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滑り台
朝 吹き付ける雨音で
目が覚めた
カーテンを開けると外はグレー
前夜 天気予報で聞いて知っていたけど
ちょっと気分もグレー
傘をさし通勤する事に
雨の日は
何故か行き交う車の交通量が多い
濡れたくないからなのかな
確かに 通勤時間の電車やバスの中は
込み合うから濡れた傘に触れたくはない
夕方には雨雲が流れてゆくので
帰宅時間には 雨はあがっていた
傘を持ち駅へ向かう
傘は乾いていた
両手を使いたくて 鞄の紐に引っかけて歩いていた
ホームへ行くため 下りエスカレーターに乗る
すると 私の傘が
エスカレーターを滑り台のように降りてゆく
思わず 「あー!っ」と言いながら
追いかけたけど 相手は軽く軽やかに滑ってゆく
途中のサラリーマンの方が
気づき自分の傘で止めてくれた!
「すみません
ありがとうございます!」と
お礼を伝えて受けとる
漫画のワンシーンのようだった
誰も怪がなく 後ろから歩き降りてくる人もいなかったのがなにより
気をつけようと思った夜




