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転生黙示録  作者: 水色つばさ
3章 ヒダの町の天才剣士
56/63

15話 ルトガアVSレオーネ

「レオォォォォォォネ!」


 響く怒声。

  その場にいた者は全てそちらに向く。

  そしてそこに立っていたのは二メートルはある大男。

  そう――『戦神』ルトガアの到着だ。

 

「師匠……」

「ルトガア」

「やっと来ましたね」


 ユミルはルトガアの姿を見ると頬を吊り上げる。

  そしてそれと同時に、ルトガアの後ろからあ誰かが跳躍するのが見える。

  跳躍した人物はレオーネに向かって何かを向け、放ってくる。

  それも複数だ。

 

「くっ!」


 レオーネは一気に後ろに跳躍する。

  そして先ほどまでレオーネの居た場所にその『何か』が全て命中する。

 

「あれは……魔法の弾?」


 上空に跳躍していた人物はユミルさんの目の前に降り立つ。

 

「全く。何やっているの?」

「フフフ……暇つぶしですかね?」

「暇つぶしで、こんだけの被害だしてたら世話無いと思うけど?」


 ふわりと紫色の長い髪が揺れる。そしてその手には魔法銃が二丁握られている。

  そして俺はその人物を見据え驚く。

  何故彼女がここに居るのだろうか? そんな疑問が頭を巡る。

 

「セリア。彼が驚いてますよ?」

「あ。ごめんね。そしてまた会ったね。黒の剣聖」


 そう――ルトガアの後ろから跳躍して来た人物は、セリア・ルーンだ。

 

「なん……でこんなところに」

「ふふッ色々事情があってね」


 そう言って、セリアは後ろに振り向く。

  そこにはルトガアが居た。

 

「ルトガア……」

「師匠。ごめんしくじったよ」


 傷だらけでありながら、笑顔を向けるサナエ。

 

「サナエ……」


 ルトガアが手に持つ薙刀に力が籠るのがわかった。

  そして、その瞳が怒りに染まっていくのも。

 

「レオーネ貴様。また俺の家族を奪うつもりだったのかぁ!!」


 その憤怒に染まった瞳をレオーネに向ける。

  そしてレオーネはその目を真っすぐと見据える。

 

「戦神ルトガア。その小娘はお前の娘か? だが、おかしい。お前の家族はあの時()()()にしたはずだ。妻も娘も」

「え?」


 小さく声を上げたのはサナエだった。

  もしかして、サナエは知らなかったのか? ルトガアの妻と娘はすでに死亡していることを……。

 

「師匠……?」


 サナエはそう言いながらルトガアを見る。

  ルトガアは一瞬サナエを見ると、すぐさま視線を前に戻し、瞑目する。

  そして静かに口を動かした。



「……あぁ。お前に家族を皆殺しにされた。だから俺はお前を許さない。魔族も魔物すら皆殺しにする」


 今まで見たことない形相と殺気に、俺は一歩後ろに下がる。

 

「なるほど。じゃあ質問だ。その小娘は誰だ? お前の実の娘ではないだろ?」

「あぁこいつは俺の――新しい『家族』だ」


 サナエの瞳から涙がこぼれる。

  ゆっくりと手を伸ばす。しかしその手は途中で止められる。

 

「だが……今からこいつは俺の家族でない」

「……え?」

「それは何故だ?」

「そんなの決まっているだろう。お前を殺し。残りの幹部も魔王も殺す。その為に町を離れるからだ」


 『魔王』その言葉が出た時にレオーネの顔つきが変わる。

 

「……魔王様を殺す? お前……いやお前たちはどこまで知っている?」


 レオーネのその質問にルトガアは何も答えない。

  周りのセリアやユミルさんもだ。

 

「答えるつもりはない……と、いうことか」

「その通りだ。そして、おい」


 ルトガアはレオーネから視線を外すとユミルさんに視線を向ける。

 

「お前は何故、偽物の情報を俺に報告した? それと、()()のユミルをどうした?」


 ユミルさんはニヤリとする。

  そして、彼の体から霧が立ち込める。

  それが次第に姿を見え無くしていく。

  わずか一秒足らずで、体に纏っていた霧が消え去っていく。

  その場所に立っていたのは、暗い青の髪を後ろでまとめ、仮面をつけている人物だった。

 

「そんなの決まっているじゃないですか?」


  声から男性なのはわかるがそれ以外が不明。

  そしてその男は、一拍間を置き喋る。

 

「殺しました」


 声色を変えず何事もないようにそう発言する。

 

「そうか……何故殺した?」

「僕が本物になるには、彼本人は邪魔なんですよ」

「だから、殺したと?」

「ええ」

「なるほど。それでユミルの死体はどこに置いた?」

「もう無いですよ? 灰になって風に飛ばされているので」


 な、なんてことをしている。こいつは……。

  自らの変装の為に本人を殺し、そしてその死体すらも灰にしただと?

