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暗殺公女は聖女をやめさせていただきます~聖女を酷使するブラックな王国と王子から自由になったら、いつの間にか王子が王国もろとも「ざまぁ」されてました~  作者: ケロ王
第2章 学園は自由への片道切符

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第32話 対決

「鑑定眼って――乙女の秘密を覗き見たってことか! この変態野郎め!」


リーシャはミハエルに向かって作り出した石を投げつけたが、彼は事も無げに回避する。そして、やれやれと言わんばかりにため息をついた。


「その程度の攻撃で僕に当てようなんて、低く見られたものだね。まあ、基準があの王子ゴミくずでは仕方ないかもしれないけど」

「ただの挨拶代わりなのに随分な言いようね。確かに第一王子ゴミくずは――プライドだけ高い雑魚だけど、アレを基準にあなたを測ったりしないわ。そもそも、私がレベルがわかるってさっき言っていたじゃない。鑑定眼みたいな便利なものじゃないけどね」

「ほう、鑑定眼もなしでレベルがわかると?」

「一流は相対しただけで相手の力量がわかるようになるのよ。まあ、私はか弱い公爵令嬢だけど、あなたの力量くらいなら分かるわ」

「ふぅん、――君はか弱いって言葉の意味を調べた方が良いよ。まあ、先ほどのはご挨拶だったようだし、僕は一足先に決勝で待っているよ」


そう言って、ミハエルは手を振りながら去っていった。


「何アイツ。そもそもまだ一試合もしてないし、トーナメント表もできていないのに、なんで決勝で待ってるとか言ってるのかしら……」


そう呟いて、リーシャも受付を済ませ、クラスメイトのところまで戻っていった。


体育祭は順調に競技を進めていった。前世で聞いたことある競技も全く別のものと化していた。まず、玉入れは魔法を使用して良いため、玉をいくつ入れるのかという競争ではなく、魔法を使っていかに早く全部の玉を入れるか、という競技になっていた。また、騎馬戦は馬が馬だった。何言っているのか分からないと思うが、人が馬に乗って槍を構えているのである。確かに騎馬戦ではあるけど、リーシャにとってはコレジャナイ感が凄かった。また、障害物競走に至っては、テレビでやってたSA〇UKEとか風雲た〇し城を彷彿とさせる障害物競争である。もっとも、こちらも魔法を使えるので、実際の難易度はそれほどではないのかもしれないが。


前座の競技が進む中、花形の武術戦、射撃戦、魔法戦が同時並行で行われていた。ガイゼル殿下とユリア嬢はさすがは王族と公爵家というだけあって、特に危なげもなく決勝に進出していた。しかし、決勝でガイゼル殿下はユーノと、ユリアはミレイユと当たり、当然ながらあっさりと負けてしまった。


「まあ、あの二人なら仕方ないかな。レベル高いし」


忍者部でレベルをガンガン上げている二人にレベル1の彼らが勝てるはずもなく、試合は一方的どころか、開始1秒で終わっていた。リーシャは今度は二人に手加減というものを教える必要があると考えていた。


魔法戦に出場したアイリスは決勝でユーティア殿下と当たり、こちらも奮闘はしたものの力及ばず、負けてしまった。さすがにレベル1同士の戦いでは王子の方がステータス差で有利なのは間違いないようだ。もっとも、アイリスも魔法は得意なキャラなので、かなり熱い戦いだったが。


花形の3種目が終わり、ついに総合戦が始まった。リーシャの初戦の相手は、先ほどウザ絡みしてきたミハエルである。


「決勝で会おうとか言っていなかったっけ?」

「うるさい! 1回戦で当たるとは思ってなかったんだ」

「ぷーくすくす、あんなにカッコつけてたのにダッサ、めっちゃダッサ!」

「まあいい、そんなことを言っていられるのも今のうちだ! すぐに黙らせてやるさ、俺の、この、真の力で!」


無駄に恥ずかしいセリフを言いながら、ミハエルはリーシャに斬りかかってきた。確かに言うだけのことはあって、ユーティア殿下とは比べ物にならない攻撃速度であった。だが、レベルを上げに上げまくっているリーシャにとっては、特に驚くべきところもない斬撃だったため、あっさりと回避する。


「馬鹿な! 俺の攻撃をかわしただと?!」

「いやいや、鑑定眼持っているのになんで力の差がわからないのよ。どう考えても、私の方が圧倒的に上だから」

「馬鹿な! 鑑定眼が正しく見れないほどレベルが上だとでも言うのか?!」

「おや? レベルが上過ぎてわからないと? 意外とポンコツスキルですね」

「ポンコツ言うな! まあいい、まだ俺には奥の手が残っている――はぁぁぁっ!」


素直に感想を述べたリーシャに逆ギレしたミハエルは気合を入れた。すると、彼の身体は通常の3倍の筋肉となり、その圧倒的な筋肉によって服がはじけ飛んだ。辛うじて大事なところはブリーフで守られているが、ほぼ全裸になった彼の身体は、まさしく筋肉ダルマと言っても良いような姿になっていた。彼の全身は血の巡りが良くなったせいか赤みがかっており、湯気がもわもわと上がっていた。


「ふはは、これが俺の奥の手! この状態になった俺の力は3倍になるのだ! これを使ってしまったら、もはや手加減はできないから覚悟しろ!」


そう言って、殴りかかってきたミハエルだが、たかが3倍程度でリーシャに敵うはずもなく、あっさりとかわされた上に、背後から蹴りを入れられ、前のめりに倒れた。


「3倍程度で粋がらないでもらえるかしら? 雑魚とは違うのでしてよ」

「馬鹿な! 俺の今の力はレベル90相当のはずだ!」

「甘いわね。確かにレベルが上がることによってステータスも上がる。でもレベルが上がるというのはステータス以上の何かが上がっているのよ。第一王子ほどステータスが乖離していればレベル差を覆すことはできるかもしれない。でも、アイツでもせいぜい15レベル程度の差にしかならないのよ。3倍になったあなたのステータスでも、せいぜいレベルにしたら1.5倍ってところね」

「馬鹿な。それでも俺のレベルは45レベルはあるはずだ! お前はもっと高いというのか?!」

「さあね? 私は鑑定眼とか便利なものは持っていないからわからないわ。でも、前も言ったように、私は相手との力量差は分かる。それに従えば、あなたはせいぜい私の半分、と言ったところね」

「くそぉ、だが俺は諦めんぞ。勝てないにしても一矢報いて見せる!」


そう言って、破れかぶれの攻撃を繰り出してくるミハエルだが、実力差が大人と子供並みに差があるため、攻撃が当たる気配は全くなかった。最後にはミハエルも半泣きになって攻撃してきたため、リーシャは一発だけ受けてあげることにした。


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