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オタクが転生したので異世界でもオタクになります  作者: 枝豆 糵
第四章:冒険者編
129/233

閑話. ご主人様日記

 これはハクの日記の一部を抜粋したものである。


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 帝蘭歴830年5月23日曇り

 今日はご主人様にキスされました。暇だから唇の押し付け合いゲームだそうです。恥ずかしくなったら負けとのことですが、私とキスしたいだけなのだと思います。ご主人様の唇は柔らかくてあったかくて優しい味です。




 帝蘭歴830年5月24日晴れ

 今日もご主人様は暇そうにしていました。私に馬車を任せると言ってぐっすり眠るご主人様はいつも素敵でした。明日ついにメルド魔法大国に到着するそうです。ミレイヤお姉様に早く会いたいです。




 帝蘭歴830年5月25日曇り

 ご主人様をなんとか宿に運びました。今日はこれ以上書きたくありません。




 帝蘭歴830年5月26日曇り

 ご主人様はずっと言葉にならない声で呻いており、一日中何も食べてくれませんでした。メンバーの皆さんも心配そうにしています。明日は何か食べてくれるでしょうか。




 帝蘭歴830年5月27日曇り

 ご主人様は今日も何も食べてくれませんでした。それどころか今日は水すら飲みませんでした。トイレやお風呂のお世話は何とかできるのですが水を無理して入れようとするとむせてしまうので難しいです。今回は前回よりも長いです。




 帝蘭歴830年5月28日雨

 ご主人様が吐いてしまいました。目に涙を浮かべてずっと何かを呟いています。よく聞くとミレイヤお姉様とマール様のことを何度も呟いているようでした。私はどうすればご主人様の支えになるのでしょうか。




 帝蘭歴830年6月1日晴れ

 雨は上がってもご主人様の気持ちは晴れていません。あのあとメンバーの皆さんともう一度ギルドに確認しに行き、職員の方にも確認してみましたがあれは全て事実だったようです。ミレイヤお姉様、もう会えないんですか?




 帝蘭歴830年6月2日晴れ

 ご主人様は今日も何も食べていません。日に日にやつれているように見えますし、トイレの回数も減ってきました。どうにかして水だけでも飲ませなければ死んでしまうかもしれません。




 帝蘭歴830年6月3日曇り

 ご主人様が笑い始めました。でも心がこもっていません。つらいです。なんでこんなことになってしまったんでしょうか。一応今日は水を飲んでくれました。




 帝蘭歴830年6月4日晴れ

 この日記もご主人様の経過日記になってしまいました。メンバーの皆さんはしばらくこの国に滞在するようです。お金は全てご主人様の収納魔法に入っているので、宿代は皆さんに貸してもらっています。今日も水だけは飲んでくれましたが1週間何も食べていません。




 帝蘭歴830年6月5日晴れ

 ご主人様とミレイヤお姉様が通っていた学校に行ってみましたが、通してくれませんでした。ご主人様に何か食べさせるためにパンを薄くしてお湯につけて飲ませました。毎日続ければ飢え死にすることはなさそうです。少し希望が見えてきました。




 帝蘭歴830年6月6日晴れ

 ご主人様が自分の剣で自殺しようとしてしまいました。何とか魔法で止めて眠らせましたが、しばらくはご主人様を観察していないといけないです。私には止めることしかできません。




 帝蘭歴830年6月7日曇り

 いつになったらご主人様はもとに戻るんでしょうか。もうしばらくご主人様の声も聞いてません。また話してくださいよ。私ではご主人様を救ってあげれません。誰か助けてください。




 帝蘭歴830年6月8日雨

 メンバーの皆さんが部屋に来なくなってきました。話し相手がいないと少し寂しいです。今日は固形食を食べてくれました。かなり眠くなってきましたが眠るわけにはいきません。




 帝蘭歴830年6月9日曇り

 ご主人様の目にクマが出てきました。きっと私にもできているのでしょう。ご主人様の体がぼろぼろになっていくほど私の心もボロボロになってしまいます。早くまた笑ってください。




…………




 830年6月25日

 一ヶ月が経ったとベルンさんから聞きました。どうでもいいです。私はいつかご主人様が元に戻ったときに側で笑って迎えれるようにしなければいけませんから。




 830年6月26日

 ご主人様が声を上げたと思ったら私に怒鳴ってきました。私の何が駄目なんでしょうか。私はずっとご主人様を支えてきたのに。でも嫌われてでも私はご主人様を支えると決めました。明日こそ元に戻ってくれると嬉しいです。




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 なお、この期間に書かれてる日記はところどころハクの手汗や涙で滲んでおり、グチャグチャに濡れて破れている箇所もある。

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