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猫と少女とドラゴンと  作者: 彩月/(アヤツキ)
4/6

3,猫……?

 どうも、俺です。猫です。人里を目指して歩き始めてしばらく経ちました。

 その道中、とんでもない事実が発覚しました。

 なんと、前世の名前を覚えていなかったのです。

 それどころか、容姿までもがまったく思い出せないのです。

 いやー、これは困った。

 もしどこかで猫仲間に会ったときなんて自己紹介すればいいのやら。

 まあ、野良に名前があるのかは知らんが。

 ともかく俺は前世の自分がどんな奴だったのかが分からなくなっていた。

 だがそれは、名前や容姿だけで、どんな性格でどんな趣味なのかなどははっきりと覚えていた。

 これはどういうことなのだろうか。

 神の気まぐれかなんかか?

 絶対にいないと思っていたわけじゃないが転生したおかげで神様のような存在も信じられそうだ。

 だけど、なんでまたそんなピンポイントで忘れさせるんだ?

 何か覚えていると不都合でもあるのかもしれないな。

 だがまあ、別にいいか。

 記憶があるとはいえ今の俺は前の俺とは違うのだから。

 新たな俺として気ままに猫ライフを満喫するとしよう。

 手始めに自分の名前でも考えてみるか。

 うーん、何がいいかな、やっぱり猫らしくタマとかコロとか? いや、それはなんか嫌だな。ここはシンプルに黒猫だからクロ、…安直すぎるな。せっかくだからカッコいい名前がいいな、シュバルツなんてどうだろか、中二すぎるかな? うーん……。







 俺の名前は、ノワール・ネーロ・ブラック・シュバルツ。元人間のナイスなキャットだ。 

 なに? 変な名前だって? 俺もそう思う。

 ……俺にはネーミングセンスが無いらしい。

 もう当分名前は無くていいか。よく考えたら全部の猫に名前があるわけじゃないだろうしな。

 

 そんなことよりも困ったことになった。

 それなりの距離を進んできたはずなのだが、一向に人の姿は見えない。むしろ、どんどん木が生い茂って人が住めるような場所ではなくなっていっている。そう、まるで森のような……。いや、完全に森だ、これ。

 森に入った時点でさっさと引き返して迂回なりなんなりすべきだった。すぐに抜けるだろうと思って適当に進んで来てしまったから今から引き返そうにも道がわからない。

 このまま進むしかないのだが……、困ったことがもう一つ。

 そろそろ日が沈みそうなのだ。

 完全に暗くなる前に今日の寝床を探さないといけないな。

 できれば、木の実とか食い物も見つけたいところではあるが、いや、先に川を見つけたい。

 実のところ、朝から飲まず食わずのまま一日中歩き続けているからな。不思議と空腹や喉の渇きは感じていないが、そろそろ水くらいは飲んだほうがいい。


 ということで川探しをしよう。

 今こそ猫の聴覚と嗅覚を生かす時!

 唸れ!俺の感覚器官!

 2キロ先の水源だって見つけて見せる!

 ウオオオオオオオ!!




 ……なんて意気込んだところで猫歴半日の素人が簡単に見つけれるわけもなく。すっかり日は落ちてしまいました。

 月が出てたのがせめてもの救いだ。猫の夜目も相まって夜の森も進むことができている。

 とはいえ寝床を確保できなかったのは痛いな。

 

 ただ、微かな予感がある。

 いや、確信している。

 おそらく俺は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と。

2作品同時投稿はちょっときつかったかも……。

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