20. 魔法の才能
「じゃあ改めて魔法を使ってみようか。」
「きのうはつかえなかったよ?」
「狐種は水属性と相性が悪かったらしい。だから今日
は炎属性の魔法を教えようと思う。」
「わかった。」
「と言っても基本的な詠唱は変わらない。『水よ、』だったのが『炎よ、』に変わるだけだ。昨日の詠唱は覚えてる?」
「うん。バッチリ。」
「じゃあ炎魔法使ってみて。」
「わかった。」
手を前に出して、目を瞑るマール。
かわいいな、そのまま唇を奪ってやろうか。
おや?空気中の魔素がマールの手に集まっていくぞ?
(もしかして、もう魔素の仕組みを掴みかけてるのか?)
俺でも魔法を使ってからじゃないと分からなかったのに、すごい才能だ。
マールも転生者なのではないかと疑ってしまう。
「ほのおよ、われにこたえよ、ふれいむじぇねれーと!」
「おわっ!水防御魔法!」
あまりにも大きな炎が生成され、慌ててシールドを張る。
ジュワジュワと水で炎をレジストしようとするが、あまりの火力に対応しきれない。
(ぐっ!ほんとに転生者なんじゃないだろうな!)
「ご、ごめん!」
「それより、早く魔法を止めて!」
「あっ!」
フッと俺の体よりもでかかった炎が消える。
「ふう…死ぬかと思った…」
いやほんとに、あやうく丸焦げだったぞ。
「きのううまくいかなかったから、きょうはせいこうさせなきゃとおもって。」
「力を込めすぎたのか…」
得意属性というのも相まってあそこまでの火力が出たのだろう。
いや、そんなことより、
「やっぱり魔素を使えてるな…ほんとに初めて魔法を使ったのか?」
あんなバカでかい炎を生み出せば、子供の魔力ならすぐになくなるだろう。
(というか魔力が酸素なら成長するにつれて魔力が増えるというのは矛盾してるよな…)
成長につれて酸素の保有量が増えるかどうかは分からないが、何かズレているような気がする。
「うん、というかあれがまそなの?」
「そうだよ。初めての魔法で魔素を使うなんて才能の塊なんじゃないか?」
「ホント!?」
「うん。うらやましいくらいだ。」
こりゃあすぐ教えることがなくなっちまいそうだな。




