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09:青の騎士オーサー


「ここが、サウス城下町……!」


 守りの堅い城壁、にぎわう人々。セシルは初めて見たサウス城下町に開いた口がふさがらなかった。


「そんなに口を大きく開けてると、虫が飛び込んでくるぜ」

「ひっ」


 セシルが慌てて手を口で塞ぐと、ランディはシシシと笑った。セシルはむぅと頬を膨らませながら、周りを見渡した。

 活気ある街、聳え立つ城壁。そして何より裕福そうな格好の人が多い。街の女の子たちも、アイオ村の子達に比べて抜群にあか抜けていた。


「どうしました、セシル」

「う、ううん、何でもない」


 道行く人に見とれていたなんて恥ずかしくて言えない。セシルは慌てて視線を逸らす。すると大教会が目に入った。


「これが……サウス教会……」


 サウス城下町でも権威が高いのだろう。教会は街一番大きい建物だった。教会の扉が開くと、白のローブを着て、背の高い帽子をかぶった神官達が厳かに出てくる。


(僕もいつかあそこで……!)


 セシルの夢は神官になることだ。いつかあそこで働きたいという思いを込めてじっと見つめていると、ランディにぽんぽんと肩を叩かれた。


「おいおい、あんまり見つめるなよ。教会に穴があいちまうぜ」

「あ、ご、ごめん」

「それに、あんまりキョロキョロしてると田舎もんだと思われるぜ」

「え!?」


 はっと気づけば、街の人たちが自分の方を指さして笑っているように思えた。セシルは恥ずかしくなってギィの後ろにさっと隠れた。


「ランディ、セシルをからかいすぎです。かわいそうに、真っ赤じゃないですか」


「わりぃ、セシル冗談だって、気にすんな。大体、俺たちみたいな旅人はサウスにとって珍しいものじゃない。誰も見ちゃいないさ」


「そ、そうかなぁ」


 その時、セシルの耳に女の子たちの声が聞こえてきた。


「まぁ、なんて可愛らしいのかしら。三人とも美しいわ」

「女性の方も可愛らしいわね、でもあの男の子髪の毛さらさらでかわいいー抱っこしたいー」


 その言葉に、セシルは恥ずかしくてギィの背中に顔を押し付ける。


「ほらもう」

「悪かったって、セシル」

(二人には聞こえていないのか)


 ギィから顔を離すと、女の子たちは可愛いーと小さな声でくすくすと笑っていた。


「でも、やはり私はあの銀髪の方が気になりますわ」

「えぇ、オーサー様とはまた違う美形ですわね」

「いえ、やはり私はサウス城が誇る青の騎士オーサー様が」

「でも、あの方のどこか優し気なのに怪しい雰囲気なんて素敵じゃないですか?」


 女性の目線はギィに移ったようだ。


(確かに、突然ランディやギィみたいな綺麗な人が現れたら見ちゃうよね。僕も村にランディが来た時、見に行ったし)


