愛依は日記を読んで驚愕する
さて、いつの間にか物語の主人公にされていた珠玲だが、都に帰還した時はそりゃあもう大変だった。
何せ、翔士(珠玲の前世)は魂が消滅したと皆から思われていたからだ。
祝主の司凉が同胞殺しという大罪を犯したのも、翔士が魂ごと滅させられたと信じたからであり、他の依人たちも皆、転生も叶わずに命を散らした初愛依の死をそれはひどく悲しんだ。
が、消滅する筈だったその初愛依はド根性で命を繋いでいた。
恋しくてたまらない祝主の許に帰りたい一心で、不可能な転生を気合で何とかしたのである。
これは褒められてしかるべきでは…と、珠玲は内心思わぬでもなかった。
実際、闇食みの宮からは、「よく生き延びたものよの」と呆れ半分、お褒めの言葉を頂戴した訳ではあるし。
けれど、そんな事を言えるような雰囲気では勿論なかった。
同胞たちは珠玲が戻った事を喜んでくれたが、散々心配をかけて悲しませた分、文句もぶちぶち言われたし、行動が軽率すぎると大説教もされた。
…まあ、確かに自分が悪いのだろう。
同胞らは必死に初愛依を守ろうとしてくれていたのに、自分は気のふれた同胞の後をのこのことついて行き、挙句に殺されてしまったのだから。
特に守役だった架耶にはものすごく叱られた。
珠玲の帰還が待ちきれなかった架耶は都の外れまで珠玲を迎えに来てくれて、珠玲を見るなり泣きながら飛びついてきた。
「こんなに心配かけて、馬鹿な子!」
しゃくりあげながら何度も何度も詰られて、珠玲はただもう、ごめんと詫びの言葉を繰り返すしかなかった。
優しい架耶でこうなのだから、宜張とか妓撫が相手だとどうなるんだろうと珠玲は内心、マジでビビったが、後で聞けば二人は異形との戦いで命を落としていて、転生して戻ってくるのはかなり先の話になるだろうという事だった。
それまでに心の準備をしておこうと思う珠玲である。
さて、今回は転生組である珠玲はあっという間に御所の暮らしに馴染んだ。
前世の記憶はばっちりなので、後は新しい器に技を感覚として馴染ませていくだけだ。
時折、どうしようもなく祝主が恋しくなって司凉の部屋に突撃しているが(女を連れ込んでいないかだけは事前に確かめている。この辺りの気配りは必要だ)、今のところ、割と司凉が優しい(気がする)。
ぴとっとくっついても嫌がられないし、肩口に頭を乗っけてみたり、膝枕をしてもらったり、普通の愛依が許されているような事を珠玲も存分に楽しんでいる。
とにかく祝主の傍にいれば、愛依は満たされる。姿を見れば嬉しいし、声を聞けばほっとする。構ってもらえれば、尚、嬉しい。
そういう生き物であるからだ。
毎日、司凉の匂いに包まれていたいので、珠玲は時折、司凉が着ていた袍を失敬して自分の部屋に持ち込んでいた。
普通の愛依はそこまでしないわよと架耶には呆れられたが、これは初愛依であった頃からのくせのようなものだ。
一着くすねれば、大体、十日は楽しめると幼い頃から知っているので、匂いが薄らいだ頃にこっそりと司凉の部屋に戻しに行っている。
で、忘れずに次のを持ち帰る。(この点は抜かりない)
さて、そんな平和な毎日を送っていた珠玲だが、帰還して二、三か月を過ぎた頃から、同胞たちに変な声掛けをされるようになった。
最初に声をかけてきたのは、滅多に笑顔を見せない事で有名な、どちらかと言えば寡黙な依人の奏慧である。
「ああ、珠玲。あの草紙は良かったな」
…草紙?
