドスンとした大きな足音が近付いて来たのに気付きそちらに視線を移す二人。
「主殿、村長殿がぜひ家によって休んでいって欲しいとのことです!!」
「そうか、ではお邪魔させて貰おう。」
走って来た甲冑の男にもう一人の従者に伝えるよう指示し、またドタバタと走って行く甲冑の従者。
再び二人の手を引いて村で一番大きな住居へと歩み出す。
建物の入り口まで来て「少し話をしてくる」と二人を残し中へと入っていった。
勇者項目第二条
勇者は自らの真名を名乗るべからず
「これはこれは勇者様、はるばるこの何もない小さな村に来ておいでくれました。」
40代といったところか、ガッチリ体型の気の優しそうな男が迎い入れてきた。おそらくこの男性が村長なのだろう。
農作で鍛えた体なのだろう、きっとリーダーシップのある優秀な人材なのが雰囲気で伝わってくる人物だった。
「勇者様はよしてくれそんなよそよそしい態度を取らないでくれ、それと引退した身」
「まったく、英雄になっもお前は昔からかわらないな¨白銀の勇者様¨、あぁそうだ今年ついにこの村に勇者に選定された子が産まれたんだよかったら会っていってくれよ」
この話題をだしたとき¨白銀の勇者¨と呼ばれた男は一瞬暗い顔をしたように見えた。
「それよりも連れを部屋で休ませて貰えるか?旅慣れしてないためか目的地の¨アイリス¨までたどり着けそうにない」
「魔導学園にか?子連れで、行くには確かにつらいな・・・まぁ先に休ませて明日の朝あそこへ向かうといい」
助かる、一言礼を言い扉を開ける元勇者。
「ちゃんと未来の勇者ちゃんに会っていけよ?きっと勇者グラムのように世界を導く勇者になってくれるさ!!
「そうだな…グラムみたいに世界を導くといいな」含みのある言い方で返し部屋を出ていった。
勇者項目第三条
勇者は己の信念に擬を持つことなかれ
「もう少し村長と話てくる、二人がもどったら一晩お世話になると伝えておいてくれ」
二人を置いてきて再び村長と対面する。
「で、あの子は誰だよ?子供いなかったはずだろ?」
「あの子を、¨アイリス¨に預けに行く」
「それがお前の信念に必要なのか?まだ小さいだろ!!」
「勇者項目第四条」
勇者項目第四条
勇者は自らを異端だと思え
「いまだにその勇者なんちゃらってのがわかんねえ」
「自分が特殊な人間で他人に理解されない…いや、他人に理解されないからこそしなければならないことがあるという意味だ」
「うーん…よくわからんがお前の信念に必要な行動ということか?」
「そんなところだ」
「まぁいいか。お前に聞きたいことがあったんだ」
「何だ?」
「¨勇名¨はどうやって決めたんだ?」
勇者項目第五条
勇者は人を殺めてはならない
ただし第一条に反する場合やむなし
「こんにちは村長さん」
入ってきた女性は小さな赤子を抱いていた。
「いらっしゃい、この子が産まれた勇者ちゃんやで」
何故かどや顔だった。
「よかったら抱いて貰えませんか?」
「そうだな、抱いてもらうといい」
なんかイラッときた。
「あ、あぁ…」
柔らかく軽いからだに驚きながら抱く元勇者。その子の腕には勇者聖痕と呼ばれる紋章があった。
「お前とおんなじ位置に聖痕があるんだぜ、
きっといい勇者に・・・」
勇者項目第六条
勇者は世界を正しい道へ導く義務がある
その為なら五条はやむなし
「で、だな。この子の勇名を俺がつけるように頼まれてな」
「それでか、俺のときはある吟遊詩人にかってにつけられててなぁ…」
「いまからもう楽しみで、十五歳の誕生日が楽しみだ♪」
「・・・後十五年は戦えそうだな」
呆れる元勇者。
ドタンバタンという足音が、従者がたのだろう。
しかし、扉を開けて入ってきたのは小さな男の子だった。
「ただいま戻りました主殿!!」
その後ろに空気の読めないあいつが…
大声を上げた従者のせいで泣き出す未来の勇者。
あわてる従者その他二名
そしてすぐ泣き止んだ。
未来の勇者が涙をこらえて伸ばした聖痕の先には小さな男の子の手がしっから握られていた。
それがこの物語の始まり。
勇者項目第七条
勇者は悪に堕ちてはならない
例え一条三条六条に反するとしても守らなければならない
グラム・ライリス