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オタクが転生したので異世界でもオタクになります  作者: 枝豆 糵
第二章:ユーグリル王国編
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29. 怪しい本

 最初になんとなく取ってみたものは浮遊魔法の本だった。


 空を飛ぶというのは人間ならやっぱり憧れがある。


 魔法書というだけあり、詠唱文だけじゃなく効果や時間、魔力消費量など色々なことが細かく書かれていた。


(流石に仕組みまでは載ってないか。)


 こればっかりは一度自分で使ってみる他ないだろう。


「空よ、我に大いなる自由を、浮遊魔法(フロート)!」


 ゴン!と勢いよく頭を天井にぶつけると同時に、意識が飛びそうになる。


(ヒ…ヒール!)


 なんとか出血が収まり、意識も回復してきたので、魔法の効果が切れるのを待つ。

 効果が切れたのか、フワッと足元まで降下する。


(それならもっとフワッと上がってくれよ。)


 しかし、魔素の流れから仕組みはある程度理解できた。


(空気中の魔素を上方向のエネルギーに変えて、上からの空気抵抗を魔素を使って無理やり抑えていた感じだ。浮遊中は上向きのエネルギーだけ。降下中は空気抵抗を強めて魔素のエネルギーを弱めてるってところかな。)


 今度は、加減をしながら再度さっきの流れを詠唱無しでやってみる。


 しかし、魔素を同じように操ってみたのだが、魔法は発動しなかった。


(うーん、ロケットみたいに初速が大事ってことなのかな…)


 魔法の仕組みについてはほとんどわかった。

 しかし、ここで試すのは無理だということもわかった。


(うーん、あんまり目立ちたくないんだよなあ。)


 あの訓練場は屋根が吹き抜けになっているので浮遊魔法も天井にぶつからずに練習できるだろうが、あそこで練習すると絶対に面倒なことになる。

 かと言って、今魔法書館から出るとまた再入場料が必要だった。


(しょうがない。また今度外に出て実験するか…)


 と、切り替えて他の魔法を覚えようと次の魔法書に手に取ろうとしたとき、気になる本を見つけた。

 いや、あまりにも違和感がある本を見つけた。


 なぜ訂正したか。

 それはその本だけどこか漂う雰囲気が違ったからだ。

 他の魔法書は白や茶色の皮でカバーがされているのだが、この本は吸い込まれるかのような漆黒に染まっている。


 もはや無意識のうちにその本を取っていた。


(表紙には何も書かれてない…)


 タイトル不明、まさに怪しさ満点の本だった。


(こういうのってなんかやばい魔法が書かれてたり、何かが封印されてたりするんだよな…)


 かなり嫌な気配がしたが、好奇心には勝てなかった。

 本をめくるとそこには、


『この文字が読めるものへ。元日本人の転生者三浦優人より。』


 という文字が『日本語』で書かれていた。

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