 あの女性たちは、ギィが生首だと知ったらどう思うだろうか。しかも、首から下はぷるん達の集合体だ。それでもなお美しいと頬を赤らめてくれるのだろうか。


「……いこっか」

「え? あ、はい」

「どうしたんだよ、セシル。怒ってんのか? おい!」


 自分が好機の目で見られているわけではないとわかると、セシルはギィの腕を掴んで歩き出した。




 セシルとギィは並んで歩き、その後ろをランディが頬を膨らませながら付いてきている。


「セシル、もうランディを許してあげたら」

「え? 別に僕怒ってないよ?」

「なら何故……」

「あ、あぁ、ごめんなさい」


 セシルはギィの腕を離した。


「さっき女の子たちがギィがきれいだって話しててさ」

「そうなんですか? 私はちっとも気づきませんでした」

「うん、でも彼女たちはギィが鎧を脱いでもきれいだって言うのかなって思って」


 セシルの言葉にギィはきょとんとした。セシルは少し恥ずかしそうに俯いている。


「それは……仕方のないことです。人は最初、うわべだけで判断します。付き合いを重ねる毎にその人となりを知って仲良くなっていくんですよ」


「そうだけど……」


 ちらっとセシルは後ろのランディに目線を向けた。ランディは出店で何かを購入しようとしているらしく、楽しそうに店員に話しかけている。


「ちなみに、セシルはランディの事をどう思っているんですか?」

「僕? 僕は……ちょっぴり口が悪いけど、いいお姉さんだと思ってるよ。ギィは?」

「私も、同じです。ランディは口は悪いし手はすぐ出ますが、不器用なだけで心優しい少女です」

「それは悪口なのか褒めてんのかどっちだ」

「いでっ」


 ランディはギィの頭をごんと叩いた。


「痛いです、普通そこはスネを蹴るのでは?」

「ぷるりん達にダメージいくだろうが。お前の脚が見つかったら思う存分蹴ってやるよ」

「ひぇ」

「ら、ランディそれどうしたの?」


 にやにやとギィに詰め寄るランディにセシルは声をかけてみた。


「ん? あぁ、これは南国の飲み物でストロー直接刺して飲むらしい」


 ほら、とランディにストローの刺さった堅い大きな実を渡された。


「おいしいぜ、さっぱりしてて」

「僕、もらっていいの?」

「さっき、からかった詫びだ。だからもう……俺をのけ者にするなよ」

「気にしてたんですね、ランディにも可愛らしいところがありましたね」

「うるっせぇ!」


 ごんと木の実でランディはギィの頭を殴った。


「それ、結構いたいです……」


 あははと苦笑しながら、セシルは果汁を吸い上げた。


「お、おいしい」

「だろ? あっさりしてて、かつ甘い」

「うん、ギィも飲む?」

「いえ、私が飲むとぷるりん達がべとべとになるだけですので」

「あ、そっか、ごめんね」


 だからランディはセシルにだけ果実を渡したのか。


「さっき、ついでだからあの店員のじいさんにエミリーについて聞いてみたけど、よくある名前だから知らんって言われた。ありゃなんかくせぇな」


「え、あのおじいさん臭いの?」

「違いますよ、怪しいという意味です。何か謎を隠しているから臭いな、という意味です」


 ギィが解説し終えると、ランディはじゅぅっと果実を全て吸い付くした。


「飲み終わったか?」

「あ、ちょっと待って」


 セシルも吸い付くし、ランディの果実を奪い取った。


「僕が捨ててくるよ」

「いいのか? 悪いな」

「ランディ、そこはありがとうセシル、大好き! です、いたい! 頭を殴らないでください!」

「うるせぇ、余計な事言わなくていいんだよ!」


 後ろでわぁわぁ言い合っている二人を残して、セシルは店員のおじいさんに果実を渡そうとした。


「すみません、これ飲み終わりました。おいしかったです」

「あぁ、ここに捨てといてくれ……え?」


 パイプを燻らせながら、おじいさんは何の気なしにセシルの方を見た。そして驚愕の表情を浮かべ、パイプをぼとりと落としたのだった。


「わ、若君……小さい頃の若君だ……!」

「え?」


 おじいさんが肩を掴もうとしてきたので、セシルは怖くなって逃げだした。


(若君って何? 僕が誰かの小さい頃に似ているってこと?)


 ランディ達のところに戻ってそれを伝えると、二人は黙ってしまった。


「セシルの本当の父親に似てるって言いたいのか」

「はたまた、別の高貴な子息の幼いころに似ていると言いたいのか」

「でも、街で僕にそっくりな人なんて出会わなかったよ」


 うーんと頭をくっつけて悩んでも、答えはでなかった。


「悩んでても仕方ねぇ。とにかく、エミリーが泊ったっていう宿屋に行こう」


 三人はエミリーが泊ったという宿屋に行ってみた。だが、そこは酒場になっていて、面影もなかった。


「十四年も経てば、そうなるわな」


 仕方なく、他の宿屋に言ってエミリーについて聞いてみる。


「うーん? エミリーねぇ。よくある名前だけど、記憶にないわぁ」


「十四年前、あそこにあった宿屋でコイツを産んで死んでるんだ。誰か当時働いていた人とか知らないか?」


「あそこねぇ、確か酒場のマスターが当時宿屋で働いていて、それを受け継いで酒場になったって言ってたような……え?」


 若女将がふとセシルに目が行って固まった。


「わ、若君だ……ちっちゃい頃の若君だ……!」


 その言葉に、三人の柳眉がぴくりと動いた。


「その若君とは誰なのでしょうか? 先ほども彼はそう言われたんです」


「ん、んん。別に、何もないわ。気にしないで。それより、こっちも忙しいの。泊まらないのなら帰って頂戴」


 若女将はしっしっと手を振って三人を宿屋から追い返した。




「何なんだよ、若君って」

「わからないです、この国の王子様のことでしょうか?」

「それならそうと言うはずだよ。何か隠してる、臭い」


 セシルが腕組をしながらそう言うと、ギィが指で眉間のしわを伸ばし始めた。


「どうした? もう老眼か?」

「違いますよ、ランディのせいでセシルが口悪くなっていったらどうしようと不安で」

「くせぇぐらい言うだろ、普通」

「前のセシルなら言いませんでした」

「も、もう僕の事でそういう事言い合うのやめてよ、恥ずかしいんだから」


 セシルが間に入ると、二人は悪いなと言ってにらみ合うのをやめた。

 宿屋を出て、酒場へ向かう。その時、セシルは宿屋から酒場へ一人の影の薄そうな男が走っていくのが見えた。


(あの人臭いな……もしかして僕達が来ることを酒場の人に言いに行った?)


