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創造世界の英雄譚 ~魔法使いへ祝福を~  作者: 八又ナガト
第三章 -永遠の契約-
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第三十二話 黒と白の死闘


 ◆


 【因果】

 レイ・ジオ・エルトリアが扱う祝福の名。

 文字通り様々な現象の因果を操る力を持つが、その対象は自身に限定される。


 例えば、レイ自身に放たれる拳。

 本来ならばレイに直撃するという結果を内包する拳撃も、祝福を用いその事象を否定することにより、その原因――この場合では拳を振るう人間の身体、もしくは腕が不可視の糸に操られるかのように“レイ自身”から逸れていく。絶対不可視の防御と化す。


 例えば、レイ自身が放った剣。

 本来ならば相手に躱されるという結果を内包する剣閃も、祝福を用いその事象を否定することにより、その原因――この場合では剣を振るう“レイ自身”の身体、もしくは腕が現実を超越した動きと共に相手に迫る。絶対不可避の攻撃と化す。


 相手の攻撃は絶対にレイに届かず、レイの攻撃は必ず相手を斬り裂く。

 ソラの様に祝福を真っ向から打ち破る力を持っている存在など本当に稀有な例だ。しかも、そんな力を持つソラを相手にしてもなお、レイは冷静さを保ち優位に立ち回ってみせた。

 未だかつて、レイが本当の意味で自身の祝福を打ち破られたと感じたことなど一度しかない。

 あの日から今日この瞬間まで、レイはそのような危機的状況に陥ることなどなかった。


 レイに自身の敗北を想像させた相手。

 それは彼がかつて死闘を繰り広げた魔王と――今、目の前にいる白崎 修だけだった。




(――――戦い辛いね)


 灰色の剣閃と、黒色の拳が交わされる。

 その度に衝撃が凄絶な破壊を生み出し周囲を巻き込んでいく。

 既に荒野と化した王都の中心が、さらに壊滅的な状況に追いやられていく。


 レイは十分に修との間合いに気を割きつつ辺りを見渡す。

 修とレイの戦闘が始まってからまだ数秒。だが既に数百の攻防が行われている。

 この程度の時間では、まだ民衆の避難は済んでいない。圧倒的戦力を誇る二人の戦いに巻き込まれないように逃げ出そうとしている姿が視界に入るが、ほんの少し魔力の出力をあげれば数千の命が軽く吹き飛んでしまうだろう。

 故に、レイは祝魔剣の真価を発揮することなく修と向かい合っていた。

 現時点では通常の剣として使用しているわけだ。


 とは言え、もともとレイは祝魔剣ではなく通常の騎士剣を用い、さらには祝福を利用する戦闘スタイルだ。ただの強敵相手なら、例えソラや伶奈でも単独で相手取るならそれで十分だっただろう。

 しかし修は違う。厄介なことに修の纏う黒の焔は、ソラ――アトロスの魔法と同様の効果を有しているのだ。つまり、レイの祝福が全く通じない。数ヵ月前の手合で祝福が通じたのは、修がこの焔を利用していなかったからだと理解した。


 故に、現在の勝負内容は純粋な技量戦と化していた。

 修の拳をレイが躱し、レイの剣を修が避ける。

 お互いに一撃でもまともに相手の攻撃を浴びればマズイということは理解していた。


 純粋な技術だけならばレイの方が圧倒的に優位といえるだろう。剣と拳の間合いの差も存在する。

 だが、身体能力では修に軍配が上がる。通常ならばレイに圧倒されてもおかしくない状況で、器用に動きレイを翻弄していく。空間を立体的に利用し、まさしく縦横無尽にレイに殴りかかる。


 数十秒にも及ぶ拮抗状態。

 不意に、拳と剣を向けあう中で修とレイの視線がぶつかった。


「――――――」

「――――――」


 言葉はいらない。

 そもそも、音速の数倍で動く二人が何かを言ったところで相手には届かない。

 お互いの瞳の奥にある確かな信念さえ覗き込めればそれで十分だった。


 ただ、その出来事にそれ以上の意味があったとするならば。

 レイが、修の瞳に移る景色――つまりレイの後方にいた民衆が既に避難を終えていることを確認できたことにあった。


 この場に残るは修とレイ、そして修を信じて見つめるリリスのみ。

 騎士達ですら姿を消す中、残るリリスの覚悟にはレイも目を見張るが構っている余裕はない。

 逃げないのであればそれは彼女の意思。そもそも、レイにとってリリスが戦いに巻き込まれ命を落とすことなど恐れる事態ではない。


(――――始めよう)


 レイはほんの少し、祝魔剣に宿る魔力を開放し――ただ、振るった。


「――――ッ!」


 その行為に対し、修がこれまでのように紙一重で躱すのではなく、地面に平行な剣閃から垂直方向に全力で跳んだのは、まさに英断だったと言えるだろう。


 その剣閃はもはやただの衝撃波のようなものではない。禍々しい灰色の魔力を宿し通常の数倍の大きさと化し、通る箇所を全て破壊し尽くしていった。斬るのではない、破壊だ。その灰色の剣閃に触れた部分のことごとくが、剣閃に含まれる絶大な魔力に耐え切れないといった風に爆発していったのだ。距離は先刻の白色の光の数倍にも及ぶ。

書きたいものと書けるものが違う。

伝えたい内容が伝えきれない。

そんな悩みからこの『第三十二話 黒と白の死闘』執筆中に筆が止まり、今日までずっと書けずにいます。

自分にとっては、この作品が一番思い入れがあるのに。

いや、だからこそと言うべきでしょうか。


一度、書くのを諦めることにします。

ですがいつの日か必ず続きを書きます。リメイクにはなってしまうかもしれませんが。

一度、ここで完結とさせてください。

大変申し訳ありません。

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。

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