出会うなり、開口一番そんな事を言われて珠玲は戸惑った。
「ごめん、奏慧。草紙って一体何のこ…」
「いやあ、初愛依とはいいものだな…」
珠玲の言葉など、奏慧は全く聞いちゃいなかった。
自分の世界に浸りきってほうっと一つため息をつき、そのままうんうんと頷きながら去って行く。
その後姿を訝しげに見つめ、巷では何か新しい草紙でも流行ってんのかなと、珠玲は一人首を傾げた。
いやでも初愛依って言ってたし、って事は依人に関係する話だよなと珠玲はひとしきり考え込んだが、わからないものはわからない。
その後、司凉の姿を見つけて追っかけていく頃にはすっかりその件は忘れていたのだが、そうこうするうちに、珠玲は奏慧以外の依人たちからも盛んに声をかけられるようになった。
「珠玲、例の草子、読んだぞ」
「愛らしさにしびれた!」
「ひたむきなところがいいな」
「初愛依に感動したよ」
「可愛くて悶えた」
「爆笑した」
……。
……爆笑……?
……………………?
さっぱり訳がわからないので、珠玲は架耶のところに聞きに行く事にした。
「ああ、あの草紙ね」
聞かれた架耶は今にも吹き出しそうな顔で教えてくれた。
「宜張があんたの守役だった頃、日々の出来事を書きとめては沙羽に便りを出していたらしいの。
で、その文の内容があんまり面白かったものだから、微乃が是非とも草紙にするべきだって言い張ってね。
で、草紙にしてみたら、皆に大ウケ」
「日々の出来事…?
……宜張が沙羽に送ってた…?」
珠玲は嫌な予感がした。
「それってさ、それってもしかして…」
「題名はずばりそのまま、『初愛依観察日記』」
やっぱり俺の事かああああああああああ!
珠玲は頭を抱え込んだ。
一体何てモノを宜張は残していったのだろう。
「何だよ、それ!それって、一体どこにあんの?
宜張ってば、一体、何書いちゃってんのよ!」
信じられねえええ…!と喚き散らす珠玲を見て、「ああ、珠玲も読んでみたいわよね」と架耶が見当外れな相槌を打ってきた。
「でも残念ながら、貸し出しは予約制よ」
「へ?」
思わぬ言葉に珠玲の思考が停止した。
「…よ、予約制…?」
「そ。確か、微乃が貸し出し予約帳面を持っている筈よ。
草紙を借りられる日数は一人三日までって制限してるんだけど、一度読んだのに再読したいって依人が多くてね。
結構、予約が入ってるらしいの」
「…………」
「人気草紙だからねえ。
まあ、そのうち順番が回って来るんじゃない?」
微乃が管理する貸し出し予約帳面に律義に名前を書いて待つこと二か月(主人公さまなのに、順番を優先させてもらえなかった珠玲である)。
ようやく手元に届いた『初愛依観察日記』の草紙を前に、珠玲は神妙な顔で卓子の前に座っていた。
自分の初愛依時代の黒歴史が暴露されていると聞き、最初の内こそ勘弁してくれよ…と頭を抱えていた珠玲だが、ひと月近くが経つ頃、もしかして草紙には大好きな祝主がたくさん登場するのではと気が付いた。
知られざる司凉の一面がここに記されているかもしれない。
不安と期待に胸を高鳴らせながら、珠玲はゆっくりと草紙を開いた。
書き出しは、宜張が初めて赤子の翔士を見た日の感想で、司凉の登場は二頁目からだった。
『司凉は今、二つ向こうの部屋で休んでいる。
生まれてから一昼夜は、いつ呼吸が止まってもおかしくないような状態が続いていて、赤子が死にかける度に司凉は昼夜を問わず祝血を口に含ませてやったそうだ。
あの司凉がねえ…と三人で感心していたが、さっき見た、授乳ならぬ授血風景は殺伐としていた。
