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第二章商会乗っ取り編 第19話「農民反乱」

あらすじ

清王朝初期、王朝拡大に大きな影響をもたらした摂政王ドルゴン。

徳川家康の孫にして、豊臣秀頼の正室・千姫。

権力の絶頂期に若くして急死したドルゴンと、

大坂夏の陣で落城寸前だった千姫は、

突如見知らぬ世界へと身一つで飛ばされる。

そこから成り上がる二人の物語。


流れ着いたローデン王国王都フィオレンツにて、

荷役として働き始めたドルゴンは才覚を発揮し、

遂にハルトマン商会の王都倉庫長として正社員に就任する。

その裏で、王宮の奥にあるという帰還の鍵を手に入れるために、

二人は商会乗っ取りに向けて動き出す。


主な登場人物

ドルゴン:清朝初期の権力者・摂政王

千姫:徳川家康の孫・豊臣秀頼の正室 猫かぶりのお姫様

フカ:逃亡奴隷、ドルゴンにフカと名付けられる

河野:ドルゴンの部下となった日本人女性 人の醜聞を覗くことが生きがい

ヨアン:妹を買い戻すためにドルゴンの部下となった元丁稚の少年 

エルドリン:繁華街で火起こしの術を披露している大道芸人 ダルガの食客

ルーヴァ:エルドリンの孫 聡明な頭脳と術師の血統を持つ

ブリギッタ:ダルガの管理人となった老婆


ゲルト:商会への借金で嫁を奪われた元自作農 王都で荷役をしていたが・・・


主な用語

ハルトマン商会:ドルゴン、フカが働いている商会

正社員:幹部

準社員:従業員


ダルガ:ドルゴンの屋敷、転じてドルゴンの私的組織

(わざ)・奇跡の術:体内の血肉を違う形に変換する術のこと。街の人たちからは魔法と呼ばれる。

「農民反乱」


グライフェン地方は、王都を流れるフォルン川を一日遡った先に広がる、王都を支える一大穀倉地帯である。


九月中旬。


千姫がサラとしてハルトマン家に潜入したのと同じ頃、物流拠点グライフェン港には、周囲の村々から荷車が列をなし、次々と小麦が運び込まれていた。


川面は秋の光を弾いていた。

倉庫前には麻袋が山のように積み上げられ、乾いた穀物の匂いが港全体に漂っていた。


その日、エーベル村の納入番はマティアスの家であった。


中規模自作農であるマティアスは、三年不作を耐え抜き、ようやく迎えた大豊作の年を迎えていた。

荷車十数台に積まれた小麦は、合計百二十石にのぼっていた。


「今年で借金は終わりだ」


マティアスはそのように信じて疑っていなかった。


村の若い衆が荷車を押し、牛を引き、笑い声が飛び交っていた。

その列の中には、結婚を控えた長女の婚約者フリッツの姿もあった。


「おいフリッツ、腰やらかすなよ? 今夜から本番なんだろ?」


若い衆の一人がそう言った。


「るせえな……てめぇらこそ先に相手見つけてから言えや」


フリッツがそう返した。


村の若い衆とフリッツのあいだに、粗野だが悪意のない軽口が交わされていた。

フリッツは小作人の息子であった。


娘が彼を連れてきた日のことを、マティアスははっきりと覚えていた。


「お父ちゃん、私、この人と結婚したいの」


娘は真っ直ぐにそう言った。


マティアスは激怒し、フリッツを殴りつけた。

だが、殴られてもなお、フリッツは真剣な眼差しで言った。


「娘さんと結婚させてください」


その姿勢を、マティアスは忘れていなかった。


それからのフリッツは、馬車馬のように働いていた。

フリッツは日の出から日没まで畑に立ち、誰よりも汗を流していた。


ある夕暮れ、マティアスは鍬を置き、フリッツに向かって言った。


「……ちっ、好きにしろ。ただしな、娘を泣かせたら承知しねえ。覚悟決めて背負えや」


それは、結婚を認める言葉だった。


マティアスは、今年の豊作を機に、娘夫婦へ土地の一部を分け与え、分家させることも視野に入れていた。


すべては順調に進むはずであった。


だが、港で順番を待つあいだ、マティアスは違和感を覚えていた。


納付を終えた農民たちが、沈んだ顔で帰っていっていた。

農民たちは肩を落とし、小声で何かを言い合いながら足早に去っていた。その姿が、順番を待つマティアスの目に入っていた。


(あいつらどうしたんだ……?)


