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刹那の皇帝  作者: たろ
第1章
5/22

優しさ

そう。第7代皇帝 醒月は女である。


醒月の言葉に有鄰は微笑んだ。

「よかれと思ったからです。」


「それは答えになってない!!!それに人に見られたらどうするんだ!」


「あら、大丈夫ですわ。ここは私が使っていた別棟ですし頴達殿以外にはおりません!人払いもしております。それに…

勿体のうございます。18の娘といえば着飾り、浮かれる頃ですし、貴方は国一番の美姫と呼ばれた、今は亡き母君によく似ていらっしゃるそうではないですか。」


「…兄上の方が母に似ていた。」


「いいえ、貴方と兄君は瓜二つであったと聞いております。…だから兄君、醒月様に成り替わることができたのでしょう?」


醒月は生まれた時から男として育てられた訳ではなく2歳上の兄である本当の醒月の死後、醒月となった。


亡くなったのは己が妹姫として。


「…そう憐れむな。私は別に満足しているし、後悔している訳でもない。」


有鄰は苦い物を飲み込むような顔をしておし黙る。


「それに私は貴方のような美しい姫を妻にできたし、ほーらこんなに可愛い娘もできた。」


醒月は傍らですやすやと寝ている有鄰の娘に目を向ける。


「しかも私は…」


「私は?」


「こうしていた方が性に合ってるんだ。走り回れることがうれしい。何しろ元おてんば公主だからな。でも衣の重さは変わらないな。」


やけに真面目な声で言ってやるとぷっと有鄰は吹き出す。


「貴方はこれだから…出すぎたことを申しましたわ。」


「じゃあこれ脱いでいい?」


「だめです」

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