第2話 はじめてのクエスト
夢を見た。
ひさしぶりに見た。
あっちの世界じゃぐっすり眠るなんてことは無かったからな。
草原が何処までも広がっている。
風が吹いている。
風がとても心地良い。
空気も美味しい。
なんって最っ高なところなんだ!
…ってか、ここどこだ?
なんとなく夢の中なのはわかるが、なんで俺はこんな所に…
声がした。振り向くと4人いた。いやそもそもこいつら誰だ。
1人目は…剣を持っている。
流石異世界だな。そりゃ剣豪の一人はいるか。
あれ?こいつ目が片方だけ色が違う。まさか、
オッドアイ!?
女バージョンはアニメとか色々見たからわかるが、
まさか男バージョンに出くわすとは。
2人目は…注射器なんか持ってやがる。
どうやら医師らしい。
救えなかった?一体なんのことだ?
…まあ、いいか。
懐中時計だ。とっても綺麗な。
え?師匠から貰った?全くわからん。
3人目は…銃!?しかも本物だ!
すげぇ…AK47にトンプソン、某映画にでてきた二丁拳銃スプリングフィールド M1911A1 MIL-スペック!?
銃マニアとかそういう次元じゃねぇ…
え?自分で作った?
流石異世界。こんな奴もいるのか。
ってか、さっきから作戦参謀って言ってるけど、まさか俺の事か?
え、そうなの?やっべぇ…うへへ、なんか嬉しい。
4人目は…指揮棒?なんでそんなん持ってんだ。
あれか。某少年漫画みたいに音楽を奏でる人がいないとアレ的な。
なんだそれ。ナックル型の変身アイテム?
いや、すっっっっげぇかっけぇぇぇ!
こういう変身アイテムで変身するとかまじでロマンの塊すぎる!
え?あともう1人いる?ここにはいないけど?
いったいどういうこと…
目が覚めた。
ちくしょう。最後の一人が気になるじゃねぇか。
しっかし、どんなやつなんだろうな…
って、ちっがァァァァァァう!
異世界転生って、俺みたいな主人公が無双してハーレムするとかじゃねぇのかよ!
なんでよりにもよって男なんだよぉぉぉぉ!
ったく。どんな夢だよ。
とりあえず顔を洗うか。そんで、クエストに行ってみるか。はじめての。
「おはようございます。本日のクエストはこちらとなっております。」
顔を洗って、ギルドに行くと、黒髪で透き通るようなスカイブルーの瞳をした受付嬢がいた。
めっちゃ可愛ええ。
とりあえず初心者向けのクエストと書かれてあった
スライム討伐を受けることにした。
「こちらのクエストは、制限時間60分以内にスライム50匹を討伐するものとなっております。序盤のモンスターとはいえ、油断しないようにしてくださいね。」
ふむふむ。制限時間60分以内にスライム50匹を討伐か。
…まあ、普通じゃねえな。
でも、なんとなく行けそうな気がする!
だって俺、なろう系主人公だし!
目的地のはじまりの草原に着いた俺は、さながら某映画のような叫び声を
あげた
「なんっっっっっじゃこりぁぁぁぁぁぁ!」
でかい!でかすぎるだろ!
スライムって聞いてたから大きくても1mくらいかと思っていた。
しかし、あまりにも大きかった。
「ドラゴンクラスの巨体のスライムとかいんのかよォォォォォ!」
しかもあれほどとは言わないが、普通に2、3m級がうじゃうじゃいやがる。
なんなんだこのモンスターのインフレは。
どう見ても初心者向けじゃねえだろ!
「とりあえず、戦って…みるかぁ」
落ち着け。落ち着け俺。こういう初戦は意外と楽に行くはずだ。
とりあえずデッキの内容を見るか…。
えっと、25枚のうち回復系統が3枚、攻撃系統が12枚、バフとデバフ関連が6枚、召喚?カードが4枚か。
まあ、何とかなるか。
幸い、スライムはまだこちらに気づいていないようだ。
あ、大きい声出したのに気づかれてないとかはスルーで。
まずは適当に攻撃系統のカードを使うことにした。
「とりあえず、カードを差し込んで…これで出るのか?」
「アルテミス!」
「おっ、ちゃんと反応するな!…って、え?武器?」
まさか、攻撃系統とは武器を呼び出すものも含まれるのか?
てっきり魔法とか思っていたが、まあいい。
矢をセットして…発射!
「おっ、当たった!」
どうやらスライムは1体倒せたようだ。
「射程ってどんくらいなんだ?えっと、飛距離800m、有効射程1200m…
いや長すぎんだろォォォォォォ!和弓ですら飛距離400m、有効射程400m以上だぞ!?もう流石ファンタジーって言うか、神様の弓やべぇ。」
だが、これでなんとなくスライム50体倒せそうな感じがした。
「よし!やるか!」
もう30は狩ったか、いやにしてもアルテミスの弓が強すぎてほとんどこれで行ける説あるぞ。
「あと20か…余裕だな!って、あれ?アルテミスの弓は?消えてね?」
「いい忘れてたが、現状のチェンジバックルの性能上、15分経つと召喚系統は消えちまうから、そこん所よろしく〜。じゃ、俺ゲームしてくるわ。」
1度深呼吸して、俺は叫んだ。
「なんっじゃそりゃァァァァ!」
設計者ぜってぇ許さねぇ。だが、15分で30体と考えればめちゃくちゃいいペースだ。
それに、まだ24枚ある。なんとかなる…はずだ。
「次はこいつを使ってみるか。」
そう言って俺が読み込んだカードは…なんだこりゃ、ごく普通のランス?
まあいい、使ってみるか。
「くらえぇぇぇ!」
カンッ。某ゲームで採掘した時と同じ音がした。
って、おいおいおい
「もう壊れてんじゃねえか!耐久性無さすぎだろ!」
よくよく思い返すとさっきのカードには左上にNという表記が…
NってあのN?カードのレアリティでよく見るあの?
「そうそう、これも言い忘れてたがカードにはレアリティがあって、URが最高レアやで、あとNは基本的に使えないぞ〜バフデバフじゃない限りはな。
じゃあの。」
「先に言えぇぇぇぇぇ!情報伝達遅すぎだろ!無能上司のテンプレか!」
また叫んだ。喉が痛い。何?じゃあ叫ばなければいいと?こんなん叫ばないとやってられないだろ!
何とか倒しきった時にはクエスト終了5分前だった。いやよくやったよ俺。
最初のアルテミス以外ほとんどNかRの状態で。
やっとUR見つけたと思ったら回復系統だったときは発狂しそうだったぜ。
とりあえずクエストクリア達成!俺はギルドへと戻ることにした。
「お疲れ様です〜こちらが報酬です。」
報酬は…15万!まじか!苦労したかいがあったぜ!
「またいらしてくださいね〜」
俺はギルドを後にし、寮に戻った。てかここ俺以外に使ってる人いるのか?誰の声もしないが…まあいいか。
飯を食って風呂に入った。風呂から上がった後、俺は思った。
「やっぱ異世界は最高だなぁ。」
そして寝た。すぐ寝た。
明日も頑張るかぁ…
途中ですが提出します。
毎回こんな感じで投稿して、続きを書くといく方針にしました。あしからず。