第1話 異世界転生。
自分自身初の小説投稿になるので結構緊張しています。笑
楽しんでいたたげたら幸いです。
遡ること数日前…俺、橘朝斗は上司からリストラを言い渡された。
「君今日で解雇ね、すまないけど今この業界はこのご時世厳しんだ。」
2020年、突然に悪夢はやってきた…感染症の流行により”三密”という言葉をよく耳にすることになる。
この言葉は俺が勤めている飲食業界の会社には大ダメージを負うことになった。
会社の同期や後輩、慕っていた先輩が少しずつ解雇を言い渡されている時点で薄々気づいてはいたが、自分の番が回ってきてしまった。
だが俺には守るべき家族がいる。
妻がいて息子がいて、妻は第二子も授かっている。
この状況で職を失ってしまうなんて気が気じゃない。
俺は上司に猛反発した。
「そんな、社長!困ります!私には家族がいて妻はもう第二子も授かっているんです!せめてあと2ヶ月はだめですか?」
俺は必死に抗議したが、返答はすべて
「駄目だ」の一点張り。終いには部屋を追い出された。
困った、妻と息子にどんな顔をして俺は今日家に帰ればいいのだろうか…。
しっかり話して捨てられる、そんなことがないことを祈ろう。
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家の前で俺は深呼吸をして、ドアを開けた。
「ただいまー」
いつものように妻が迎えに来てくれる。
「朝斗おかえりー!ご飯できてるよ!」
リストラされたことは、いつもと変わらない様子で夕飯のときに言おう。
そして俺は妻の紗夜に今日上司からリストラを言い渡されたことを話した。
「そっか…このご時世だと、飲食の業界は厳しいってニュースでも聞くもんね…でも朝斗がいっつも頑張ってくれてたおかげで次のお仕事が見つかるまでの貯金はあるから大丈夫そうだね!新しいお仕事が見つかるまで二人で頑張ろうね!私もお仕事見つけれるように頑張ってみるから!」
良かった…妻に捨てられる心配はなさそうだ。いい妻を俺は持ったよ。
「ありがとう…翔吾にはいったほうがいいかな?」
「そうだね、翔吾にも言っておこ!あの子も自分のお父さんが急に仕事に行かなくなったら怖いだろうし!翔吾には私から言っておくね!」
「ありがとう。ご飯も食べ終わったしお風呂にでも入ろうかな。ご飯すごく美味しかったよ!いつもありがとね!」
「どうしたの急に、普段はそんなことを言わないのに」
「いや俺はいい妻を持ったなって思って」
妻は普段とは違う俺の発言に照れくさそうに笑い、俺は妻の優しさのお陰で幸せな日々を続けれそうだ。
ーーーーーーー
その日の夜、俺はアルバイトの募集などを調べ尽くしていた。
その時一つ気になる募集を見つけた。
【時給1300円 飲食業界で働いてた人優遇!食事を考えるだけの簡単なお仕事!】
この募集を見たとき何やら怪しさを感じたが長期のバイトとして入れるならぜひ入ってみたかったので、募集者に連絡してみた。
〈夜分遅くの連絡失礼します。大手飲食業界の会社で働いていました、履歴書を後日お送りするのでまだ募集中でしたらご検討の方お願いいたします。〉
ーーーーーーー
翌朝募集者から返信がきていた。
〈おはようございます。まだ募集枠が空いておりますので履歴書を確認次第、ご検討させていただきます。〉
俺はすぐさまマスクを着け家の鍵を閉め、近くの百均に履歴書を買いに行き、募集者に履歴書を送った。
〈こちら履歴書の方になります。〉
〈ありがとうございます、履歴書の方確認いたしましたところ採用とさせていただきます。こちらの住所にお店があります。ご都合が合うときにお越しください。〉
その日の夜に紗夜に話をし、次の日からその店に向かうことにした。
ーーーーー翌日ーーーーー
その店は俺の家からそう遠くないところにあり、すぐに着いた。
「こんにちはー、先日連絡させていただいた橘朝斗です。誰かいらっしゃいませんか?」
すると店の中から出てきて自己紹介をしてくれた人が募集者のようだ。
「こんにちは、募集者の林と申します。この度は本店舗への応募ありがとうございます。早速で申し訳ないのですが仕事内容を説明してもよろしいですか?」
「はい!もちろんです!」
どうやら話によると老人ホームと協定を結んでおり、その施設の食事を考え、提供するというものだった。コラボ商品などを考えていた俺としては簡単な仕事だと思う。
