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勇者はいぬ  作者: 圧倒的……負け犬!!
デンバーと吟遊詩人編
6/14

王様の耳はロバの耳

 大きな街のメイン通りに来ると、僕たちは街の雰囲気に飲み込まれた。

町の雰囲気は、非情に騒然としていた。

 兵士達がたくさんいて、一人一人を見張っているようだった。

街の兵士が言うには盗賊達が出没しているので警備を強めているらしい。

「成る程、気をつけます。」

ミカエルは衛兵に向かって敬礼をした。

 僕たちはそう言ってその場をそそくさ立ち去った。

この街では特に何かを解決したりしていない。

「思うんだけど、この街は今は居心地は良くないね。」

ミカエルは呟いた。

 「ならば原因を絶ってしまおう。」

僕は言った。

これで帰るのでは、やはり面白くないので、今回は盗賊達を捕まえてみることにしたのであった。

 僕たちは捜索を始めた。

まずは、金品のある店に入り込むことを考えた。

盗みにくる可能性は高い。

 だが店に入るやいなやなんと僕を摘んで店のガードは追い出してしまった。

「ペットお断りですので。」

ガードはそう言って店のドアの前にずっしりと立った。

もう少し手が荒かったら怒って街から出たかもしれないがツルっパゲに免じて許してやろう。

 次に考えたのは、怪しい奴がいたか探すことだった。

二手に分かれることにした。

「いませんか?」

 ミカエルは道行く人に話しを聞いた。

みんな首を振った。

 僕も同じように道行く人から情報を集めた。

結果どうやら不審な男がいるというのだ。

情報は断片的であったが、僕は居場所を突き止めた。

丁度ミカエルの側にいるそうだ。

 そこで僕は一目散に現地に向かった。

事件は現地で起きているのだ。

尻尾を振りながら、笑いがこらえられなかった。

 そして見つけたのは、不審者のミカエル君であった。

「なるほど確かに不審だが当てが外れた。」

 ともかく盗賊探しというのは、難しいものだと実感した。

なのでスローペースでやろうと決めたのであった。

 その夜ミカエルは吟遊詩人の仕事をして少し稼いだ。

といっても20ボトムくらいだが、普通の青年の半日分の給与に相当する。

楽してこれほど儲かれば、十分幸せなほうだと思う。

まぁ彼は僕の気まぐれによって、全財産老人にあげた訳だが。

 翌日隊商が街へやってきた。

このタイミングで街にやってくる奴は、怪しいと僕は踏んだ。

きっとこれは変装してるにチゲーない。

そして僕はずんずんとことこ隊商についていった。

 結果すぐに気づかれたが茶色の毛玉のホワイトティースと呼ばれた、僕の技を炸裂した。

それはノンプライススマイルである。

 「かっかわいい!」

隊商のヒゲの男は、若い娘を見るかのごとく僕を見た。

ふふふ名前の由来が聞きたい?

 「おお!寝転がって地面で背中を掻いている! 」

グワワアグワアアと叫び声をあげながら僕は、地面に背中をこすりつけグニグニした。

その姿に行商は見とれそして作戦は成功。

 「首輪がついている、きっと街の犬だろう、よしよし」

うむうむさてこの技を使うとどうしても……。

 「よしパンをあげよう。」

こういうことになってしまう、まさに魔性の犬である。

罪な犬ね!

というわけでパンを食べながらも行商についていったのであった。

 行商では適当に商売の話と、危険な地域の情勢について、共有しているだけだった。

彼らもまた盗賊に怯えるただの市民というわけだ。

 結果をミカエルに伝えようと僕は酒場に行った。

ミカエルは吟遊詩人として、店内でリュートを弾いていた。

「話をしよう。」

僕はそう言ってミカエルの近くにお腹をつけて座った。

いやフセというらしいが僕にとってはお座りなんだなこれが。

「隊商は白だね。」

僕は言った。

「パンを食べた跡があるが。」

ミカエルは指摘した。

「これはノンプライスのスマイルの対価だよ。」

僕はそう言った。

無料より高いものなのないのだよ。

 翌日、サーカス団がやってきた。

一番怪しいと思ったが王様が呼んだらしい。

そうならしょうがないか。

うんうん。

と思うはずも無く事件の匂いがぷんぷんするためサーカス団に近づいた。

 ロバやライオンなどがいた。

そのロバは見覚えがあった。

「デンバーさん!?」

ロバは叫んだ。

獣の言葉でデンバーも話す。

 「なぜお前が?老人は売ったのか?」

僕は尋ねた。

「いえ、老人は目的に着くと村の人々に財産は分け与えたんです、それで村の青年と一緒にいたんですが」

ロバは続けた。

「盗賊達に盗まれてこうなったというわけです、別段酷い扱いではありませんがそこそこ労働量は増えたため不服ですね」

ロバは答えた。

「よろしいならば盗賊だ。」

僕はそう言いロバにあることを言った。

 「盗賊について自白してしまうような油断した時間になったら合図してくれ」

僕はそう言ってサーカステントの裏小屋の近くにお腹をつけてやすんだ。

 サーカスの盗賊には見つかったが犬は使えないのかもう足りてるのか別段盗まれることも無かった。

ミカエルにも作戦を伝えミカエルには僕の泣き声で王様を連れてくるという段取りだ。

 サーカスの盗賊は酒を飲みながら話した。

「いやしかしサーカス団になりすますとはね。」

完全にボロが出始めた時間になった。

それもそのはず深夜なので街道に出ているものなどいないからだ。

「本当に馬鹿だぜ。」

そんな笑い声が聞こえてきた。

 「デンバーさん!今ならきっといけます!」

ロバは叫んだ。

「ロバか? うるさいな外につないどけ。」

ロバは外に移動させられた。

 デンバーは遠吠えをあげた。

そしてミカエルは王様の部屋のドアの前でノックをした。

王様はまだおきていた。

「なんだ? さすがに眠い……。」

時間にすれば11時を回ったころなので無理もない。

 「サーカスメンバーは盗賊だ証拠を見せる、こっそりサーカスのテントから話を聞こう。」

こうしてミカエルは王様をサーカステントまでつれてきた。

 「王様は正規のサーカスだと思ってるが芸なんて出来ないぞ?」

男の声が聞こえる。

「そろそろ金品を盗んで逃げ出せばいいじゃないか、ギリギリまで楽しめばいい」

また違う声が聞こえる。

 「こっこれは恐ろしい! 」

王様は急いで衛兵に連絡をしてサーカス団に変装した盗賊を捕まえた。

 「ありがとうミカエル君、君には私がサーカスファンで集めてた最高のリュートをあげよう」

王様の計らいに喜び、ふるいリュートを引き取ってもらい、最高のリュートと交換した。

 「ありがとう、デンバー! 今回はお前ならでは! だな」

ミカエルは早朝の朝の旅立ちの時に言った。

「いつもだろう。」

 僕はミカエルから王様に言って引き取ったあのロバのリードを引っ張って歩いていった。

「結局こういう構図になるんですね」

ロバはそういいながら歩いた。

ロバの名前はポピーにした。

A=B=C=D

よって

王様の耳は吟遊詩人の耳。

吟遊詩人の耳は犬の耳。

犬の耳はロバの耳。

よって王様の耳はロバの耳。

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