表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/34

4.すぐに見破られた私は

「わかった」

「え?」


普通、こんなにすぐ納得する?

そんな疑いを持つのに気づいたのかジェードは笑った。


「アンタは、いやハヅキだっけ? ペリと違い喜怒がわかり易いよな。そーゆートコも違う」

「……そうですか」


接客もするからか。いや、私って顔に出るタイプだったのかな。デマントイドは、嫌悪感がわかない程度の上手い距離感を保ちながら私を観察している。


「俺達の知るペリドールの気配もある。だが、かなり薄い」


狂ったと思わないの?


「信じてくれるんですか?」


黙っていたデマントイドが再び話し出す。


「あの子は、貴方みたいに表情だけではなく意思の強さを表には出さなかったから。違いすぎるんだ」


私は、ペリドールとして幼い時の記憶も自分のなんだと上手く説明できないけど不思議と確信がもてる。ただし。


「葉月として生きていた時、最後の記憶が途切れていて。そのせいか、いきなり別の世界に来た感覚が強いんです。だから、ペリドールとしての人格と別れてしまっている、別物に感じるのかも」


そこで気づいてしまった。


「どうした?」


私の変化を敏感に感じ取ったジェードに覗きこむように視線を合わせられた。


「いえ、二人にしてみたらペリドールという妹が違う人になり、悲しいのかなって思って」


葉月ではなくペリドールに会いたいよね。それに最悪、このまま彼女の意識は消えていくのか。


いや、二人は一人なんだよね。あぁ。難しい事は苦手だよ。


「いだっ」


いきなり額にきた衝撃に無意識に下がりかかっていた顔を上げれば、二人と目がしっかり合ってしまった。


「眉間にシワ寄せるより笑え」


どうやらデコピンをくらわしてきたのは、ジェードらしい。


「ジェイ、加減しろ」

「充分している」

「ペリドール、いやハヅキ」

「……はい?」


涙目のままデマントイドを見上げたら、変わらず鉄仮面のような顔の圧がくる。


「ウチの書庫や王城で可能な限り調べてみよう」


なんか、優しい?


「だから焦るな。ゆっくり進もう」


あ、頭上の数字が変わっている。


ジェードは110%から120%に。デマントイドは120%から125%だ。


「ありがとう……ございます」



鉄仮面の口元が、笑ったように見えた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