マティアスは心の内でざわつきを感じていた。


「次の方」


港の係員が声をかけた。


まず倉庫前で、検分官が麻袋を数え、秤にかけ、品質を確認した。

マティアスは検分官の隣に立ち、袋数と石高を確認した。


「百二十石、確かにございます。質も問題ありません」


検分官がそう告げた。

麻袋は港の荷役とエーベル村の若い衆によって、次々と荷車から下ろされていった。


その後、マティアスは港の一角にある事務所へ通された。

事務所では、ハルトマン商会の勘定役エーリヒが帳簿を開いて待っていた。


「今年は見事な出来ですね、マティアスさん」


エーリヒが穏やかに言った。


「ああそうだな、これでようやく肩の荷が下りるってもんだ」


マティアスが答えた。


エーリヒは静かに帳簿を開いた。


「まず年貢が四十石です」


エーリヒは帳簿の数字を指で示した。


「春の貸付返済が二十石です」


マティアスはその数字に頷いた。


「前年までの未納分ですが……銀貨建てで二百枚。年二割五分の利子を加え、現在は二百七十枚になります」


エーリヒは淡々と続けた。


「本日の公定価格は、銀貨一枚につき小麦一石換算です」


マティアスの眉が動いた。


「つまり……二百七十石……?」


「はい。石高換算で二百七十石相当になりますね」


事務所の空気が張り詰めた。


エーリヒは続けた。


「年貢四十石、貸付二十石、昨年までの借財二百七十石。合計三百三十石が必要です。納められたのは百二十石ですから、二百十石の不足となります」


マティアスは机の上の帳簿を見つめた。


「そんな馬鹿な……今年は豊作だぞ」


マティアスがそう言った。


エーリヒは小さく息を吐いた。


「豊作ゆえに小麦の価格が大幅に下がりました。契約は価格連動です」


「じゃあ繰越はできるだろう?」


「去年までで繰り越しできる額はぎりぎりでした。今年は担保評価の五割を超えています。規定では……難しいですね」


マティアスの声が低くなった。


「なら、どうしろってんだ」


エーリヒは視線を落としたまま答えた。


「商会としては、土地の一部差押え、家畜の処分、あるいはご家族の奉公による担保を求める形になります」


(土地は娘夫婦に譲る予定だった……

 馬も一頭譲ってやるつもりだった……

 弟妹は不作が続いて皆奉公に出しちまった……)


