Prologue
2作目の長編ものです。
よろしくお願いします。
体中がズキズキと痛い。周りを囲む大人たちにまるでボールでも蹴るかのように弄ばれる。
嘲笑と罵倒が耳に刺さる。
いつも通りの日々。
これが日常の光景。
いつも通り、そう、いつものように耐えればいい。
早く終われ、早く終われ。
痛い痛い痛い痛い痛い……。
何でわたしだけ、なんで…。
誰か、助けて…………。
「ぐあっ⁉︎」
突然、男の悲鳴が聞こえてきた。
それと同時に襲い掛かっていた暴力の嵐も収まる。
「何だ!何が起きた!」
「クソ!誰だ!どこにいやがる!」
口々に叫び散らす男たち。
恐る恐る目を開くと倒れ込んだ男がいた。その周りには怒鳴り声をあげながら周囲を見回す大人たち。
何が起きたのか分からず全身が痛むのもあって動けずにいると、
「大の大人が幼気な少女に暴力を振るうなど何事か!」
と、どこからともなく声が響いた。
「誰だ!どこにいやがる!コソコソしてねえで出てこい!」
「吾輩が誰かだと?いいだろう!ならばよく聞け!」
再び声が響く。
「ぐはっ!」
すると突然、目の前にいた男が悲鳴をあげて倒れた。
そして、地に付した男の背には一つの影があった。
その影は全員の視線を集めると、高らかに言い放った。
「吾輩は…」
この日からわたしの日常はガラリと姿を変えた。
なにとぞTwitterもよろしく(小声)