第61話 覚悟と努力そして日常。
メレーヌのような可愛い女の子と手を繋いで歩くのはどこか気恥ずかしい。
「御影さんの手、暖かいんですね」
そう言ってメレーヌは微笑みを浮かべた。
「そうか? 普通だろ」
「いいえ、私はこの手に何度も守られてきました」
「家族を守るのは当然だろ。どこか行きたい所はないのか?」
「私は、お腹が空きました!」
そう言えば朝から何も食べていなかった。
「よし、じゃあ飯にするか! 何か食いたいものあるか?」
「うーん、そうですね……御影さんの好きなものが食べたいです!」
「俺の好きなものか。カレーとかどうだ?」
「カレー、私も好きです!」
「じゃあ、カレーに行きますか」
二人はここから数分の所にある御影おすすめのカレー屋に向かった。
「ここだよ」
「へぇ、私、ここは初めてです。御影さんって色々なお店知っているんですね」
「食い物だけはな!」
そう言って御影は扉を開けて、メレーヌを中に入れる。
ここはいつも混んでいる人気店たが、お昼の時間から少しずれていた事ですんなり席に着くことができた。
「メレーヌは何にするか決まったか?」
メニューを見ているメレーヌに聞いた。
「どれも美味しそうで迷ってしまいます。御影さんは決まっているんですか?」
「ああ、決まっているよ!」
「なら、私も同じもので」
「分かったよ」
メレーヌはメニューを脇に寄せた。
「親父、野菜カレー二つ頼む!」
「はいよー!」
ここの野菜カレーは長時間煮込まれ柔らかく、ごろっと野菜が入っていて中々美味いのだ。
メレーヌの何気ない話をしながらカレーが来るのを待った。
「はい、野菜カレーお待ちー!」
数分で野菜カレーが運ばれて来た。
「ありがとう」
「ありがとうございます」
「さ、食おうぜ」
御影はメレーヌにスプーンをてわたした。
「すみません」
「いいよいいよ」
メレーヌはそのカレーを美味しそうに食べる。
その姿を見ているだけで微笑ましい。
「これ、美味しいですね」
「だろ? ここは人気店だからな」
「はい、一人でも来たくなるくらいです」
「また、食べに来ような」
数十分後、カレーを食べ終えた二人は店を後にした。
「まだ時間はあるぞ。どこ行くか?」
「御影さんは行きたい所ありますか?」
「そうだなぁ、メレーヌはコーヒーは飲めるか?」
「い、いえ、私はコーヒーよりは紅茶の方が……」
「ああ、そうだったな。なら喫茶店にでも行ってまったりしているか」
「それもありですね!」
二人は少し歩いて洒落た喫茶店に入った。
一人なら躊躇ってしまうが、メレーヌと一緒ならそんな事も無い。
席に通された二人は御影がコーヒー、メレーヌが紅茶を頼んだ。
「御影さん、今日は色々ありがとうございました」
「いや、元はと言えば俺が悪いんだから気にしなくていいんだ」
「はい、これからもよろしくお願いしますね」
「もちろんだ。どんな事からもお前を守ってやるよ」
二人は微笑み合った。
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