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静止した世界は揚々と  作者: ドラフル
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一回目の朝

最近、俺はよく死ぬ。

なーんて冒頭で始まるのが、この俺「山時翔(やまじかける)」という一人の青年の物語だ。



一番最初は心臓を貫かれて、死んだ。

痛いとか言ってる暇もなく、俺の穴という穴から血が吹き出した。

木の枝を踏み潰した時の高い音、牛肉がミンチになるような鈍い音。

そんな生々しい感覚が今でも覚えている。

そう、あれは今から49998回前の朝のことだ___________。



チュンチュンという小鳥のさえずりに心地よく目覚めた俺は心地よく寝坊した。

「やらかした。。。」

枕元にある目覚まし時計の針は2時13分を示している。しかしながら、秒針はピクリとも動かない。

ここ最近の時計の不具合には気づいていた。アラーム音が小さかったり、長針のズレが生じたりなどの小さいことではあったが、壊れる予兆は確かにあった。



「はぁ。。。」

と大きな溜め息をして、俺はぐちゃぐちゃになった自分の寝床をきれいにベッドメイキングし、洗面所に向かった。

俺が遅刻するのは入学してから、もう37回目になる。

となると、もうこの程度では急いだりなどはしない。良く言えば、諦めが早いのだ。



などと、自分を肯定しつつ、遅刻しているとは思えないくらいにゆっくりと身支度を進めた。




「…行ってきます。」

時間にして約30分間程度で支度をすませ、マンションを後にした。




これほどまでの回数、遅刻したのは両親がいなかったから、ということを理由にしたくはない。独り暮らしを始めてもう4,5年が経つ。中学から一人暮ししている俺にとって、家事はお手の物だった。

しかし、相変わらず朝は弱い。

親がいればなんて、思うときは稀にあるが親の顔を知らない俺にとってそんなことは慰めでしかない。

こんな俺の気持ちとは裏腹に天気はここ最近で一番の快晴だそうだ_______。




マンションから少し歩いたところに、登下校でいつも通る小さな商店街がある。どこか古臭い雰囲気が漂っているが、懐かしい気持ちにさせてくれる不思議な商店街だ。

商店街の中は、晴天ということもあって、出店で賑わっているみたいに思える。

そして、何気なく電気屋さんを通った時、テレビに映った一つのCMに目が奪われた。


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