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始まり
いつからだろう。
私が笑わなくなったのは。
別に不幸だからという訳ではない。
だからといって幸せな訳でもない。
何の変哲もない生活を、ただ続けていくだけの毎日。
退屈で億劫な日々。
その結果いつも表情の固まった、貼り付けたような冷たい顔の私。
きっと頑張れば笑えるだろう。
笑ったり泣いたり怒ったりできるだろう。
でも私はずっと無表情でいたい。
毎日起こることにいちいち一喜一憂するのは、もう疲れた。
疲れるくらいなら、感情を殺していたほうがましだ。
本当に、いつからこんなに可愛くない女の子になってしまったんだろう。
いつからこんな自分でいいと思ってきたんだろう。
だけど、やっぱり私は人間だ。
何も感じていないつもりでも、確かに何かを思っている。
そんな時だけ、いつもの無表情がほぐれたりする。
能面のような顔に、戦慄が走ったりする。
「・・・あの、何してんの?」
例えば
「ちょっと、・・・馬鹿じゃないのっっ!?」
こんな光景を
「離せっっっ!!あんた死ぬよっ!!??」
目の当たりにした時に。