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異世界で魔法を極めたい  作者: 井上
4.少年期、二年目・春〜夏「ジン」
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58.なんてこった

 収穫祭から数日。ついに来たぜ! 夏休みがよ!


 今年の夏休みは俺は魔法都市「エメラルド」に行く予定を立てているが、まだ出発までには三日ほど日が開いている。さすがに初日から行くのはあれかな~と。具体的な理由とか特にないけども。気分の問題だ。


 ではその三日間は何をするのかというと、特に決めていない。準備ももうすでに終えているしなあ。ジンももういないし。図書室で時間つぶせばいいか。夏休み中でも学校の施設は使えるからな。


 というわけで図書室に来たわけだが……なぜ俺は今までこれに気が付いていなかったのか。これとは新聞のことだ。カウンターの横に置いてあったのだが、号数をみるに割と前からあったっぽい。


 新聞か。前世ではほぼ毎日読んでいた記憶があるが、そういえば今世は読んでいない気がする。良家の生まれとしてどうなんだと思わなくもない。だって……うちの親そういうの特に気にしないタイプなんだもん……。最低限の教養はさすがに身に着けさせようとしてくるが、良家ということを押し付けてくることはない。やっぱ俺が跡取りになるのかねえ。一人息子だし。


 さて、久々に読んでみよう、新聞。この世界のことも知れるし案外いいかもしれない。読むのは一番新しいのでいいだろう。隔日か、最後に発行されたのは昨日らしい。昨日発行されて今日ここにあるとは、この世界の交通の便の良さを考慮するとかなり早いな。もしかしたら出版社がイソー(ここ)にあるのかもしれん。ああ、イソーというのは学園がある都市の名前な。


 ん~……なんだこれ? 古代都市アーリアにて新たな遺跡発見? 「神の目」の功績……。


 遺跡ってのは聞いたことがある。いわゆるダンジョンとか迷宮って呼ばれるものだな、たいていは古代の建造物が魔力の影響をうけて変質したものだ。古代都市アーリアってのは、そんな遺跡が多くある都市で、そこからの出土品で回っている都市と聞いたことがある。


 こんなものは割と常識だから今はどうでもいい。問題は「神の目」というワードだ。遺跡はとある条件を満たさなければ発生しない。それは遺跡になりうる規模と材質の建物があるということと、その地の魔力濃度が高いということだ。その点古代都市アーリアはどちらも満たしているのだ。


 で、最近の研究によるとこの遺跡付近では魔力の流れが平常と異なるらしい。とはいっても、その差は微々たるもので、それこそ立派な研究施設でつかうような計測器を用いないとわからない、ましてや人の身だけでは到底感じることのできない差らしいけど。


 もしも、「神の目」というのがこのわずかな魔力の流れも感知できるのなら、それは一種の超能力といってもよく、そして現時点でそんな力を持っているのは俺やジンなどの転生者しかいないわけで……。


 うん、よそう。こんなこと考えたってしょうがない。これを読んで考え事をしているうちにいい時間になっていたしな。今日のところはもう帰ろう。


 にしても、俺やジン、もしかしたら宗教国家オーレンズの聖者や古代都市アーリアの「神の目」だったり……俺の思っている以上に転生者は多いのかもしれない。あ、あとあの五年の特待生のルドラな。

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