 何故そこまで? 自分が若君にという人に似ているから?


(若君ってどんな人なんだろう)


 自分の将来大人になった姿をしているのかもしれない。そう思うと少しだけドキドキした。


「セシル、行こうぜ」

「うん」


 ランディを先頭に、三人は酒場の扉を開けた。




 きれいな三人組が入ってくると、酒場の男たちはじろりと品定めをするような目線を投げつけてきた。ランディは慣れているのか、ずんずんと先を歩いていく。セシルはギィの服の裾をしっかりと掴んでついてきていた。


「最近のエルフはおかしいよな」

「戦争になるんじゃね?」


 セシルの耳に男たちの情報が流れ込んでくる。


「そもそもさ、俺たちのキララ姫と逢引しようとしたのが決定的なんじゃねぇの?」

「姫も隅におけねぇよな、まさかエルフとデキてるなんてさ」


 どういう事だろうと立ち止まって聞いていると、行きますよとギィに手首を掴まれてしまった。

 カウンターにはマスターがいて、その前にはブロンドの髪を後ろに束ね、オールバックにしている精悍な顔つきの美青年がいた。


(わぁ、綺麗。だけど、眉間のしわと目の鋭さですごく怖いよ)


 セシルは怯えてぎゅっとギィの裾を握りしめた。


「というわけだ、俺はこれにて失礼する」

「わかりました、若君」


 男は立ち上がり、出ていこうとしたが、あまりに酒場に不似合いな三人をいぶかし気に睨んでいる。


「なぁ、マスター。あんただろ? 十余年前にここが宿屋だった時に働いていた男って」


 カウンターの椅子に座り、話しかけたランディをマスターは目も合わせはしない。


「さぁね、子供は帰りなさい」

「エミリーって女知ってるだろう? こいつの母親なんだ」

「知らないよ、ほら帰った帰った……え?」


 マスターはセシルを見つめて固まっている。だが、それは一瞬でごほんと咳ばらいをした。


「いいから帰りなさい、子供が遊びに来る場所じゃないんだ」

「てめぇ! いい加減にしろよこの野郎!」


 ランディがカウンターに身を乗り出し、マスターの蝶ネクタイを引っ張った。


「ら、ランディやめてください! 暴力はだめです!」

「だ、だめだよランディ!」

「うるせぇ! このオッサン絶対何か隠してるんだよ! くせぇ臭いがぷんぷんしてらぁ!!」

「やめないか!!」


 ハリのある美声が、酒場に響いた。


「さっきから聞いていれば、そこの女。下品にもほどがある、口を慎め!」

「はぁ? なんだテメェはひっこんでろ! でこっぱちが!」

「なっ……!!」


 男はわなわなと口を震わせた。おそらく、女性にこんなことを言われた経験がないのだろう。彼は力いっぱいだぁんとテーブルを拳で殴った。


「あちゃーあれは痛いですよー」


 ギィが緊張感なく自分の手を摩っていた。男はメンツを保つために痛みを我慢し、ランディにびしっと指をさした。


「女のくせに下品で、粗野すぎる。キララ姫と同じ女性とは思えないほどだ。貴様はキララ姫の爪の垢を煎じて飲むがいい」


「はぁぁ? 頭ぱぁかお前。誰がそんなキタナイもの飲むかよ。大体なぁ、指さすなよな。人に指さして話しちゃいけませんって子供でもわかるだろうよ。バーカ、でこっぱちハゲ」


「ぐぬぬ……ハゲてない! 貴様を女として見てくれる男など一人もいないだろう! そうに決まっている!」


「な、はぁぁ!? くそ、おいセシル! このスカポンタンに何か言ってやれ!!」


 突然話を振られ、セシルは怯えた。


「む、無理だよ。あの人すごく怖いもん」

「言い方は違えど、口の悪さは二人ともいい勝負ですよ」

「ふざけんなよ! あとで覚えとけよギィ!」


 男はすらっと剣を抜き、ランディに突きつけた。


「私はオーサー・ライアン将校だ。怪しい奴らめ、連行する!」

「げ、やば」

「仕方ないですね、ランディ逃げますよ!」


 ギィはランディを後ろから腰を抱いて持ち上げた。


「すみませんね、スリープ!!」


 オーサーはスリープをかけられると、白目を剥きがくんとその場で倒れてしまった。


「ひゃぁ、相変わらずギィの魔法スキルのレベルはすげぇな」

「とにかく今のうちに逃げますよ!」


 ギィはセシルの腕を掴み、ランディを抱えたまま入口に走った。


「オーサー殿大変です! ってオーサー殿?」


 入れ違いに、兵士が入ってくる。兵士に揺り起こされ、オーサーはすぐに目を覚ますだろう。三人はとにかく酒場から逃げ出し、物陰に隠れた。すると、オーサーの怒声が酒場から響き、一目散に城へと走っていった。


「ふぅ、何とか助かりましたねぇ」

「ちぇ、あそこで剣を向けてくるとか卑怯だぜ」

「もう、僕ハラハラしたよぉ」


 ほっとして街に注意を向けてみると、兵士が大勢歩き回り空気がぴりぴりとしていた。


(どうしたんだろう……まさか戦争?)


