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オタクが転生したので異世界でもオタクになります  作者: 枝豆 糵
第一章:転生編
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12. アッシュ村

「あら、エルじゃない。いつもガウスには助かってるわ。そうだ!良かったらこの取れたての大根を持っていき。」

「ありがとうございます。」


 近所のおばちゃんから大根を丸々一本もらう。

 水魔法で土を落として、そのままかじる。


(うん、今日も美味しいな。)


 葉っぱはその辺に捨てていく。

 こうすることでまた地面に栄養がつくのだ。

 決してポイ捨てをしてるわけではない。



 アッシュ村は田舎だ。

 それはもう辺り一面畑ばかりで代わり映えがない。


 しかし、それは横から見ればの話だ。


 俺は今日も村から少し外れの方にある丘に行く。

 丘からの眺めは素晴らしい。


 緑色を軸に、所々に見える野菜や果物の色、黄金色の麦なんかがマッチして綺麗な景色を作っている。

 俺のお気に入りの丘だ。


「さて、今日も魔法の実験をしますかね。」


 最近は、特殊魔法に手を出し始めた。


 神経を研ぎ澄まし、探知魔法を使ってみる。


 動いて乱れている魔素の動きを読み、近くにいる魔物の気配を探るのだ。


(向こう側に1、2、3、4。いや、これは多分ただのウサギだな…向こうの林に1、2、3、ん?人がいるな。もしかして迷い込んだか?)


 たまに子供がここまで来て魔物に襲われることがある。


(仕方ない…)


 探知がうまくいかなかったのかもしれないが、心配するに越したことはない。

 俺は急いで林の方へと走る。



「いや!やめて!だれかたすけて!」


 フードを被った小さな子供が、猿の魔物に襲われていた。

 全く、親の躾はどうなってるんだ。

 このあたりは魔物が出るって教えなきゃだめじゃないか。


水防御魔法(アクアシールド)炎範囲魔法(フレイムサークル)!」


 無詠唱で素早く魔法を打つのはまだ難しいので、魔法の名前を唱える。


 ゴォォォ、と子供を襲っていた猿は炎に包まれ、その場に倒れる。


(次の課題は、無詠唱魔法の精度を上げることだな。)


 と考えながら、襲われていた子供の方を向く。


回復魔法(ヒール)!大丈夫…か…」


 目に見える傷を治そうと、その子供のフードを外すと…


黄色の髪をして、かわいらしい顔立ちの少女が〝頭の上の〟耳をぴょこぴょこ動かしていた。

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