このクソったれと言わんばかりの物騒な目で司凉は愛依を睨みつけており、心温まる要素が皆無である。
愛依の方はそんな祝主の様子に気付く様子もなく、一心に血を啜っていた。
母親の乳房に吸い付く力もなかったくせに、祝血だけは別であるらしい。
うくうくと喉を鳴らして祝血を吸い続け、飲み終わるとそのまま眠りの世界へと落ちていった。
先ほどまで青白かった頬に赤みがさしている。
祝血ってすげえな』
頁を捲ったまま、珠玲はむうううと唸った。
祝主に愛されている甘々な描写が欲しかったところだが、どうやら完全に司凉に面倒くさがられている。
その後も蜜月っぽい描写は一つもなく、ひたすら邪険に扱われるが、読み進めるうちに、翔士が生まれてひと月は、司凉は泉恕の邑長の家に泊まり込んでくれていた事を初めて知った。
あんな辺鄙な田舎でひと月も司凉が暮らしてくれてたんだ…と珠玲はちょっと感動したが、要はいともたやすく赤子が昇天しかけるので、目が離せなかったらしい。
母親の乳の出は良好だったのに、ちょっと具合が悪くなると翔士はすぐに乳を受け付けぬようになったようだ。
はへはへと今にも止まりそうな呼吸をし始め、そうなるともう、祝主を呼んでやるしかない。
へにゃりと身動ぎ一つしなくなっていても、祝主が近付けば愛依は弱々しく頭を持ち上げる。
祝主を恋うように、ふえんとか細い泣き声をたて、口元に押し当てられた司凉の指に必死になって吸い付くのだ。
高熱を出して顔を真っ赤にしている時も、司凉が抱いてやれば翔士はすぐにぐずるのを止めた。
甘えるように司凉の胸に鼻先を埋め、小っちゃな手で袍を握り締めて、うとうとと微睡み始める。
司凉がいない時は、司凉が身に着けていた袍で包んでやるだけでもある程度の効果があったようである。
袍の手触りが気に入っているのかと宜張や架耶の袍で試した事もあるのだが、司凉以外の袍では何故か効果がない。
むずかって唸り始めるらしいので、明確な違いがあるのだろう。
という事で、翔士が夜泣きをする時の必須品はおしゃぶりではなく、司凉の袍である。
とにかく本能で祝主を慕いまくっており、その様子に宜張らは半分呆れながら感心していた。
さて、祝主、命といった感じの愛依とは対照的に、懐かれた祝主の方は随分と冷めていた。(読んでいて、珠玲はちょっぴり泣けた)
何とか愛依が生き延びられそうだという事がわかると司凉はあっさりと都に帰っていき、いよいよ守役三人と初愛依との生活が始まるのである。
とは言え、祝主の気配が急に途絶えた愛依の方は、そりゃあもう、荒れに荒れた。
むずかって泣く事が多くなり、母親の乳も思うように飲まず、夜泣きをするので当然、赤子も睡眠不足。
そういう状態であったからあっけなく風邪をもらい、半月と経たないうちに司凉が呼び出される事となった。
ド田舎に呼びつけられて向かっ腹を立てている祝主と、祝主に会えて超ご機嫌な愛依。
『余りの不調和に大いに笑えた』と宜張は草紙に記していたが、そこは笑うところなのだろうか。
草紙を読む限り、宜張は守役の生活を存分に楽しんでおり、司凉が少々不機嫌であろうが全く気にせず、適当にあしらっていた。
というより、これまで何に対しても心を動かす事がなかった司凉が怒るという感情を見せ始めた事を、どうやら歓迎していたようだ。
勿論、赤子を構って楽しむ事も忘れていない。
ある日などは、祝主の振りをして指を翔士に吸わせてみた事もあるらしい。
『妓撫や架耶がいない時を見計らって、俺は指で翔士の口元をつっついてみた。翔士が騙されるかなと思ったからだ。
祝血だと思った翔士は、喜々として俺の指に吸い付いてきたが、血が出てこないので何かおかしいと気付いたようだ。
