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異世界で魔法を極めたい  作者: 井上
4.少年期、二年目・春〜夏「ジン」
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65.秘密を教えてやろうじゃないか

「これが隠していたことだ」


 と言うと同時に俺は手元の魔力塊を握りつぶす。「遮断ニノイズ」は魔力の気配まで隠せるわけではないし、ジンもすでに魔力塊を出した意味を理解したようだから他の者にバレる前にさっさと消したかったんだ。


 さて、ジンがどういう反応をするかだが……。


「……す」


 ジンはしばらく放心状態だったがようやく言葉を発した。俺と言えば、いつ副所長が戻ってくるかと気が気ではなかった。


「すごいなディート殿! なぜ今まで隠していたのだ!?」

「面倒ごとはごめんなんだ!」


 ジンは今にもとびかからんという勢いで俺に迫ってくる。ええいやかましい! 周囲の音が入ってこないから特に!


 多くの属性が使えるということは、おおよその場合周囲からの羨望を受けるわけで、その中には嫉妬のようなあまり好ましくない思いも入っていることだろう。身近な3つ持ちであるベルはスクールカースト上位の座を勝ち取り、俺の場合はそもそもあまり知られていないから実感はわかないが、多くの3つ持ちはそういうのに苦悩していると聞く。


 にしても、3つ持ちでさえこういう話が尽きないらしいのに、推定4つ持ちの館長なんかは実は結構苦労してきたのではなかろうか。


 まあそんなわけで、すべての属性が使えることにメリットはあるが、デメリット、主に周囲からの風当たりに関するものは意外にも多い。俺的には隠している今の状態じゃメリットのほうが大きいように感じるが公表したときはどうなるかわからん。


「ああ、だからディート殿の自室には魔法書が沢山あったのだな?」

「んーまーそうだな」


 ほぼほぼ趣味だけどね。ぶっちゃけると、特に適正のある無と炎、水、風さえやってれば生活していく分には事足りる。むしろ、特に心属性なんかは使えるものを迫害する文化が一部地域では残っているらしいし。おそろしや。


 実際、心属性は使いようによっちゃ被使用者に人殺しなんかをさせることもできるし、もちろん詐欺なんかにも使うことができる。すくなくともゼスターリア連邦国ではまだ規制なんかはかけられていないが、そう遠くない未来にかけられるだろう。


 蟲属性も同様。なんならこっちはすでに、他人にかけるタイプの蟲魔法は認定書を得ないと大っぴらには使用できないようになっている。「分身ドッペル」みたいな、そこまで影響を与えないし、よく知られているものは除外されてるみたいだけど。そもそも俺蟲属性使えないからこれはそこまで考慮する必要ないな。


「これ以上の質問はお前の検査やらが終わってから受け付けるからな」


 そう言うと俺は「遮断ニノイズ」を解除する。これ以上こんな場所でこう、込み入った話をするのもなんだと思ったんでな。続きは帰ってから、ということだ。


「そういや、お前、検査ってどのくらいの頻度でやってるんだ?」

「エメラルドシティにいる間はほぼ毎日だな」

「……大変だな」

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