 酒場で聞いたエルフとの戦争。そんなまさかと思いながらも、セシルの脳裏に彼らの会話が何度も繰り返し再生される。


「とりあえず、飯でも食いに行こうぜ。腹減ってきた」

「そうですね」


 三人は飲食店へ向かうため歩き出した。街はぴりぴりと緊張感に溢れ、兵士が走り回っている。落ち着きのない街の様子にセシルは不安げにギィの服の裾を握った。


「おい、聞いたか? キララ姫様が攫われたらしい!」

「本当か? とうとうエルフと全面戦争か?」


 男たちの声がセシルの耳に届く。


(怖いなぁ。でも、何でエルフはキララ姫を攫ったんだろう?)


 エルフは普段森の奥深く、結界の張られた場所で静かに暮らしている種族だ。耳がとんがっていて寿命が長く、魔法に長けているという。そして見た目が皆美しい、森の狩人と呼ばれている。そんなエルフが一国の姫を攫うとはどういうことなのだろう。


「セシル、こりゃやばいな。食堂やめて宿屋に行こう」

「う、うん」


 街で少しでも怪しい者は兵士に連行されていく。出入口も封鎖され、街の人たちも家に帰っていく。街は静かになり、兵士のがっしゃがっしゃという足音だけが響いていく。


「あれ?」


 皆が怯えながら家へ帰っていっているというのに、城壁にもたれ物憂げな表情で立っている男がいた。男の姿は透けており、誰も彼に気づいていないようだった。


「ねぇ、あの人何で透けてるの?」

「は?」

「どこですか? 何も見えませんよ?」


 セシルが指さした方を見て、ランディは険しい顔をした。ギィも目を凝らして見ているが首を傾げている。


(僕にしか見えないんだ。それにあの人耳が尖ってる。エルフだ!)


 もしかして、姫が攫われた事に関係があるのだろうか。


(怖い、でも僕にしか見えていないんだ。なら、僕がどうにかしなくちゃ……!)


 ぐっとこぶしの握り、セシルは勇気を持って男の方へと歩き出す。


「おい、セシル! やめろよ! 取り付かれたらどうすんだ!?」

「しぃ、ランディ。セシルを信じましょう」


 怯えるランディを制して、ギィはセシルを見守ることにした。


「あ、あの」


 セシルが声をかけると、何か考え事をしていた男はおや? と不思議そうな顔を向けた。


「私が見えるのですか? 珍しいですね」

「見えます。何で透けてるんですか?」

「人間に見えないように、妖精やエルフは魔法をかけているんです。最近敵対心を持つ人間が多いですから」


 その時、街の中央通りを馬が駆けた。


「キララ姫!! 今このオーサーがエルフからあなたをお救いします!!」

「オーサー殿!! お待ちください!!」


 頭に血が上っているのか、オーサーは人を蹴散らせながら飛び出していった。


「げ、さっきのでこっぱちハゲじゃねぇか」

「彼はハゲてませんよ」

「ああいうタイプは生え際からハゲていくんだよ。しかもあの性格だ、絶対ハゲる」


 ランディの言葉にギィは苦笑するしかできなかった。


「はは、あの方をでこっぱちハゲというなんて。あなたのお仲間はユニークですね」

「ただの口が悪いだけです……」

「いえいえ、普通のお嬢さんはあの方を見ると心をときめかせるんですが、まさか悪口とは」

「すみません……」


 何で自分が謝っているんだろうと思いながら、セシルは顔を赤くする。男はその様子を見てくすっと笑い、セシルに目線を合わせた。


「あなたにお願いがあります」

「え?」

「私を城へ突き出してほしいのです」

「……え?」


 男の決意に溢れた眼差しを、セシルは逸らすことはできなかった。


(この人を城に突き出す? そんなことしたら、この人殺されちゃうよ……!?)


 セシルがぷるぷると首を横に振るが、男の決意は変わらないらしい。


「……おい、セシル。俺たちは見えてないし聞こえないんだ。わかるように話せよ」

「あ、うん」


 ランディにそう言われ、セシルは困ったように男を見つめた。


「私の名はマリオン。心美しき人よ、私の話を聞いてくれますか?」





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