暫く指をくわえていたが、やがて思いっきり眉間に皺を寄せて、ぷっと俺の指を吐き出した。
顔を覗き込むと、今まで見た事もないような、ものすごくへちゃむくれた顔をしていた。
その後、司凉を恋しがって翔士は泣き始め、母親がいくらあやしてもしばらく泣き止まなかった。
俺は妓撫と架耶に、死ぬほど怒られた』
何、赤子で遊んじゃってるのと珠玲は心の中で突っ込んだが、その宜張、赤子からはしっかり反撃を喰らっていた。
『赤子の翔士は、起きている間中、誰かが抱っこしている状態だ。
母親であったり、父親であったリ、架耶と妓撫も隙さえあれば翔士を抱きたがる。
それにやたら、都から依人たちがやってくる。赤ん坊の初愛依が珍しいので、とにかく構いたいのだろう。
俺も負けじと翔士を構いまくるが、今日抱っこしてやっていると、ぶりゅりゅりゅりゅ…という音が響いてきて、腕の辺りが生暖かくなった。
やりやがったな』
珠玲は何とも言えない顔で草紙を卓子に戻した。
これは前世の話であって、今世の俺とは関係ねえし…と心の中で呟くが、どこか居心地が悪い。
その後も下関係の話が続き、こっ恥ずかしいのでその部分はさくっと読み飛ばす事にした。
生まれて二か月が過ぎ、三か月が過ぎ、相変わらず翔士は司凉にぞっこんだった。
半年を過ぎる頃には司凉の匂いを嗅ぎたがるのが顕著となり、余りにくんくんくんくんと匂いを嗅がれるため、祝主を妙な不安に陥れている。
腕を持ち上げて自分で袍の匂いを確かめ、「別に臭くないだろ」と自信なげに呟く司凉の姿が目撃されており、それに対する宜張の簡素な見解も記されていた。
『安心しろ。奴の嗅覚が犬並みなだけだ。しかも祝主限定』
犬並みって何だよ…と珠玲は思うが、よくよく考えれば架耶にも同じことを言われたなと思い出した。
今世でも、司凉の匂いだけは珠玲は違わず嗅ぎ分けられる。近距離なら、匂いを辿って司凉の許に辿り着くことだって可能だろう(わざわざしないけど)。
さて、草紙の中の翔士は順調に育っていく。
いろいろなものを目で追うようになり、ずり上がりという技も覚え、寝返りも無事成功。
宜張と一緒に横並びにうたたねしていたら、いつの間にか九十度回転していて、宜張の頭をごいんと蹴った事もあるようだ。
泣く事もだんだんと少なくなり、抱いて欲しい時やおなかが空いた時は、えーんと嘘泣きをするという姑息な手も覚え始めた。
祝主がいつも一緒にいてくれるわけではないという現実も、この頃にはわかり始めている。
ただし、欲求不満からか、司凉がいない時には指しゃぶりをするようになり、親指だけじゃなく、指を二、三本突っ込んで指をしゃぶるのがお気に入りであったようだ。
そして、時々奥に指を突っ込み過ぎて、自分でゲエッと言っている。
我ながら、おちゃめな奴である。
七か月を過ぎる頃には人見知りが激しくなり、慣れない人間が近付くと大声で泣くようになってきた。
因みに、翔士がダントツで好きなのが司凉、二番目が母親、三番目が守役三人で四番目が父親である。
だから大好きで堪らない司凉が都に帰る日などはもう修羅場だった。
追っかけていかないように守役に抱っこされた翔士は、その腕の中でぎゃん泣きし、姿が見えなくなると、司凉の匂いの残る袍をひたすら握り締めて瞼が腫れるまで泣きに泣いた。
とにかく祝主が好きで好きで堪らない翔士であったが、祝主にとって好ましい愛依であったかといえば、決してそんな事はない。
ひたすら迷惑をかけ続け、役に立った事は一度もなく、そして思いがけない形で祝主を明後日の方向へ引っ張っていく。
