第十二戦闘行動 決戦の果てに
〜続々続々・今は無きモノの視点・シン〜
「キサマはブラックッ!まだ生きていたのかッ?腹立たしいッ!キサマが一番腹立たしいわッ!」
「ああ、そうだろうな。私がブラックで、お前がホワイト。それは表裏一体でありながら、内に棲まうモノは元を正せば同一のモノ……要は近親憎悪だ。忌み嫌う理由は分かるさ」
「キサマとヤツガレを一緒にするなッ!」
「だがな、私達ジャスティスファイブを“悪”と決め付けるならば、この時代でお前がした事も“悪”でしかない」
「なにをぉぉぉッ!」
「この時代に生きる者達は、旧時代の“神”が新たに創った者達。そこに旧時代の“遺物”であるお前が介入した段階で、お前も“悪”なのだ」
「ッ?!——うるさい……煩い!ウルサい五月蝿いッ!!あぁ、腹立たしいッ!やはりキサマはヤツガレを掻き乱す。あの時、真っ先に息の根を奪っておくべきだった!」
「終わりにしよう、メモハモホワイト。私が引導を渡してやる。掛かって来いッ!」
満を持してブラックの登場だった。この場にいるのが強欲ではなく、レッドだったら「いつもの事だ」と割り切って苦虫を噛み潰したような表情をしていただろう——
だッ
「速いッ?!」
がしッ
「何をする気……だ?」
「ゴールドから託されたコレを使わせてもらう」
「ゴールド?まさか、アイツを?いや、アイツがヤツガレを、裏切っ……た?」
「これで終わりだ。メモハモホワイトッ!」
きゅいんきゅいんきゅいんッ
「The program activation……」
「な……なんだ……コレ……は?ヤツガレに何……を、シ……た」
「Install anti program……」
「よ……せッ!ヤ……メロッ!ヤツガ……レ……を……」
「Installation completed」
しゅうん
ブラックはホワイトに取り付くと、ゴールドから託された球体を使った。その球体は物質のようなモノではなく、ホワイトの身体に付けられた“ヒビ”の各所からその中に侵入して行った。
その“ヒビ”があったからこそ、ホワイトの抵抗虚しく容易にプログラムがインストール出来た事になる——
「ブラック、ホワイトはどうなっちまったんだ?」
「それはワシから説明してやろう」
「ゴールド、無事だったのか?」
「ワシはボロボロぢゃから無事とは言い難いが、動けないお前よりは無事ぢゃな」
レッドの問いに声を上げたのはゴールドであり、ゴールドは自身が言うようにボロボロで、ピンクに付き添われて現れた。ピンクの顔には「てへッ」みたいな文字が書かれているようにも見受けられた——
「ホワイトが憤怒を開花出来たのは、“Hi-aI”の中に組み込まれた“悪の種”が原因ぢゃ。ぢゃから、“Hi-aI”を破壊するアンチプログラムをホワイトにインストールするようにブラックに頼んだのぢゃ」
「それを言ったら、ゴールドは“嫉妬”を開花させたじゃねぇかッ!それはどうしたんだ?」
「ワシも確かに“嫉妬”に囚われたが、鎧の負荷が増した事で“嫉妬”を抑え込む事に成功したんぢゃ。まぁ、抑え込んでもピンクは執拗に甚振って来たから、ここまでボロボロになったワケぢゃがのぉ……」
「だってだってぇ、そんなの分からないじゃん?嘘吐かれて後ろからサクッてヤられたらイヤだしぃ」
「さて、取り敢えずピンク……アレをどうにかしておいてもらえるかのぉ?このままぢゃ、話しも出来ん」
しゅッ
しゅばッ
ぴしッ
「ハラ……ヘッタ……アァァ」
「これでいい?」
「ワシは構わんが、何故そんな縛り方をしたんぢゃ?」
ピンクはゴールドからの依頼通り、イエローに対してリボンを使って縛り上げたワケだが、その縛り方に対してゴールドは不服な様子だった。まぁ、亀の甲羅にも似た縛り方故の抗議だったのだが、確かに誰得とも言えるだろう——
「さて、お前達は元の時代に戻りたいか?それを聞いておきたい」
ゴールドが紡いだ言の葉に、四人は言葉を失っていた。それは四人が四人共に同じ事を考えている筈もなく、同調圧力なぞ効果が無い事も熟知しているからこそ、誰もが口を開きたがらなかったと言う意味である。
要するに先に口に出した意見が通る事が今までに一度もなかったのだ。今の四人の内、ブラック以外は“悪の因子”の影響下にあり当人達ではないが、思考回路はそれとなく似ている。拠って結論も類似していて当たり前と言えば当たり前だった——
「レッドお前はどうぢゃ?」
「なんで俺様に話しを振るかなぁ……。まぁ俺様はあの国にオモチャがたくさんあるから、帰りたいとは思わねぇ。レッドがどう言うかは知らねぇが、決定権は俺様にはねぇな」
「サイッテー!本ットに動けない今のうちに息の根を止めておこうかしら?」
「僕は帰っても帰らなくてもどっちでもいいかな。別に今と何も変わらないと思うし。まぁ、帰ったら主導権は僕から移るけど、それでも僕は別に構わないし」
「ブラックの話しは聞いたから、次はピンクぢゃな」
「アタシッ?!アタシはブラックがシてくれるなら、どこでもいいけど?今ここでシてくれ……」
「それは無い」
「そ……それなら、イケメンがいっぱいいて、イッパツどころかナンパツでもシてくれて、アタシを気持ち良くイかせてくれなら、どこでもいいかな?ってか、そろそろ約束守ってよッ!アタシを気持ち良くイかせてッ!お願いだからッ」
「まぁ、皆の話しは聞かせてもらった。ここから先は、残される者達がいるだろうから、1ヶ月猶予を持つとしよう。また1ヶ月後にワシは来る。その時に最終決定を聞かせて欲しい」
1ヶ月……その猶予の期間設定がよく分からなかったのはブラック以外の面々だ。だが、それに対する明確な解答はゴールドからは齎されず、ゴールドは姿を変形させて行った——
「これから暫くは戦後処理に忙しいぢゃろうが、話し合う時間を作って、皆で一つの結論を導くのぢゃ。期待しておるぞ、ジャスティスファイブ」
しゅごおッ
斯くして金ピカ戦闘機へと変形したゴールドは、ホワイトとイエローを連れて北の空へと飛び立って行った。
「何故1ヶ月なのか?」それの答えが分からない面々の元に正確な答えは示されていないが、それは有耶無耶のまま、ジャスティスファイブの残された面々は、生き残った者達と合流したのである——




