デンバーズビギニングキャンプ
歌から察するにきっと山にヒントがあるのである。
僕はそう思った。
寿命がいつくるかもわからないが、まぁ数年以上は持つだろう。
だから急がなくてもいいのだが他にやることも無いので次の目標は山探しにした。
図書館で情報集めをして一番高い山を探すことにした。
「高い山はいいことだ! 」
僕は叫んだ。
「確かに高くて急な山の方が流れは強い、そこから川が生まれ泉……しっくりくる。」
ミカエルも賛同し図書館で文献を探した。
世界の山々という本を見つけた。
一番高い山はドラゴ山というところらしい。
ネーミングは気に入らないがそこはドラゴンが住んでいて色々エネルギッシュな感じの内容が書いてあった。
要約すると火山や魔法的エネルギーに満ち満ちてるので色々めでたいそうだ。
そんなわけで僕たちはその火山に一番近い街竜の城下町を目指した。
「ところで最近リード濡れてませんか?」
ポピーは言った。
「それはしようがないというものだよ、ポピー君。」
僕はそういいながらのしのし歩いた。
「おっとこの先の道はドロドロの森とストランデッド砂漠か。」
ミカエルは立ち止まり考え始めた。
「教えてくれ、なにがどうしてどれがいいんだ?」
僕は聞いた。
「ドロドロは怪物が多い、ストランデッドはまったく怪物はいないが盗賊が多い。」
なるほど。
「君は木に叩かれて追い出されるのと、盗賊に引きずりまわされるのとどっちがお好みというわけか」
僕は言った。
「私からすればドロドロは歩きにくそうですのでぇ。」
ポピーは言った。
「やんごとなきロバの方ぁ~の言うとおりだな。」
ポピーの喋り方をまねしてロバの言葉をミカエルに伝えた。
「よーし! じゃあストランデッド! 」
そしてストランデッド砂漠と書かれた看板の方へ僕たちは歩き出した。
ストランデッド砂漠は、乾いていて風の良く拭く気持ちが良いが厳しい大地であった。
「これは絵で見るのが一番ですねぇ~。」
ポピーは言った。
「おや絵がわかるのか。」
僕は言った。
「まぁ街から街へ旅するロバですからね! 」
自信ありげに鼻息を噴いた。
ヒヒーンという音にしかミカエルには聞こえなかった。
道中砂が鼻に入って大変なことになった。
だが僕はオアシスを見つけたのだ。
僕は一目散に吠え走った。
「おお! 」
ミカエルとロバも走ってオアシスの元に行った。
オアシスは10平方メートルくらいの小さなものだったが十分な深さがありロバのポピーの体が入りきるくらいだった。
ヤシの木のような不思議な木が育っていてその木の実は大きかった。
「んぎもちいい!」
僕はホゲホゲ吠えながら泳いだ。
ちなみによく漂流してる風に見えるとか、短い前足で泳げてるのかとか、浮きいらずの肥満とか、色々言われるわけだが
どうでもいいね!
僕は砂漠の暑さと砂からの解放を喜んだ。
ポピーも温泉につかるように休んでいた。
「ふおお!」
ミカエルも同じように冷たいオアシスの水を飲んだりはしゃいでいた。
「あの木の実落としましょう!」
そう言ってポピーは木の実を落とすように木に体当たりをした。
木の実は地面に落ちてどさっと砂埃を起こした。
「げほげほ」
ポピーは鼻から勢いよく砂を掃くと堅い歯で木の実を割り、その木の実の中身を見せた。
その木の実からは透明の樹液のような、リンゴジュースのようなジュースが詰まってたのである。
「これはいいぞお。」
ポピーはべろべろなめるので僕も横から乱入した。
ミカエルもまた乱入した。
砂漠の中のオアシスっていうのは楽園だ。
その絶好調に退屈はなくただ楽しいだけであった。
僕たちは結局無駄に砂漠でキャンプごっこするのだがまぁそれもしょうがないよね。
砂漠の暑さにまーけるな!
デンバーズブートキャンプ!!