適当短編~我は魔王なり!~
「魔王様。勇者が参りました」
「適当に追い返しておいて」
そこにはメイドと一人の青年がいた。
「無理です」
「そこをなんとか」
青年は魔王である。
メイドはメイドである。
「できません」
「ほら、今は魔王いませんとか?」
「馬鹿言わないでください」
「やっぱ無理か」
「ここで待つといわれました」
「言ったのか!?」
「はい。言いました」
「ま、いいか。じゃあ、魔王は現在魔界へ帰省中であと五年は帰ってこないと…」
「五年待つと」
「それも言ったのか!?」
「はい。言いました」
「ま、いいか。それじゃあ、一旦帰って再度準備でもしてくればいいんじゃって…」
「はい。言いました」
「これも!?」
「はい。これもです。めんどくさいからヤダと言われました」
「言ったのか!?(勇者が)」
「言いました(勇者が)」
「ま、いいか。それじゃあ、攫った王女を返すから帰れって…」
「言いました」
「言ったのか!?」
「ついでに魔王城の宝もやると」
「言うな!!」
「王女は好みじゃないからいらないし、宝は帰るとき面倒くさいと言われました」
「言ったのか!?(勇者が)」
「言いました(勇者が)」
「まあ、それならいいか」
「確かにそうですね」
「実は王女は攫う途中に落としてきたとか言えないモンな」
「そうですね」
「それじゃあ…」
「言いました」
「いや、まだ何も言ってないからな!?」