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鬼ごっこは命がけ  作者: 伊代
1章
3/32

くうちゅう

本日二回目の投稿になります。

 エンジェルな美少年くんと別れて、わたしは好奇心に任せて公園を探検していた。

 鬼がどうとかは、まあスルーの方向で。

 そんなのを怖がるような可愛い性格じゃないんです。


 自転車を押しながら、木のチップが埋め込まれた緩い上り坂の歩道を進む。

 この公園、どうやら小高い丘を中心とした林になっているみたい。

 二十分程歩いたけど、人影はまったくなし。

 花壇の花は綺麗に咲いてるし、目を楽しませてくれはするのだけど―――この世に存在するのは自分だけみたいな錯覚を覚える。


「あれ、なんだろ? まさかお墓―――じゃないよねえ?」

 歩道から外れた木々の間に隠れるように建つ石碑が見えた。

 表面はびっちりと濃緑の苔で覆われていて、僅かな隙間から覗く石肌はゴツゴツとした灰褐色。

 不自然に歪な形からして、上部が大きく欠けているようだ。

 よく見れば、石には何か文字が彫られている。

 苔と劣化のためにかなり読み辛いけど、多分【蛇塚】と刻印されている。


 そういえば、白い蛇は神様の化身っていうよね。

 白蛇信仰だっけ? 確か金運が良くなるとか……?

 お参りしておけば宝くじでも当たるかな。

 取り敢えず手を合わせておこう!


 手を合わせて目を瞑った瞬間、背後から微かに鈍い音がした。

 音を頼りに振り返っても、何も見当たらない。

 ただ、自転車を停めた奥―――50メートル程先に、ツルンと木肌が剥がれ落ちたような白木が横たわっているくらい―――なんだけど……。


「あ、―――あれ…………?」


 奇妙な錯覚を覚え、目を疑う。

 あり得ない事に、倒木がこちらに向かって勝手に近づいてくるような……??


 左右にうねる、波のような独特な動き。

 それはまるで巨大な四肢のない爬虫類を連想させ……って、いやいやいやいや、そんなまさか!

 あんな大きな蛇、いるはずないって―――!

 そんな事実、認められるはずがない。けど……確実にソレは近づいてくる。


 や、やばい。

 足ガクガクしてる、動けない!


 あと10メートル。

 もう間違えようがない。


 丸々とした白い巨体。

 上下にぱっくりと開かれた口から覗く細長く白い鋭角と、赤く伸びる扁平。

 透き通るようなルビー色の瞳。

 どう見ても、巨大な蛇だ。


 もうダメだ、喰われる!!!


 わたしはぎゅっと目を瞑った。

―――が。


「え…………?」


 突然、浮遊感に襲われた。

 ジェットコースターが落下する時に似た、あの頼りない感覚だ。

 ワケが分からない。


 恐る恐る目を開けると、目の前に知らないおっさんの顔が。

 誰!? てか、わたし、抱えられて宙を飛んでいる!?

 お、落ちるーー! 落ちるよ!!!!

 思わず見知らぬ男にギュッとしがみつく。


「か、可愛い……」

「む、むぐっ!?!?!?!?!?」


 宙を飛んだまま、知らない男にチューされてしまいました。

サブタイトルがつまらないとかいう苦情も大歓迎です(笑)

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