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King Colours  作者: TEAM,IDR
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第五十七話「無限の可能性、永遠の絆、これが私たちのバラレンジャー!!」

「無限の可能性、永遠の絆、これが私たちのバラレンジャー!!」

第五十七話(最終話)~Under the Rose~


今年のお正月もバラレンジャーの皆で集まっている。こうして集まった回数も、もう片手では数えられなくなった。時間が経つのはあっという間だわ…。でも、あっという間に感じるのは毎年毎年、この時を楽しみにしているからかもしれないわね。


 私は毎回、行く準備をしている最中に皆と会った時のことを思い出すの…


私が最初に会ったのは朱祢ちゃんだった。私はあの美しさと強さを目の当たりにして一目ぼれしちゃった。私のヒーローになってほしい、あの子しかない!って思った。

 一か月近く、朱祢ちゃんと私だけで細々と活動してた。他のヒーローも全然集まらなくて、ずっと二人だけかと思ってた。

 そんな日が続いたある日、求人ポスターの前に銀河くんが立ってた。そしていきなり頭を下げて「ここで働かせてください!」「俺は『ヒーロー』になりたいんです!」って真っすぐな目で言うんだもん。なんだか告白みたいだったけど、熱意が伝わってきて、その時点で私の中で採用は決まってたわ。

 その後にブラウンくんに助けてもらって、あの子の正義を聞かせてもらった。とても強い想いで、死んでも自分の正義を変えないという覚悟を持ったヒーローだと思ったわ。

 みどりちゃんが面接に来てくれた時はなんだか嬉しい気分になったことを今でも覚えている。初対面なのに、友達ができたみたいで…。フレンドリーで明るいみどりちゃんと会えて心から良かったと思えるわ。

 その次に来てくれた黄慈さんは年上だったのもあるけど、先生みたいだった。前職が教師だったのもあるだろうけれど、頼れる大人という感じで態度や話し方にも落ち着きと親しみやすさが溢れていて今でもとても尊敬しているわ。誰にでも敬意を払える黄慈さんのおかげで、バラレンジャーは上手く付き合えたんだと思う。喜びや悲しみを分かち合えるようになったのは黄慈さんの人柄があってこそだったと思うわ。

 次に来たのは雪ちゃん。彼女も色々と複雑で、最年少だったから上手くやっていけるか心配だったけれど、みどりちゃんと黄慈さんを筆頭に信頼関係を築いていって、口数の少ない朱祢ちゃんとブラウンくんとも上手くやれるようになっていった。ブラウンくんと上手くやれたのはもうあの時にはひそかな想いがあったのかもしれないけど。

 メンバーも順調に集まってきたある日に桃華ちゃんと出会った。桃華ちゃんはロボットで、最初の頃なんかこっちが命令しないと何もしなかったから命令ばかりになっちゃったけど今ではもうすっかり、自分で考えて行動するようになった。正直、私の関わり方が良かったのかは疑問だったけど、定期的に送られてくる手紙と家事などに役立つロボットを見ると感謝してくれているみたい。今でも桃華ちゃんの思いやりの心はしっかり、私に届いているわ。

 金ちゃんは大柄だけど可愛げがあって、すぐに皆と打ち解けた。いつも皆のことを考えていて皆と一緒にいるのが好きでたまらないという感じだった。お花見や夏祭り、紅葉狩り、クリスマスパーティーなんかのイベントごとには必ず関わっていたしね。楽しい思い出を沢山つくれたのは金ちゃんのおかげだったよ。

 そして、私たちのバラレンジャーを外側から変えてくれたのは藍さんのおかげ。藍さんは初めて会った時から完璧だった。容姿端麗でお金持ち、気品があってヒーローとしての力もあった。「小汚い事務所ねぇ…」なんて愚痴をこぼしながらも私たちの意見を尊重しながら優しく接してくれた。事務所の外見を綺麗にしてくれたり、エアコンをつけてくれたり、ソファやその他小物を用意してくれたのは藍さんだ。ヒーロー事務所としての格を上げ、快適な環境を作ってくれた縁の下の力持ちだったわ。

 虎羽くんは「正義を愛する哲学者」だと思った。若いのに、何が正しいのかをよく考えて行動していた。最も正しいヒーローで、法や秩序、国を護ることができるヒーローだと思う。バラレンジャーの皆が正しくあり続けたのは虎羽くんがその秩序を保ってくれていたからだと思う。

 紫雲くんは政治家みたいなヒーローだった。平和のためには多くの人間の協力が必要だと考えていて、バラレンジャーを含めて多くの人を巻き込みながら平和へを導くことができるヒーローね。そのカリスマ性に惹かれて彼の思想に付き合う人は沢山いた。彼はこれからも、人々を導いてくれるわ。

