第70話 アリサのメイドデビューです。
その後、夕食の時間となった。
御影はアリサと共に階段を降り、リビングへと向かった。
「紹介するよ。今日からうちに住んでもらうことになった、アリサだよろしく頼む」
「アリアと申します。よろしくお願いします」
そう言うとアリアはペコっと頭を下げた。
「杏よ。よろしくね」
「クラリスと申します」
「メレーヌです」
うちの住人もそれぞれ挨拶した。
「何か分からないことがあれば何でも聞いて。御影さんには言えないことでも相談に乗るわよ」
そう言って杏は微笑みを浮かべた。
「は、はい。ありがとうございます」
「杏はうちのメイドカフェ本店の店長でもあるからな。こう見えて意外と頼りになるんだ」
「意外と、は余計ですけどね」
杏は頬を膨らませた。
「ふふふ、なんか、いいですね。こうしてみんなで食事をするのは久しぶりです」
アリアはどこか遠くを見るような目で優しく笑った。
「ああ、飯はみんなで食った方が美味いからな」
食後は皆で紅茶を飲みながらまったりしていた。
「早速なんだが、アリアには本店の方でメイドとして働いてもらおうと思うんだけどいいかな？」
「私は異論ありませんよ」
杏が答えた。
他のみんなも異論は無い様子だった。
「アリアもそれで構わないか？」
「は、はい！ 精一杯、頑張ります」
アリアは意気込んでいた。
「では、そういう事で、明日からよろしく頼むよ」
そう言うと御影は席を立った。
「あれ、御影さんはどちらへ？」
クラリスが尋ねてきた。
「風呂入って寝る。今日は何か疲れたからな」
御影は言った通り、風呂を出るとベッドに倒れ込み、やがて意識を手放した。
「おはよう」
翌朝、御影は杏やクラリスと同じタイミングで目が覚めた。
「おはようございます」
「あら、早く寝たら早く起きれるじゃない」
「ま、まあな」
杏は最近、御影への当たりがキツイ気がする。
「じゃあ、今日も頑張りますか」
朝食を食べ終わると御影は杏とクラリス、アリサを連れ、セルヴァントへと向かった。
メレーヌは今日はお休みだ。
「はい、これがアリサの制服な」
御影は昨日のうちに作らせておいたアリサ用のメイド服を渡した。
「あ、ありがとうございます」
「仕事内容は杏に聞けば大体分かるから。それでも分からなかったら呼んでね」
「分かりました」
クラリスは二号店の店長なので途中で別れ、二号店に向かった。
アリアは杏から一通りの仕事の説明を受けていた。
「じゃあ、そろそろオープンしましょうか」
御影は表の看板をopenへと変えた。
「「おかえりなさいませご主人様」」
今日は休日ということもあってか、オープンからご帰宅するご主人様方が何人かいた。
「お、今日は新人さんも居るのか、可愛いね」
「そうなんです。今日、初お給仕なんですよ」
「へえ、御影さんもなかなかいい子スカウトしてくるよな」
常連さんの中には御影の友人も何人かいる。
この常連さんもその一人だ。
「たまに、勝手に暴走してますけどね」
「あはは、間違いねぇや」
そんなこんなで今日もそこそこ繁盛して、閉店の時間となった。
「どうだった？ 初お給仕は」
帰り道、御影がアリアに尋ねた。
「はい、凄く楽しかったです！ これならやっていけそうです！」
「それはよかった。これからもよろしく頼むよ」
「はい！！」
「面白い！」「続き読みたい！」など思った方は、ぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします！
していただいたら作者のモチベーションも上がりますので、更新が早くなるかもしれません！
ぜひよろしくお願いします！