  常人では考えられない行動だ。

 

「アンタ本当に最低だね」

「なんとでも言ってください。僕は()()()()()()滅ぼしたいので」

「それって、リリーも入っているの?」

「もちろん」


 そこで話が終わったのだろうか? 三者はレオーネの方に顔を向ける。


「さて、始めようか? レオーネ」

「あぁ、こい。戦神ルトガア!」


 お互いが見合う。

  辺りの空気が再び張り詰めていく。

  そして先に動いたのはレオーネの方だ。

  彼は一瞬にしてルトガアとの距離を詰め。その鋭い爪を振るう。

  しかしルトガアは一歩も動こうとしない。

  そしてその爪がルトガアの体を切り裂くと思ったその時――何故かその動きが止まる。

 

「これは!?」

「どうした? 早く俺を切り裂いてみせろ?」

「くッ!」


 レオーネは決して攻撃を止めたわけではないだろう。

  だが、何故かその攻撃が止められた。

  俺はその光景に首を傾げる。

 

「気になる?」

「え?」

「何で師匠に攻撃が当たらないのか」

「あぁ」

「それはね。師匠は魔力を纏っているから」

「カエデ君も使えるよね? 武器に魔力を纏うの」

「一応……」

「じゃあ、魔力にも強度があるの知っている?」


 それは初耳だった。

  是非その話は聞いておきたい。今後のためにも……。

 

「魔力にも強度があるのは初めて知った」

「そうなんだ。この魔力の強度は高ければ、武器に纏わせたときに、その武器が壊れにくくなったりするの」

「それで?」

「師匠はその魔力の強度がすごく高くてね。自らの体に纏う事で、敵の攻撃を全て防ぐ事ができるの」


 な、なんだそのバカみたいな力は。

  そこで俺は思い出す。最初サナエ達と会った時のことを――

  あの時はサナエが割り込んだが、ルトガアは一歩も動こうとしなかった。

  その理由がこれだったという訳か。

 

「ん? まて、体に魔力纏えるのか?」

「纏えるよ。まぁわたしはその領域に達してないけど」

「それってつまり難しいのか?」

「うん。魔力を纏えれば今より身体能力上げたりできるし。師匠みたいにするのは難しいかもしれないけど、ダメージを抑える事もできる」


 そんな物があったのか。

  何故、ゼル師匠は教えてくれなかったのだろうか? それがあれば俺はもっと強くなれたかもしれないのに。

 

「わたしの予想だけど、魔力を纏えるのはこの場だと、師匠と、あそこの仮面の男とその隣の女性。そしてレオーネとミノタウロスくらいだと思う」

「この場に結構な数がいるな」

「そうだね。でも、カエデ君ならわかるよね? 今言った人たちの強さを」


 あぁ理解できる。ミノタウロスもほぼ俺と同じ強さだった。そして、レオーネやルトガアに至っては言うまでもなく。俺より遥か上の強さを持ち。

  ユミルさんのフリをしていた仮面の男。

  そして、チンピラに絡まれていた時手を貸してくれた、セシル。

 彼らがどれほどの実力者なのかは、俺は知っている。

 

「私も強者に入れてくれるなんて嬉しいな」


 突如横から声を掛けられる。

  振り向くとそこにはセシルが居た。

 

「セシル」

「ふふ、突然なんだけど、君たち今より強くなりたい?」


 本当に突然の質問だった。

  俺が強くなりたい? そんな物の答えは既に決まっている。

  一年前のあの時から――


「あぁ」

「わたしも、今よりさらに強くなりたい」

「そう……なら、良く見ておいた方がいいよ。私たちの『リーダー』であるリリーより強い、戦神ルトガアを」


 その言葉に俺たちはルトガアを見る。

 

  彼はレオーネの攻撃をその場から一歩も動かづに全て防いでいる。

 レオーネも四方八方から攻撃仕掛けているが、まるで死角無し。

  ルトガア体全てに魔力が纏われているのだろう。

 

「どうした? その程度か? 幹部とは」

「クソが!」


 レオーネは一旦距離を取ると。体から黒いオーラを出す。

  あれは……確かエグルもやっていた。

  『加護』というものだったはずだ。

 

「加護を使い始めたか」

「これ以上。ここで足止めされるわけにはいかないからな」


 レオーネは地面を蹴り、ルトガアに攻撃を仕掛けて来る。

  これは先ほども同じ状況だった。

  そしてさっきはそれでルトガアの魔力に防がれた。

  だが――ルトガアは武器を構えを取る。

  それはつまり、この攻撃は先ほどとは違うという事を示しているのだ。

  今の攻撃は魔力では防げない程の攻撃だと。

 

「はぁぁぁぁ!!」


 レオーネとルトガアの攻撃がぶつかりある。

  そしてその瞬間衝撃が走り、辺りにいた、人を吹き飛ばし、木々を薙ぎ倒していく。

  何という威力だ。

  世界最強の一角と言われているだけはある。

  ルトガアは人の領域を超えるほどの超人である。そのことを再確認した。

 

「凄い威力ですね」

「ええ、今ので反応できなかった魔物や人は、何人か死んだんじゃないかな?」


 セシルさんと仮面の男は、そんな事を言いながら立ち上がる。

 そして、衝撃で砂ぼこりが空中に舞っているのが、次第に晴れていく。

  そしてそこに二つの影が立っていた。

  完全に晴れると二人の姿がはっきりと見える。

  互いの武器が鍔迫り合いしている状態だった。

 

「なんという力だ。お前本当に人間か?」

「あぁ俺は人間だ。お前と違ってなぁ!」


 ルトガアはさらに力を籠める。

  すると、レオーネが次第に後ろへと押されていった。


「加護を使っていながら押されるか!」


 これはもう決着がついたと思った。

  ルトガアの力は俺の想像をはるかに超えていた。

  そして、それはレオーネも同じ立ったのだろう。まさかここまでの実力だあるとは。思いもしなかったという顔をしている。

 

「ん?」


 突如ルトガアの横から大きな斧が割り込む。

  しかし、眼前ギリギリでその斧は止まった。

 

「ミノタウロス」

「横やりを入れるとはな」

「レオーネさんここは引いてください」

「何を言っている! 敵を目の前にして引けるわけがないだろう!」

「これは参謀エグル様の命令でもあるんです!」

「何? エグルだと?」


 その言葉を聞き驚きの表情になる。

  そして、仮面の男もルトガアに近づいていく。

 

「戦神。リリーから連絡だ」

「何?」


 お互いに連絡だ入る状況となった。

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