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第62話 王都防衛戦①

 あれから一週間、御影はいつも通りの穏やかな日々を送っていた。

しかし、その日は突然やってきた。


「旦那様! 王宮から緊急のお呼び出しです」


 執事のロイクが息を荒げてやってきた。


「緊急だと?」

「はい、大至急来て欲しいとのことです」

「分かった。行ってくる」


 御影はいつものスーツに袖を通し、王宮へと足早に向かった。


 王宮に入るとメイドさんにより、いつもと変わらず応接間に通されると、そこには陛下と公爵様、ギルド本部長が座っていた。


「緊急の呼び出しとのことですが、何事でしょうか?」

「ああ、いつも以上に急ですまない。実はだな、」


 そこまで言うと陛下は言葉を詰まらせた。


「陛下、ここは私から」


 ギルド本部長が切り出した。


「ああ、頼む」

「はい、実はこの王都に魔獣の大群が迫っているという情報が入りました。今は東の砦で食い止めていますが突破されるのも時間の問題かと思います」

「本当ですか?」

「残念ながら確かな情報です。そこで、御影さんを緊急招集しました。王都の城壁に接近する前に何とかしてもらいたいもです」

「何とか、と言われましてもね。ちょっと失礼」


『探査』


 御影はサーチの魔法を展開した。

すると、王都の東側から大量の魔力生命体が接近しているのを感じた。


「200、いや、300は居るな。これは、まずいかもな」

「そ、そんなに居るのかね」


 陛下が驚いた様子で御影を見てきた。


「サーチに引っかかったのがそれだけなので、実際にはもっといると思います」

「なんとか、出来るかね?」


 陛下は不安そうに聞いてきた。


「他の冒険者じゃ対抗できないと思ったから、わざわざ俺を呼んだんでしょう? 何とかして見せますとも」


 御影は不敵な笑みを浮かべた。


「どうするつもりなんだね?」

「今ある城壁の外側にさらに城壁を作り出します。そして、そこで魔獣の大群を

迎え撃ちます」

「「「は!?」」」


 陛下たちは口を開けて驚いている。


「ですから、新しく城壁を展開します。数時間もあればできるでしょうから」

「本当にそんな短時間で出来るのかね?」

「ええ、土魔法を使えば何とかなると思います。一応、陛下の許可は必要なのですが……」

「好きにやってくれ。とにかく王都を何としても守り抜いて欲しい」

「承知しました」


 御影は王宮を出ると一度屋敷に戻った。


「ということで、俺はまた少し屋敷を開ける。それと、明日明後日は臨時休業にするからよろしく頼む」


 陛下から頼まれたことを杏とクラリス、メレーヌ、ロイクに話した。


「かしこまりました。そんなことになっているのですね」

「御影さん、大丈夫ですよね……?」

「ああ、俺は大丈夫だ。心配するな。じゃあ、後のことは任せる」


 御影はそれだけ言うと屋敷を後にした。

着替える時間も惜しかったのでいつものスーツ姿で東の城壁に向かう。


「御影先生、お疲れ様です」


 騎士団長のコームが頭を下げてきた。


「お疲れ様。まだ、大丈夫そうだな」

「はい、今のところは。それにしても、来てくれたんですね。これでもう、怖いものはありませんよ」

「油断するなよ。今からでかめな魔法を展開するから衛兵たちを下がらせてくれ」


 御影はコームに指示を出した。

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