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掌編

冬の大四角形

 握った彼女の左手が、ぼくのポケットの中で小さく動く。

「ほら、あの一番白く輝く星が、シリウス。オリオン座の左肩にあるのが、ベテルギウス。その二つの先にあるのが、プロキオン。こいぬ座の星。その三つの星で冬の大三角形」

 ぼくは夜空を指さす。

「知ってるよ」

 彼女は自慢気に言葉を返した。

 ぼくは思わず笑みをこぼし彼女を見た。

 彼女の左手がぼくの手を握り直す。

 ぼくは彼女の左手をポケットから引き出すと薬指に小さな星を嵌め、そして彼女に言葉をかけた。

「───


 彼女は薬指の星をじっと眺めた後、その手を高く掲げ、

「これで四角形だね」

 世界中の幸せを独り占めしたように微笑(ほほえ)んだ。


 冷たくなった彼女の手を、ぼくは優しく包み込む。


  了

参考資料:Wiki「冬の大三角」

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― 新着の感想 ―
[一言] わぁ、素敵ですね~♪♪( *´艸`) > 世界中の幸せを独り占めしたように微笑ほほえんだ。  冷たくなった彼女の手を、ぼくは優しく包み込む。 この2行がとてもいいな、と思いました。…
[一言] 銘尾友朗様の「冬の煌めき企画」から拝読させていただきました。 甘い恋愛描写ありがとうございます。 当分、糖分はとらなくてもよさそうです。
[良い点] 声を大にして言いたい。『あまーーーーーい』 これで彼女は永遠の輝きを手にしたわけですね。 うらや…うらやま…うらやまし……くなんかないやいっ ・゜・(つД`)・゜・ お幸せにっ!! [一…
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