司凉が感情を露にし始めた転換点の一つとして、宜張はとある事件を日記に記している。
『今日も元気に翔士が死にかけた。
元気にという言い方はおかしいかも知れないが、もうお決まりの年中行事といって良く、司凉さえくれば持ち直すと知っているので俺たちに焦りはない。
俺たちはまあ、それでいいのだが、都から呼びつけられた司凉の方は、今回は疲れ切って床に転がっていた。
どうやら昨晩遅くまで、管弦の宴が開かれていたらしい。
一方の翔士は祝血を飲んだ後にお昼寝も済ませ、すっかりご機嫌である。
母親におしめを替えてもらっていた翔士は、新しいおしめをつけてもらう前に、待ちきれずに司凉の方へ歩いて行った。
そこまではいい。祝主が好きで、じっとしていられなかったのだろう。
だがその翔士、何を思ったのか、ちょうどいい椅子があったとばかりに、寝転んでいた司凉の顔面に腰かけようとしたのである。
「おいっ!」
焦った俺の声に、司凉が何だ?と目を上げて………。
幸い、未遂だった。
声にならない司凉の悲鳴に、翔士は、ん?とお尻を突き出した体勢のまま止まり、その隙に司凉はすばやく横に転がった。
身を起こした司凉の顔は見事に蒼ざめていた。
冷静沈着な司凉のあんなに焦った余裕のない顔を、俺は初めて見たぞ。
まあ、ふと目を上げれば、いきなり幼児の剥き出しのお尻が顔面に迫っていたのだから、その驚愕は察して余りある。
あれで司凉は一つ大きな階段を上った気がする。本人は上りたくもなかっただろうがな』
「……………」
珠玲は無言で卓子にうっ伏した。
ここまで凄まじい事を司凉にやってるとは思わなかった。
しばらく脱力感に浸っていたが、気を取り直してもう一度草紙を手に取り、頁を捲っていく。
よく司凉に愛想をつかされなかったよなと自分で思うが、もしかすると半分くらいは、本気で鬱陶しがられていたのかもしれない。
何と言っても、司凉を泉恕に呼び出す回数が多すぎた。
大体ひと月に一回は高熱を出し、律儀に昇天しかけている。
その度に司凉が都から駆けつけてくれて、翔士は嬉々として祝血に吸い付くか、手っ取り早く口舐めをして祝主の気を貪っていた。
本来なら、愛依が祝主の餌とならなければならないのに、これでは本末転倒である。
それにどうやら、幼い翔士は祝主の事を食べ物と認識していたようだ。
司凉の顔を見ては、「まんま!」と顔を綻ばせ、宜張がいくら「まんまと言うな」と教えてもわからなかったらしい。
一歳が近付くと涎の量が多くなってきたのだが、司凉の顔を見ただけで、だーと涎を零すようになったとも記されていた。
まあ、気持ちはよく理解できる。
今だって、ぶっちゃけ祝血よりも美味しい食べ物は存在しないと珠玲も思っているからだ。
草紙はその後、翔士が十になるまで書かれていたが、二、三歳を過ぎる頃から翔士の頃の記憶と合致し始め、そういやそんな事もあったなという感じで読み進める事ができた。
それにしても…と珠玲は思う。
泉恕での十年間、守役三人の手を散々に煩わし、大好きな祝主をこれ以上ないと言っていいほど振り回し続けていたと知って、珠玲はもう、心の底から本当に申し訳ない気分になった。
なんでこんな暴露草紙書いちゃうのよ…と多少、恨みがましく宜張のことを思っていたが、ここまで手間をかけさせていたと知った今は、ひたすら反省である。
宜張が転生してきたら、まずはしっかり謝ろう。
その後でちょっとばかしは恨み言を言ってもいいよなと、珠玲はゆっくりと草紙を閉じて小さく独り言ちた。
活動報告へのご返信や、ブクマをつけて下さった方、ありがとうございます。