マティアスの頭の中に、娘が結婚式で笑っている姿と、その光景が崩れていく様子が浮かんだ。


「……家族とは、誰のことだ」


「皆さん、そうされています」


エーリヒはそれだけを答えた。


「待ってくれ……」


マティアスは机に両手をついた。


「今年は豊作だ。三年耐えたんだ。これで終わるはずだった」


エーリヒは顔を上げた。

その目には、個人的な同情の色が浮かんでいた。


「私も……本心では、そう思います。しかし私は規定を変えられる立場ではありません」


「規定だと?」


「契約は双方が守るものです。でなければ商会も立ちゆきません」


一瞬、沈黙が落ちた。


エーリヒは静かに言った。


「次の方がお待ちです。どうか、来月までにご決断を」


マティアスはその場を動かなかった。


「おい、お帰り頂け」


エーリヒが事務所の裏に声をかける。

その時、事務所の扉が開き、商会の傭兵が二人入ってきた。


「旦那、外へ」


傭兵の一人が言った。


「まだ話は終わってねえ!」


マティアスが叫んだ。


傭兵がマティアスの腕を掴んだ。


「お引き取りください」


エーリヒが告げた。


「離せ!」


マティアスは抵抗したが、傭兵に押され、連れ出される。


秋の光が眩しく差し込んでいた。


だが、その光は、もはや祝福の色ではなかった。



事務所の中から聞こえたマティアスの怒声に気づき、エーベル村の若者たちは事務所の扉の前に集まり始めていた。

若者たちは不安そうに顔を見合わせながら、扉の外で様子をうかがっていた。


そのとき、事務所の扉が開いた。


商会の傭兵がマティアスの腕を掴んだまま外へ出てきた。


押し問答の末、傭兵の一人がマティアスを強く突き飛ばした。

マティアスの身体はよろめき、倉庫の外壁にぶつかった。


それを見たフリッツが駆け寄った。


「親父さん!」


フリッツはマティアスに手を伸ばしたあと、傭兵に向き直った。


「何てことしやがる!」


フリッツが傭兵に詰め寄った。


傭兵はフリッツが近づいてきたのを見て、険しい顔で言った。


「ガキは引っ込んでろ」


フリッツがさらに一歩近づいた瞬間、傭兵が拳を振り上げ、フリッツの頬を殴った。

鈍い音が響き、フリッツの身体がその場に崩れ落ちた。


「フリッツ!」


エーベル村の若者の一人が叫んだ。


「大丈夫か!」


別の若者が駆け寄った。


それを目にしたエーベル村の若者たちは一斉に前へ出た。


「フリッツを助けろ!」


若者の一人が声を上げた。


若者たちは傭兵に詰め寄り、押し返そうとした。


傭兵の一人が警告した。


「下がれ! これ以上騒げば斬るぞ!」


その声に呼応するように、港の別の場所にいた傭兵たちが駆け寄ってきた。

傭兵たちは剣の柄に手をかけ、輪を作るように広がった。


その騒ぎに気づき、周囲で順番を待っていた農民たちが次々と集まり始めた。

農民たちは遠巻きに様子を見ていたが、やがて円を狭めるように近づいた。


その混乱の中、群衆の後方から石が飛んだ。


石は傭兵の額に当たり、血が流れた。

石がどこから飛んできたのか、はっきりと分かる者はいなかった。


「おい、大丈夫か!」


額を割られた傭兵の仲間が叫んだ。


その仲間の傭兵が怒声を上げた。


「てめえら、何しやがる!」


傭兵の一人が剣を抜いた。


抜き放たれた刃が光った。


農民たちはその刃に一瞬たじろいだ。

だが、周囲の怒号と押し合いの中で、その躊躇はすぐにかき消された。


両者の間が近づいたその一瞬、傭兵が刃を振り下ろした。


刃は若い農民の肩を斬り裂いた。

血が地面に滴り落ちた。


その瞬間、港の空気が凍りついた。


誰もが動きを止めた。


だが次の瞬間、群衆の中から声が上がった。


「なんてことしやがる!」


「ひでえじゃねえか!」


最初に声を上げたのは、群衆の中にいた数人の男たちだった。


その中の一人が、さらに声を張り上げた。


「見ろ! 商会の奴らは俺たちを虫けらみてえに斬り捨てる!」


その男の声に続いて、別の男が叫んだ。