 最後に加わったのは麗ちゃん。ちょっと気弱な所もあるけれど、真面目でとっても良い人。聞き上手で相手に合わせるのが上手いから、途中から加わったのにすぐに皆と仲良くなっちゃった。一番付き合うのが難しいだろうと思っていたブラウンくんと仲が良かったり、裏で黄慈さんとつながりがあったり、あの時藍さんを連れ戻してくれたりと麗ちゃんだけの力があったんだと強く思う。あの時はどうなるかと思ったけど皆のおかげで乗り切れた。13人、全員がいたから乗り切れたんだと思う。



 そんな私達13人が年に一度だけ許されてる秘密の集会。それが今日。私達は「薔薇の会」って呼んでるけど…そんな日に彼らのことを思い出すなっていうのは無理な話ね。



麗「わたしたちって世界にとっては脅威なんですよね…?こんなところで会っていても大丈夫なんでしょうか…?」

藍「こんなところとはなんですの?わたくしが選んだ最高級のこのお店が気に入らないのかしら~?」

麗「ち、ちがうんでしゅ~」

 藍さんが麗ちゃんのほっぺたをムニムニしながら眉を吊り上がらせている。

瑚透美「う~ん、私と麗ちゃんは一般人だから大丈夫だと思うけど…皆は誰かから狙われたりしないの?暗殺とかされちゃわないかしら…」

みどり「あっはは!むしろ、みんな一緒にいる方が暗殺されないでしょ!まとめて仕留めようなんて考えている輩がいるとすればあたし達のこと知らなすぎだよね~♪」

朱祢「…そうね。少なくとも狙撃されるようなことはないわね。」

 皆と会えて嬉しいのか、ついつい口を挟んでしまう朱祢ちゃんをニマニマとしながら絡みに行くみどりちゃん。

銀河「それもそうだな!料理人が毒を持ってるなんてこともなかったし、なんかのセンサーみたいなのも反応しないしな!」

金一「今日はちょっと冷えるからね~外にいた人たちも車の中から出てこなかったし、動きも鈍かったですよねー、藍さん?」

藍「そうですわね。この中にも何人かは突っ立っているだけの賊がいるみたいですし、邪魔が入ることもないでしょう。」

雪「ふふっ…それなら安心ですねっ!」

ブラウン「ふっ…不審な音も聞こえないしな…」

虎羽「ああ。監視カメラなども熱暴走を起こしているようです。室内は暖房が効きすぎているんでしょうかね」

桃華「その他の不審な機械も全て機能が停止しているようです。お部屋とお食事の安全も確認済みでございます。みなさま、ご安心ください。」

紫雲「機械や情報でも俺たちには勝てないだろうしね!」

黄慈「うん。たとえ槍や爆弾の雨が降ろうとも大丈夫だ!せっかく皆で集まるんだし、目一杯楽しもう!」

瑚透美「たしかにそうね。ここにいるのは最強のヒーローなんだもんね!」

(皆は私の…ううん…私たちは、バラレンジャーなんだから!)



私たちは毎年会っている。誰も欠けることなく、ずっと、ずぅうっと。むしろ欠けるどころか増えてるくらい!最近では紫雲くんと虎羽くんの所が上手いこと行ってるみたいだし~!一年ごとに子どもが成長しているのを見るのも、今では最高の楽しみになってるくらい!

だから、同じメンバーで集まっても新しい出会いや変化があるわ。そうそう、出会いと言えば私達の出会いはとても特別なものだった気がするわ…


出会い方はそれぞれバラバラで、偶然のようにも思えるけど運命的だったように思う。


 ヒーローって…いや…人は社会に出ると…大人になると一つになるものだと思っていた。個性を抑えながら、上手くやっていくために同じように生きていくのだと思っていた。

私たちは何もかもがバラバラだった。性格も髪も目も戦い方も名前も好きな物も正義も…挙句の果てに偶然に頼ってもバラバラになった。

 

でも…それでも、私たちはやってこられた。同じ方を見て、固い絆で結ばれた。この物語は『奇跡』だったのかもしれない。ここまでバラバラの皆が一つになれたのはただの偶然で、どこかで少しでも歯車が狂っていたらこうはならなかったのかもしれない。


でも、こうして皆が一つになれた。

可能性は0じゃなかったんだ。



 私の中にバラレンジャーは永遠に残り続ける。私が持っている透明な薔薇は皆の色を映している。朱藍緑黄桃黒白金銀茶紫無灰橙透と、いろんな色が混じって虹色になる。虹色を映し出す私の薔薇は永久不滅だ。

 皆がそれぞれ選んだ道の先はバラバラだ。私もこれから、虹色の薔薇の可能性を信じて進んでみようと思う。

でも私達、13人は永遠の絆で繋がっている。

たとえバラバラでも、胸に誓った正義の薔薇が私達を一つにしてくれる。

いつまでも…いつまでも…!

そして一緒に進み続ける。

どこまでも…どこまでも!







「さぁ!次の可能性をつかみに行くわよ!!」







『King Colors』 完結


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