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鬼ごっこは命がけ  作者: 伊代
2章
15/32

正体

 さあ、丸めたティッシュを鼻に詰めるという間抜け顔を美少年(美青年か?)に晒しながら説明続行です。


 ところで、すっごーっく今更なんだけど……イケメン嫌いなわたしは、可愛い子は男女問わず大好き―――なんだけども! 焔星くんて何歳なんだろ?

 それに社会人として仕事してるって言ってたけど、鬼なんだよね?


「坊ちゃまは本来の仕事の片手間に、人間社会この地区での不可解犯罪に関する資料を纏め、然るべき機関に提出するという非常に崇高な職務をこなされておるのだ!

 御歳79歳になられる!!」

 ぶふぉーーっ!

「キサマっ! 鼻からでは飽きたらず口からも汚物を垂れ流すとは良い度胸だ! そこに直れぇい!!」

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!! けど汚物はヒドい」

 ほんのちょっとお茶吹いちゃっただけなのに!

 だって79歳って! 良くて19歳だわ……。


「瑠惟、落ち着きなってバ。

 ボクの種族はオニの中でも特殊で、成長がゆっくりだから100歳位で成人するんだヨ」

 ほほー、じゃあ未成年だから美少年でいいんだよね!

 うん、そういうことにしておこう! だってその方がわたしが嬉しいし!

……ちなみに瑠惟さんは見た目通りに46歳で、ヒダル神という魑魅だそうです。


「あとは空耶サンの正体は……特にないヨ。彼はノーマルな人間だから」

「あはっ、おもしろーい★」

「その態度はなんだぁぁ、小娘ぇーッ!!」

 ぎゃーっ、瑠惟さん急に怒鳴らないで、鼻から心臓飛び出るから!!

「す、すすすすみません!!!!! だってアレが人間ならどんな手品ですか!!」


 木の上から軽々飛び降りたり、手の平から波動砲みたいなの出しちゃったり、瞬間的に火傷をシュワシュワのソーダみたいに治したり……。

 どう考えても普通の人間なワケ……ある? いや、ないよね!


 けれど焔星くんは困ったように頭を横に振る。

「19xx年、長野県生まれ。厳しい銀行員のパパと気の良い主婦のママがいる、ごく普通のファミリーに生まれ育った。

 ○○大学を首席で卒業後、この地に探偵事務所を開き現在に至る―――これが偽りのナイ、空耶サンの経歴だヨ」

 ふむふむ、わたしより5歳上―――33歳ってことか。

 ○○大学って……超一流大学だ。あのエロおやじが首席ねぇ、はぁ。


「ボディ的には完全にノーマルなヒューマン。

 ただし、彼はオニのソウルを引き継いで生まれている。言わゆる転生というヤツだネ。

 その知識とパワーは、常に傍らにいる王珠サンを媒体にして引き出す事が可能らしいんだ」


 ふむ。普通の人間だけど、鬼の生まれ変わりだから超能力を使えるってことか。

 そしてそれには王珠ちゃんの力が必要……。

 じゃあ王珠ちゃんって何者なの?


「彼女の事はよく分からないんだけど、本性が樹木の魑魅なのは確かだネ。

 400年以上前からずっとあの姿で存在し続けていて、空耶サンが生まれ変わる度に必ず彼を探し出して傍にいる。

 空耶サンは王珠サンがいない限り、知識はあってもパワーは使えナイみたい。そういう意味ではオニなのは彼女の方かもしれないネ」


 うう、なんか複雑だ……王珠ちゃんが空耶の力の源?

 確かにかなり大人びてる子だなーとは思ったけど、あんなに小さくて可愛い女の子にそんな能力があるなんて……。

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