第四話 3歳児と7人の小人
「オレ~は~火炎の王の息子ぉ~」
「オレ~も~火炎の王の息子ぉ~」
「オレ~も~火炎の王の息子ぉ~」
「オレ~も……」
「分かったから! お前ら少し黙れ!!」
いつもの裏庭で俺は、頭を抱えながら目の前の小さな連中を見てため息をつく。
ウザイ歌声と共に自己紹介を終えた3人以外は、不満そうに口々に文句をわめいた。
「何だと! 人間の癖にクソ生意気なガキだぜ!!」
「そうだ! そうだ! 俺たちを誰だと思ってやがるんだ!! 焼き尽くすぞ!!」
「殺せ~焼き殺せ~」
「そうだ! そうだ!」
身長は20cmぐらいだろう、炎のような真っ赤な髪をした連中が7人で俺を睨んでいる。
俺は手に持った魔道書を見ながらため息をつく。
『精霊召喚術と使い魔の使役方法』
魔法使いといえば使い魔だろう。
格好良くフクロウや黒猫を従えている魔法使いが、アニメやファンタジー映画には良く出てきたからな。
少なくても俺の使い魔のイメージは、こんなちびっ子ギャングではない事は確かだ。
俺は、使い魔召喚の術式でこいつらを喚び出した。
この本には込める魔力が大きい程、強い精霊を呼び出して使役出来ると書いてあったからな。
久しぶりに魔力を全開で込めてみたわけだ。
俺はもう一度目の前のちびっ子ギャング達を見る。
「「「「「「「何見てんだコラァ!!!」」」」」」」
…………やはり、どこか術式が間違っていたらしい。
ふう……やり直そう。
「ちょ!! お前、今やり直そうとか思いやがっただろ!!」
「は!? 何考えんのお前!! 俺たちを誰だと思ってんの!?」
「そうだ! そうだ!」
「オレ~は~火炎の王の息子ぉ~」
「オレ~も~火炎の王の息子ぉ~」
うむ……やはりやり直そう……
俺は、使い魔の契約を破棄するための術式を書き始める。
まだ紙に書かないと完全には覚えて無いからな。
その瞬間、術式を書いている紙が燃えた。
「へへ~舐めてるのかよ。そんなちんけな紙で俺たちを縛れるものか」
「そうだ! そうだ!」
「20年ぶりに地上に出れたんだ。暴れてやるぜ!!」
「ヒャッホー! いくぜ兄弟!」
「ん?」
「兄貴動けねえよ……どうなっちまったんだよ」
「俺も動けねえ、そんな馬鹿な!! こいつの魔力で縛られちまってるぜ俺たち!!」
7人のウザイ小人達は、目を丸くして俺を見つめる。
いや、こっち見んなよ……止めねえから、好きな所に行ってくれていいんだぜ……
俺はさ、これからまた可愛い精霊の女の子を召喚してぐふふ……
可愛い精霊を使役とかヤバすぎるだろ。
「おい、見たかよ今の悪そうな顔! そしてこの魔力! 間違いねえぜ!!」
「すげえエロイこと考えてる時の魔王様にそっくりだったぜ!!」
「ああ兄弟! 20年前に死んだ魔王様の生まれ変わりに違いねえ!!」
「あんなだらしねえ顔出来るのは、魔王様ぐらいだからな」
「良し! 決めたぜ!! 俺はこいつに力を貸すぜ!!」
「おう!」
「ヒャッホー!!」
そう叫ぶと小人達は、次々に小さなトカゲのような姿に変わっていく。
火トカゲと言ったところか。
まるで前いた世界の伝承の精霊、火の精霊サラマンダーのようだ。
まあもちろん、アニメで見たぐらいの知識しか無いんだが……
「うお!!?」
俺は、自分の魔力とこいつらが混ざり合っていくのを感じた。
まるで自分の体の様に、こいつらが俺の一部になっていく。
どうやら、盛大に人違いをしているようだがな……
こうして俺に7人……いや7匹の使い魔が出来たのである。
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