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長電話

「『あなたが買ってきた パジャマは、大変迷惑だったわ。

うちのおっさん 手が短いから全部直さなきゃならなかったのよ。

カフスの細かい縫い目を解いて外して 袖口少し切って縮めたのよ。

さらに 細くしないと合わないからね。

面倒くさいったらありゃしない。

言ってること判る? やった事あるのかしら?

それをさらに 縫い合わせて パイピングテープが入っていたじゃない

だからそれを合わせなきゃならない。

もう少し気遣いが欲しいものね。』

ってすみれさんに言ってやったのよ。」


「マコトの嫁って気が利かないわよね。初めて連れて来た時は、

賢そうでしっかりしていそうに見えたけどさ、何聞いても

『マコトさんに聞いてみます』って返事よ。」


「なん言うのかしらね。何考えてるかわかんないよね。」


「最近私に愚痴るのよ。『マコトさん全然家事手伝ってくれないんです』って。

 姉の私に言ってどうするのよね。」


「家事は、女がするもんでしょ。だから

『マコトに頼らないで頂戴って』言ってやったのよ。

家事をマコトにさせるなんて最低よね。

何考えて嫁に来たのかしらね。

結婚前に近所に聞いてもらったのよ。すみれさんの近所ね。

特に気になるうわさは、なかったけれどね。」


「あら、そんなことしたの。」


「そんなの普通のことでしょ。」


「でもさぁ、今時、家事は分担するでしょ。そういう時代でしょ。だから、

『うちの主人は、なんでも手伝ってくれるの。そんな弟なんて離婚しちゃえば』って言ってやったの。」


「あら そんなこと言って大丈夫?」


「大丈夫よ。すみれさん一人で稼いで子供達三人育てられないわよ。」


「そうかね。銀行の受付だったんでしょ。」


「いや、本社の秘書室受付だって。」


「だから、気ぐらいが高いのね。」


「そう言えば、お母さんさぁ、マコトから手袋もらったでしょ。革の高級手袋。」


「あらなんで、知ってんの。」


「すみれさんから聞いたわよ。すみれさんが、

『バレンタインにプレゼントしたのを何故か、お義母さんしているんです。』

って。マコトも結構マザコンね。そこまでとは、知らなかったわ。」


「いや、そんなぁ。」


「なんだかんだ言っても親離れ、子離れって必要よね。嫁がやりづらいでしょ。」


「そうかね。」


「うちは、前、旦那の親と一緒だったでしょ。息子ってお母さん大好きよ。とにかく大好き。

 一緒にいて判るけれど、知らん顔してた。お義母さんが、さっぱりした人だから救われたかな。

 そして私を立ててくれたからね。だから私も楽しかったのよ。」


「なんだか、よく悪口言ってたように思うけどね。」


「だって他に言う人ないからね。マザコン旦那に言うわけいかないでしょ。今じゃ笑い話ね。」


「んー、そうかね。」


「じゃ、あと少しで家出るから、迎えに行くね。

 身支度してるの?」


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