5. 魔力の正体
「じゃあ魔法の使い方なんだけど、私は詠唱型しか使えないからそれを教えるわね。」
「他にもあるの?」
「他にも魔法陣型だったり、魔素を媒体とした魔法もあるらしいわ。って言ってもよくわからないわよね。」
「魔素?」
「空気中にある小さな魔力みたいなものね。あんまり詳しくないからこれ以上はわからないけど。」
この世界の魔法はかなり奥深そうだ。
これはジャパニーズオタクの血が騒いできたな。
「それじゃあ私が魔法を使うから、詠唱を覚えるのよ。」
「わかった!」
フーッとマーシュが深呼吸をし、手に力を込めて詠唱を唱える。
「水よ、我に応えよ、水生成魔法!」
「おー!」
マーシュの手の上に水が生成される。
なるほど、詠唱も魔法の名前も分かりやすくて助かる。
「こんな感じよ。消したいときは力を抜けば自然と消えるわ。」
フッと生成された水を消す。
「それじゃあやってみて。」
俺もマーシュと同じように深呼吸し、手に力を込めて告げる。
(えっと…たしか…)
「水よ、我に応えよ、水生成魔法!」
ブワッと体の中の何かが抜けているのを感じ、目眩を起こす。
「すごい…ほんとにできちゃうなんて…」
と、マーシュは驚いていたようだが、今俺はそれどころではない。
バタン!と俺は頭から倒れた。
「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…」
「エル!だいじょ・・」
息が、苦しい。
まるで体中の酸素が抜けていくかのようだ…
酸素?なんで俺はいきなり酸素が抜けていくかのようだって例えたんだ?
落ちかける意識の中、命の危機によって加速した思考は結論にたどり着いた。
もしかして魔力の正体って_
「・・よ、かの・・をい・・まえ!回復魔法!!」
と朦朧とする意識の中、魔法の名前だけがはっきりと聞こえた気がした。
これからは21時に、なるべく毎日投稿しようと思います