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第6話 新たに女の子を助けました。

 御影は新たなスーツを身に包み、ギルドへと向かった。

ギルドは討伐系の依頼が多いが、普通の仕事の募集もしてくれているのだ。

表通りを歩いていたその時、裏通りの方から悲鳴のような声がした。


「ちょっと覗いてみるか」


裏通りは治安が悪いからあまりいい気持ちではない。


「離しなさいよ! ねぇ! やめて!」


裏に入ったら女の子一人が男三人に絡まれていた。


「取り込んでる所悪いが、その子を離してもらおうか」


御影が割って入った。


「あぁ? なんだテメェは?」

「叢雲御影、この名前に聞き覚えがあったら今すぐに去りなさい」

「御影……お前まさか!?」


男の一人の表情が恐怖に変わった。


「おい、こいつはヤバいぞ! 逃げよう!」

「はぁ? 何言ってんだお前? こんなガキが何だってんだ! 金だけでも置いていってもらう」


御影は小さくため息を付いた。

男は懐からナイフを抜き、切りつけて来た。


「おっそ」


御影は綺麗に躱し、男の腕を取りそのまま投げ飛ばす。

後の二人は戦意を喪失しながらもナイフで襲ってきたので、回し蹴りをお見舞いしてやった。


「貴様……何者だ?」


最初に襲ってきた男が口にした。


「叢雲御影、この世界で最強と言われている者だよ」


その言葉を聞き終わると三人とも気絶してしまった。


「おい、君、大丈夫か? 立てるか?」


御影は彼女に手を差し出した。

助けたのは、茶色の髪を胸までのばした人間族の可愛い女の子だった。


「はい、助けもらい、ありがとうございます。私、杏と申します」


彼女はアンズと名乗り、ペコリと頭を下げた。


「俺は、叢雲御影だ。よろしくな」

「え!? 御影……もしかして」

「ん? 俺のこと知ってるのか?」

「はい!! 叢雲御影と言ったらこの世界では有名ですよ!!」


どうやら、御影の名前は想像した以上に広がっているらしい。


「そうなのか。それより、ここは危ないから表に出るぞ」


御影は杏の手を取って表通りまで歩いた。


「ここまで来ればもう大丈夫だよ。裏通りにはもう入らない方が身のためだよ」

「本当に、ありがとうございます」

「あの、失礼だけど、保護者の人とかは?」


明るい所でよく見ると、可愛い顔をしているが、身につけているものはどこか貧しく見えた。


「母も父も早くに亡くしました。今は、その日暮らしの生活です」


杏は目を伏せた。


「あのさ、もしよかったら、僕に雇われてみない?」

「え!? 私を雇って下さるのですか? 最強と言われている賢者様が!?」


杏は心底驚いている様子だった。


「もちろん、無理にとは……」

「是非お願いします!!」


御影が言い終わる前に杏が言った。


「ありがとう。よろしく頼むよ。じゃあ、まず服を着替えに行こうか」


ギルドに行くのは一旦、後回しにして、呉服店に戻った。


「いらっしゃいませ。あ、御影先生、何かお忘れ物ですか?」

「いや、この子に適当に服を見繕ってもらいたい」

「かしこまりました」


杏と店主が奥へ入って行った。

それから数分、杏は黒のワンピースを着て出てきた。


「このようなのでいかがでしょうか?」

「うん、よく似合ってる。可愛いよ」


御影のその言葉に杏は頬を赤らめた。


「じゃあ、ここから落としてくれ」


御影はギルドカードを出した。

このギルドカードはクレジットカードのようになっており、買い物などで使えるのだ。


「一括でよろしいですか?」

「ああ、構わないよ」


服を購入し、御影たちは店を出る。


「ありがとうございました」

「頼んでる件、よろしく頼むよ」


そうして今度こそギルドへと向かうのであった。


いつもお読み頂きありがとうございます。

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