第53話 メイドたちの休日です2。
中央通りは左右に露店が並んでいる。
そこで、日常品を買うことができたり、食べ歩き、アクセサリーや文房具と大抵のものは手に入れることが出来る。
王宮の方まであしを伸ばすと高級店も建ち並ぶが、そっちで買い物をする方が少ない。
「見てください。この手帳可愛くないですか?」
「このボールペンも可愛いよ」
「いいですね。これならメイドカフェでも使えそうですし」
二人は文房具たちを見回したて、気に入ったものを次々と手に取っていった。
「休みの日くらいメイドカフェのことは忘れて買い物をすればいいものを」
御影はそっと呟いた。
しかし、彼女たちにとっては御影たちとの日をこころから楽しんでいるということだろう。
「これを、お願いします」
二人が会計をしようと財布を出そうとした。
「銅貨四枚だよ」
「はい、銅貨四枚」
御影がさっと自分の懐から硬貨を出して店主に渡した。
「まいどありぃ」
「また、払って貰ってすみません」
杏とクラリスは少し申し訳なさそうな顔をした。
「いいのいいの、今日は楽しませてもらってるからそのお礼だよ。大した額じゃないんだから」
御影は財布を再び懐にしまいながら言った。
「ありがとうございます」
「そういえば、御影さんって大金稼いでる割には普通の金銭感覚してますよね」
「まあ、元冒険者だったから、武器とかにはお金をかけるけど、日常生活には大金をつぎ込まないな」
「もっと豪遊してもいいくらい稼いでますのに」
「何事も普通が一番ってことだよ」
「そういうもんですか」
杏とクラリスは頷いた。
「御影の若旦那。焼き串食っていくか?」
露店通りを歩いていると声を掛けられた。
「おお、久しぶりだな。三本くれ」
「あいよ、銅貨三枚だ」
「はい、ちょうどな」
「まいどあり」
ここのいいところは安いという所だ。
御影は串焼きを三本購入すると、クラリスたちの元に戻った。
「はい、これ、串焼き買ってきたよ。冒険者やってた時はこれをよくストレージに入れてたんだよね」
「へぇ、これは食べたことないかもです」
杏とクラリスは受け取った串焼きを口にした。
「おいしい……」
「それはよかった」
確かに女の子たちだけでお出かけしていたらこれは買わないであろう。
食べ終わったところで、今度はアクセサリーを見るようである。
「御影さんはどんなのが好みですか?」
「え、俺?」
「はい、御影さんに選んでもらいたいんです」
「んー、俺が選んでいいの?」
「「はい!」」
二人は口を揃えてえ言った。
「これ、なんてどうかな?」
クラリスには青い宝石が埋め込まれたネックレス、杏には紅のかんざしを選んでプレゼントした。
メレーヌにもお土産に黄色のヘアゴムを購入しておいた。
「ありがとうございます。大切にします」
二人とも凄く喜んでくれた。
「じゃあ、日が暮れてきたことだし、そろそろ帰るか」
「そうですね」
「はい」
三人は並んで屋敷までの道のりを歩いた。
屋敷に戻ると夕食の準備が済まされており、メレーヌも帰っていた。
「はい、これ、お土産」
御影は先ほど買っておいたヘアゴムを渡した。
「あ、ありがとうございます。大切に使います」
メレーヌも凄く喜んでくれた。
こうして今日も一日に幕が降ろされようとしていた。
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