「こんなの許せるか!」


その声に、マティアスが応じた。


「許せねえ!」


マティアスの村衆が続いた。


「許せねえ!」


周囲の農民たちも呼応した。


「許せねえ!」


その声は重なり、百人近い農民が一斉に前へ出た。


群衆は傭兵たちに押し寄せた。

傭兵は押し返そうとしたが、人数差は明らかだった。


傭兵は次々と殴られ、蹴られ、地面に倒れた。

その混乱の中で、数人の傭兵にどこからか刃物が伸びた。そして、彼らはそのうち動かなくなっていた。


残った傭兵たちは、これ以上は持ちこたえられないと判断し、港の外へ散り散りに逃げていった。


事務所の中では、勘定役エーリヒを含む商会の数名の職員が扉の隙間から外をのぞいていた。


「これは……とんでもないことになったぞ……」


エーリヒは言葉を失っていた。



動かなくなった傭兵を前に、農民たちはざわついていた。

その混乱の中、港の荷台の上に一人の男が上がった。


その男は、農民の一人にしか見えなかった。


その男は群衆を見渡し、大声で叫んだ。


「聞け!」


男の声は港に響いた。


「俺はゲルトと言う!」


群衆がざわめいた。


「俺は三年前まで、ここグライフェンで女房と一緒に畑を耕していた!」


ゲルトは拳を握った。


「商会はよ、今年は豊作になるから心配するなって、種籾をどっさり貸しつけてきやがった。いい話ばっかり並べ立ててな」


ゲルトは吐き捨てるように続けた。


「だが結果はどうだったか……借金だけが残った。俺は土地も家も失った!」


群衆がざわめいた。


ゲルトはそのざわめきが静まるのを待ってから、再び口を開いた。


「この三年、不作が続いた! そして今年、ようやく豊作だ!」


ゲルトは港に積まれた麻袋を指差した。


「だがどうだ! 小麦は山ほどあるのに、みんな借金は減らねえ! むしろ増えた!」


納付を控えていた農民たちが顔を見合わせた。


「商会は俺たちから何もかも奪う!」


ゲルトが叫んだ。


そのとき、マティアスが前に出た。


「俺は百二十石納めた!」


マティアスが声を張った。


「それでも足りねえと言われた! 結婚を間近に控えた娘を奉公に出せって言われた!」


マティアスは繰越の規定と奉公の話を混同していたが、興奮しているためそのことに気づいていなかった。


周囲の農民たちが反応した。


「うちもだ……」


「俺も同じだ」


「許せねえ」


その声は重なり、港に広がっていった。


怒りは個々のものではなくなっていた。


ゲルトは群衆を見渡した。


「このまま穀物を渡せば、俺たちは何も残らねえ」


ゲルトはそう言った。


「穀物を渡すな」


数人が「そうだ」と声を上げた。


すでに血は流れていた。

傭兵は倒れ、農民も斬られていた。


商会の事務所の窓は閉ざされ、内部の商会職員たちは姿を見せなかった。


港に集まった農民たちは互いの顔を見た。

簡単に引き下がれる状況ではないことを、多くの者が感じていた。


ゲルトは声を張った。


「みんな、グライフェンの砦に行こう!」


誰かが「砦へだ」と繰り返した。


ゲルトは続けた。


「穀物を持って行って砦に籠る! やつらに俺たちが納得する条件を持ってこさせるんだ!」


ゲルトの声に、農民たちは拳を挙げて応じていた。


農民たちは港に積まれていた麻袋を取り戻し始めた。

若い衆が荷車を引き直し、穀物を載せ替えた。


港の荷役たちは農民の熱気に圧倒され、その様子を見ているしかなかった。


ゲルトの周囲にいた数人の男たちは、群衆の流れを砦の方向へと誘導した。


マティアスはその流れの中に立っていた。

フリッツは頬を腫らしたまま、荷車の手綱を握っていた。


やがて農民たちは、穀物を伴い、港を離れ始めた。


港から少し離れた小高い丘の上にある砦に向かう荷車の列が出来ていた。


その日、豊作を祝うはずだった港は、怒号と血の匂いを残したまま、静まり返った。


豊作の日は、いつの間にか、反乱の日へと姿を変えていた。