予想通り初日の仕事は順調に進み、これからもうまくやっていけそうだ。
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数日が経った頃、俺はいつもアルバイトをしている店へ仕事をしに行き帰ってきて、紗夜と翔吾と他愛も無い話をして、眠りについた。
翌朝、目が覚めると枕元に2枚の手紙が。
一つは紗夜から、もう一つは翔吾からのものだった。
ーーーーーーー
「朝斗へ、仕事を失ってもめげずに仕事を早く見つけてくれてありがとう。私はそんな優しい朝斗を裏切ってしまうようなことをあまりしたくありませんでしたが、昨日朝斗の携帯から非通知の電話が来ていたので出てみたら、知らない女の人からいつ会えると電話で聞かれたので、即座に私は『朝斗の妻です、旦那とはどういった関係ですか?』と聞いてみたら『私は林と申します朝斗くんは奥さんがいたんだ、いけない人だなー』と言っていました、あの人とどういう関係なのかはわかりませんがやけに仕事を見つけるのが早かったり、少し怪しいところが多くて疑っていたけど今回の一件で確信に繋がりました。今までありがとう。翔吾のことは気にせず林さんと仲良くしていてください。」
そう紗夜からの手紙には書いてあった。
「クソが!あの野郎はめやがったな!」
やられた…。こんないい話に軽率につられた俺が馬鹿だった。
林とは連絡がつかず、店に行ってみても売却済みの看板が立っていた。
SNSで検索をかけたら同じ被害にあっている人が何件もいた。
どうやら今の職を失ってしまった人を利用し、家庭崩壊を狙う詐欺らしい。
つくづくやられた。
でも俺には最後の希望があった。
それは翔吾からの手紙だ。俺は家に帰ってすぐさまに確認した
「お父さんへ、お母さんはお父さんのことをもう信用できないって言ってたけど僕は最後までお父さんを信用したいと思います。しばらくはおばあちゃんの家に住むらしいのでお父さんの気持ちが整理できたタイミングで来てください。翔吾より。」
翔吾は俺のことを信用してくれてるみたいだ。
俺は涙が止まらなかった。
ありがとう翔吾。
無実を証明できるようになったらすぐに行くからな。
そう決めた俺は、SNSで同じ被害を受けた人たちと話し合い林の動向を探り、最終的に林の詐欺グループの特定まで繋がり、摘発まで追い込んだ。
ニュースに報道し林の詐欺にあった人全員の無実を証明した。
その時間にかかった時間はわずか3ヶ月。
すこし物事がうまく行っていることに人間不信状態の俺は不信感を持ったが、詐欺に遭い怒りを覚えた大人の力を考えたらこんなもんだろう。
そして俺は紗夜と翔吾がいるであろう義父母の家に向かった。
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片道3時間をかけ目指している最中、どうやら渋滞にハマってしまったらしい。
こんなときに渋滞とはついていない。今は一秒でも惜しいのに。
反対車線は混んでないのを見るとこちら側の車線だけでなにかあったのだろう。
そんなときクラクションが一斉に鳴り出す。
何事だろうか…
それは一瞬のことだった。渋滞の中に反対車線から猛スピードで突っ込んでくる。
逃げようとしても渋滞の最中であることに絶望を感じる。
大量の車が俺の車へと、そして後続の車に玉突き事故のような状態になり、周囲がガソリン臭くなり爆発した先頭の車のガソリンに次々に引火し大量の車が爆発した。
俺はすぐさまに悟った。
自分は死ぬんだなと。
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次に俺が目を覚ましたときにみた景色は病院の天井ではなく、どこの人かもわからない人の顔だった。
誰だあんたら!?と発声して、
「バブ?!」
赤子のような声が出た次の瞬間。
知らない男性に抱きかかえ上げられ最初に見えた景色は俺の知っている場所でも
時代でもなかった。
西欧のような、現代ではない全くわからない場所だった。俺は前世の記憶を持っていて、わからない場所に突如としている。すべてを理解した。
これは”異世界転生”ってやつだ。
数ヶ月前に無職になったアラサー男が
異世界転生しちまった。
どうでしたでしょうか?「希望の花を君に」第一話 異世界転生。
次の更新は明日の20時になると思います。お楽しみに…