誰もいない島
寒い。
とにかく寒い。
焚き火をしていても意味がないような寒さ。
周りに人がいない。帰る手段すらもわからない。大体なんで俺はこんな場所にいるのかすら分からなかった。島を探索したが人一人もいなかった。
「俺はいつの間にか無人島に来ちまったのかよ。大体俺は家で寝ていただけで海には行ってない。ましてや一歩も外に出てないくらいだった。」
いつこの島に運ばれて来たのか。
明日からはどう生活すれば良いのか。
不安だらけだった。
数分経った。一向に明るくならない空、止まらぬ寒気、このままじゃ餓死してしまう。そんな時、向こうから「う〜」という唸り声が聞こえた。
「ん?なんだ。人か?」
俺は唸り声がある方に突っ込んで行った。
唸り声は近づいて行くにつれて大勢の人が叫んでいるかのように聞こえる。
唸り声が聞こえた辺りまで来たが誰もいなかった
「なんだ誰もいないのかよ」
ガッカリし、来た道を戻ろうとする。
しかし、唸り声はまた聞こえ出した。
「まさか....」
そのまさかだった。
骨の化け物の大群が俺を睨んでいた。
悪霊だ。悪霊は俺に向かってくる。
「おいおいマジかよ!どうすりゃあ良いんだあんな集団!」
こっちは何の装備もない。あっちは剣と盾だ。
茂みに隠れようと試みるも数が多すぎて不可能だ。このまま行っても行き止まりに着くだけだだった。
「ここはもう死を覚悟して戦うしか無いってのか....チキショウ!
いいぜ、来いよ。俺だってただやられるだけで済まねえ。柔道黒帯だからな。甘く見られたら困るぜ」
決死の覚悟で向かい打った。
4人は倒せたものの2人攻撃でとなればやはり厳しかった。
死を覚悟したその時、空が光った。
眩しいくらいに光っており、悪霊にも効いていた。
「よし・・・これなら....!」
最後の力を振り絞り、倒して行った。
全員を倒した時にはもう光は消えていた。
俺の体力も限界だった。
痛い、苦しい、寒い
「あはは、やった。やったぞ・・・一応倒したんだな俺...しかし俺の人生、早かったな・・・はは・・」
立つ体力もなく、倒れた。
最後に神が助けの手を差し伸べてくれたおかげで倒せたが、俺の人生は倒したと引き換えに終わってしまったのだった。