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源氏物語をよむ  作者: 滑川 慧
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第一帖「桐壺」02

分不相応な寵愛を受ける女性に対する、他の女君の思いとは…。

始めより我はと思ひあがりたまへる御方々、

めざましきものにおとしめそねみたまふ。

同じほど、それより下臈の更衣たちは、ましてやすからず。


 (意訳)

 入内当初から「私こそは帝の寵愛を受けて中宮になるわ」と

 自信を持っていた女御の方々は、帝に寵愛されている女性を

 目障りな者と見下し、お憎みになった。

 その女性と同じくらいの身分や、それよりも下の更衣たちは、

 まして心穏やかではない。



はい。きました。女の嫉妬。


当時、「女御」と「更衣」の間には深くて暗い川が流れておりました。

ここの線引きは「出自」。

基本的には、最上流貴族のお家柄出身者が「女御」、

それよりはちょっと劣る身分の者が「更衣」として入内しました。


「女御」として入内したら、目指すは「男子を生んで中宮へ!」。

それなのに…。男子を生んだ女御もいらっしゃるのに…。

「女御」である方々にとっては、「何よ、あの小娘!」です。


噂の女性と同じくらいの身分の者や、

それよりも下の身分出身の更衣は、まして…

という語りから、件の女性は「更衣」であることが判明します。

自分たちと同じくらいと思っていたら一抜けデスカ?という不満。

出自はちょっと上かもしれないけど、所詮私たちと同じ更衣でしょ?

と自分を慰めていた者たちの不満。

元々同じランクだったからこその「アイツにありでなんでアタシじゃダメ?」。


後宮カースト問題の勃発です。

嫉妬とは恐ろしいもので。


余談ですが、更衣から中宮にジャンプアップした方が、

歴史上でお一方いらっしゃいます。

限りなくゼロに近い可能性ながら、絶対になしではない、

「件の更衣が中宮になる」下克上。


そんなことを考えると、

帝に寵愛されている更衣、いじめに遭う予感しかしませんね…。


ところで…

「源氏物語」のイケメンヒーロー光源氏がなかなか出てこないけど?

と思うところではありますが、

もうしばらくお待ちください。

次話に続きます。

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