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異世界で魔法を極めたい  作者: 井上
4.少年期、二年目・春〜夏「ジン」
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44.目があ! 目があ!

 その日の放課後。


 授業後はもちろんのこと俺はさっさと帰った。何人かに「なんでジンに好かれてるんだ」と詰め寄られたが何となくで流した。


 ただ彼らのため一応言っておくと、ジンが来てからまだ一週間も経っていないし俺とジンの接点は無いように思われているはずなので、別に彼らが俺を嫌っているから詰め寄った訳では無い。至極当たり前な疑問だ。


 もっとも、特殊な事情なんで話すことはできないがね……。


 俺が自室でゆっくりしていると、ノックの音が聞こえる。誰だろうか。一応「空間視」で見てみるか。このくらいだったら魔力酔いの心配も無いし。


 ……ジンじゃん。なんか手に袋持ってるな。嫌な事は起こんないだろうからドアは開けるけども。


「何の用だ?」

「お邪魔するぞ、ディート殿! なに、ただ遊びに来ただけだ。上がってもよいか?」

「あ、そう……どうぞ」


 ズカズカくるなあ。


 寮で俺らに割り当てられてる部屋は一部屋だけだ。そこにベッドだとか机だとか、俺の場合本棚とか、本棚から溢れた魔法書も地面に置きっぱになっている。こうやってみると結構散らかってんなあ、片付けようとは思わんが。


 ちなみに机はちゃぶ台みたいな足の短いやつだ。こっちの方が慣れ親しんでるからな。


「つっても、俺ゲームとか持ってねぇぞ? 見りゃ分かると思うが」

「それは昨日邪魔したとき確認したのでな。ほら、持ってきたのだ」


 ジンは机の傍に座ると、手に持っていた袋から何が取り出した。


「なんだそれ?」

「リバーシだ! 我々で言う『オセロ』だな」

「ほーん。土台も石もそのまんまだな」


 ジンが半分におられていたものを展開してみせる。俺は石を手に取って見てみる。うん、素材こそ違うが、その構造や形はよく知るものだな。


「宗教都市オーレンズの聖者殿が考案したものらしいぞ」

「……その聖者、もしや『転生者』では?」

「そうかもな!」

「ところで、これはどこで買ったんだ?」

「オーレンズだ。修学旅行で行ったのだ」


 このリバーシはオーレンズの特産品でもあるらしい。ジン曰くな。つっても、ルールも用意するもんも単純だしすぐに模倣されそうなもんだがねえ。やっぱ世界的組織であるオーレンズ教会には逆らえんのだろうか。


「特進はそっち行ったのか」

「普通クラスはエメラルドシティだったかな?」

「ああ」

「魔法館は行ったか?」

「行ったよ。クラスの奴らから聞いてないか?」

「聞いていない。私が聞こうとしても、あちらが質問をめっぽう浴びせてくるでな」

「……そうか……」


 その後の勝負の結果だが、全部で五回戦し、三対二でギリギリ俺の勝ちだった。度々石をひっくり返す時前世のようにいかずぶっ飛ばしてしまい、ジンの目に直撃した時はかの大佐のようなうめき声をあげさせてしまった。自分でやっといてなんだが、なんで石があんなぶっ飛び方するんだよ……。

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