第45話 制圧を開始します。
「御影先生、それは?」
「この制圧が決まったからな。武器を新調しといたんだよ。そこそこ高かったけど、あると便利だよ」
「相変わらず、凄いもんをサラッと手に入れますな。」
「そんな事より、さっさと先を目指そう」
御影を先頭にどんどん奥へと進んで行く。
やはり、途中で何人かの襲撃にあったが、全員制圧した。
「こんな、弱いやつばっかでいいのかよ」
「いや、それは相手が弱いのではなく、御影先生が強過ぎるのでは……」
コームさんが小さな声で呟いた。
事実、今までの襲撃はほとんど御影一人が倒してしまっている。
「ここか……」
アジトの本部と思われる場所に到着した。
扉の両脇には門番のように二人が立って居たが、既に他の冒険者らにより、取り押さえられていた。
『雷槍』
御影は魔法を展開し、扉をぶち破った。
「なんだお前ら!!!」
そこには幹部と思われる人物が数人居た。
「王国騎士団だ。今からお前ら全員を取り押さえる」
幹部連中は魔法を展開しようとしていた。
『解析』
御影は相手の魔法術式を解析して、魔術式を書き換え、その効果を大幅に減少させた。
「な、何故だ! 何故魔法が発動しない!」
「俺の前ではそんな魔法、意味ないぞ」
流石の御影も自分より高位な魔法術式は解析できないのだが、そこらの外道魔法師ごときの魔法ならどうって事無い。
「貴様、何者だ?」
「叢雲御影、この名前に聞き覚えはないか?」
「御影だと? 確か、引退したはずじゃ?」
「ああ、確かに引退したよ。しかしだな、お前らの悪事は目に余るものだったからな。今回ばかりは手を貸したのさ」
御影はそれでも抵抗しようとする幹部らに麻痺弾を打ち込んだ。
その後、アジトの本部内を捜索すると、国王陛下の暗殺計画案を書いたものなどがゴロゴロと出てきた。
ここをもっと調べれば、余罪も明るみに出る事だろう。
そして、御影たちは取り押さえたレギロンメンバーを連行した。
御影の仕事はここまでである。
あとは、裁判やらで、あの連中の刑が確定するのであろう。
「御影先生、ご協力ありがとうございました。お陰様でスムーズに全員取り押さえる事が出来ました」
「いいよ。報酬はちゃんと陛下からもらうからさ。それに、これ以上悪事を働かれたら、うちの店にも迷惑を被る事になりそうだったからね」
御影は陛下から報酬を貰ったあと、自分の屋敷へと帰るのであった。
こうして、また御影は日常を取り戻そうとしていた。
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