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異世界で魔法を極めたい  作者: 井上
4.少年期、二年目・春〜夏「ジン」
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63.明日は明日の風が吹くさ

「なあ、館長」

「ん、なんだ?」

「さっき、ディート殿のことを知っているような口ぶりで話していたが……どこかで会ったのか?」

「あー、うん?」

「なぜ疑問形なのだ……」


 そうなんだよな。普通に閲覧してりゃ館長に会うことは無い。つまり何かあったと推察するのが当たり前の反応だ。実際なんかあったし。


 にしてもなんで館長疑問形なんだよ、俺も分からないのだが。マントもなんか変だし。下地が黒なのは変わらんが、裾にあったはずの水色と紫色の刺繍は無くなっている……いや、色が変わってる? 白になっているような気がしなくもない。


「えーと、うん、生徒たちが見学しているときにリフレクションオーブに不具合があってね、その時に」

「えっ、何故なのだ?」

「映像を作成している自立知能オートマタがうまく働かなかったみたいでね」


 館長はどこか気まずそうに手を顔にやる。どこに当てたのかは分からん、多分顎。額はない。


 なぜ率直に俺がフリーズさせたと言わないのか。俺としては言ってくれなくて正直助かるが、館長からしてみれば言わない理由が特に無いように思えるんだよな。


「館長、そろそろ終わりました?」

「あ、ああ、副所長。終わったよ」

「ならジンを……そちらの子は? また変なことやってるんじゃないでしょうね?」

「君は私のことをなんだと思ってるんだい!?」


 副所長と呼ばれたのは、明るめの金髪を後ろでひとまとめにしている気の強そうな姉ちゃんだ。館長とは違い、マントのような変な服は来ておらず、シャツとズボンという質素な格好だ。


 副所長はいぶかしげな目で館長を見つめている。館長、もしかして周囲からの評判よろしくない人? ちょっと親近感を感じてしまう。


「この子はディートくんだよ。ジンくんのご学友、だよな?」

「ですね」


 友人といわれるとちょっと気恥ずかしいけど。


「館長が名前を覚えているということは、その子もなにかあるわけですね?」

「いや、そんなことは……」

「館長は嘘がへたくそなんですよ」


 確かに、この人のことも名前ではなくて役職名で呼んでるしな。今のところ名前で呼んでるのは俺とジンだけだ。そしてどっちも転生者。ジンは剣属性持ちだし、俺は……てかやっぱバレてるよな?


「詳しい話は研究室で聞きます。いいですね?」


 おい待て、話が変な方向に飛び始めたぞ?


 館長もなんで何も言わないんだよ。もしやあれだな、実際の権力は副所長のほうが持ってる感じだな? ジンもなんか困惑してるし。


「こっちです。ついてきてください」


 えーい、もう、なるようになれ!

全然ストーリーなどには関係ないし裏設定の類のものですが

実はディートとジンは英語にすると頭文字がおなじです。どっちもD。

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