港から穀物が運び出されている様子を眺めているゲルトに、一人の男が小声で言った。


「上手くいったな、ゲルト」


ゲルトは短く答えた。


「ああ……だがこれからが本番だ」


その後、ゲルトは数人を連れて事務所の前へ向かった。


「おい、開けろ!」


ゲルトが扉を叩いた。


中から返事はなかった。


ゲルトは男たちに合図を送り、男たちは扉を打ち破った。


事務所の中では、エーリヒを含む商会の職員たちが震えていた。


「お前たち、こんなことをして、タダじゃすまないぞ……」


エーリヒは震える声を押し殺し、声を出した。


「……」


ゲルトは答えず、男たちに顎で指示を出した。

指示を受けた男たちはニヤニヤしながら腕を鳴らし、エーリヒたちに近づいた。

男たちはエーリヒたちの顔や腹に拳を飛ばしていった。


「ぎやっ」


「ぐはっ」


「や、やめ……」


エーリヒたちは数発殴られ、あざが浮いた顔になっていた。


ゲルトはその顔に向かって言った。


「……お前たちは人質だ。砦に来てもらう」


そして、ゲルトはエーリヒを指した。


「俺たちはグライフェン砦に穀物と一緒に籠る。お前は王都に行って、"穀物が欲しけりゃ、これまでの仕打ちを詫びて、俺たちが納得できる案を持ってこい"と商会の上の奴らに伝えてこい」


エーリヒは言葉を失ったまま、うなだれていた。


ドルゴンという人物が好きで書いた妄想小説です。

楽しんで頂けたら幸いです。


次回、2026/3/6 20時投稿予定


おまけ:

農民貸付並びに返済契約書

第一条(春季貸付及び担保)

商会は毎年春季において、農家に対し銀貨若しくは必要物資を貸与する。貸付額は帳簿に記録され、農家はこれを承認する。

農家は本貸付の担保として、自己の所有する土地、家屋、家畜その他の財産を提供するものとし、その内容は帳簿に記載される。担保物件の評価額は、貸付時及び精算時において商会の査定に基づき算定される。


第二条(秋季穀物返済)

本年貸付は平年収穫量を基準として算定し、返済穀物量は当該基準に基づき定める。


第三条(前年未納分及び利子の扱い)

前年以前において不足となった返済分は、当該年度の港公定穀物価格を基準として銀貨換算し、銀貨建ての債務として帳簿に記録されるものとする。

右債務は翌年に繰り越され、元本に対し年二割(20%)の単利を加算した額をもって翌年の債務総額とする。

農家が当該債務を穀物にて弁済する場合は、弁済を行う日のグライフェン港公定穀物価格を基準として穀物量に換算し納入するものとする。

なお、右利子は元本にのみ付され、既発生の利子に対しては重ねて付されないものとする。


第四条(不足分の精算及び繰越)

穀物返済に不足が生じた場合、農家は不足分に相当する穀物を追加納入するか、または銀貨若しくは担保物件をもって弁済する義務を負う。

当年精算後の債務総額が担保評価額の範囲内にある場合、農家は当該不足分の翌年繰越を申請することができる。繰越の可否は商会の裁量により決定される。

繰越が認められた債務については、第三条の定めに従い翌年に利子を加算する。


第五条(繰越及び担保執行の基準)

前年以前の未納債務を含む当年精算後の債務総額が、当該農家の提供する担保物件の評価額の五割(50%)以内である場合、商会はその裁量により当該債務の翌年繰越を認めることができる。

当年精算後の債務総額が担保評価額の五割を超える場合、商会は担保物件の一部差押え、又は相当する銀貨若しくは資産による即時弁済を求めることができる。

債務総額が担保評価額を著しく超過し、商会が回収困難と判断した場合は、商会は強制執行を行い、担保物件の全体又は相当部分を処分することができる。

担保評価額の算定は、当年精算時における商会の査定に基づくものとする。


第六条(特記事項:市況悪化時の措置)

市況が著しく悪化し、穀物価格が変動した場合、商会は穀物受領を拒否し、金銭または担保物件による弁済を求めることができる。

その判断は商会の裁量に委ねられる。




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