第十八戦闘配置 各地の顛末と序章
〜ピンクの場合 其の“ Ⅹ ”〜
“調教”の意味をその身をもって思い知らされたキーラスは、甘い吐息と淫らな息遣い、そしてその身に迫る快楽によって沼へと引き摺り込まれるように溺れていった。
「ピンク様ぁ、もっともっと下さりませッ!ワテクシのココに早くその太いクラブをッ」
「にへら。こんな短時間でこれ以上アタシの“性技”を受けると、頭がぱっぱらぱーになっちゃうけど……まぁいっか。キーラスちゃんがとんでもない淫乱だって証明だし、本人が望んでヤられてるんだし。……それにしても、失神もせずにチッカちゃんを上回る性欲の強さって、好色なアタシ好みでいいわぁ」
こうしてキーラスはその日の内に七回にも渡り、ピンクの“性技”をその身に受け、八回目の半ばに口から泡を吹き白目を剥いて失神した。
ピンクのベッドはキーラスから流れ出た体液に拠って、再び水たまりが出来ており、そこにキーラスは沈んでいった。
連日のようにベッドが使い物にならなくなっているが、ピンクがそんな事を気にするハズもなく、静かになった部屋の中でゾクゾクする身体を抱き締め、恍惚に酔い痴れた表情で天井を見詰めていた。
「あぁん。早く、アタシも解放されたぁい」
〜ブルーの場合 其の“ Ⅵ ”〜
「強くなりたい」その決意を受け取ったブルーはクジに対して問答無用で“精技”を使い、クジを限界ギリギリまで耐えさせ、それをひたすら繰り返して行った。
ギョリが食事を運んで来る際は、クジはひたすら寝たフリを繰り返し、ブルーがクジを鍛えている素振りを感じさせないようにした。
それをギョリがクジを閉じ込めた七日間、寝る間も惜しんで繰り返し繰り返し行ったのである。その結果、クジの力はギョリに勝るとも劣らない程にまで急成長を遂げていた。
クジはギョリと闘った過去に於いて、負けた悔しさから強くなる事を望んでいた。ギョリに従うフリをしながらも爪を研ぎ、牙を磨いていたのだが、その研磨は功を為す前に圧倒的な力を見せ付けられた事で折れていた。
それを再び強固なモノへと昇華させる為に、歯を食いしばりクジは耐えた。
一方のブルーにも思惑がある。要するにこれは二人にとってWin-Winの関係性であり、利害の一致の果てに成し遂げた成果であると言える。
「“怠惰”な僕を褒めてあげたいくらいだよ。クジ、キミは強くなった。万能のギョリとは違って、キミは純粋な攻撃特化。今のキミなら、たとえ攻撃特化でもギョリの拘束にはある程度耐えられる。キミがやるべき事は……分かっているよね?」
「あぁ、ブルー様。分かっている。この身の命に替えても成し遂げてみせる」
「それにしても、早めに行動に移さないと狭めた幅はまた広くなるからね」
「あぁ、それも承知だ。必ずや!」
〜レッドの場合 其の“ Ⅸ ”〜
「もう、何も信じられない。どうしたらいいか分からない」
ヌッコはジャングルの中を一人歩いていた。もう空は暗く深い森の中には、月も星も明かりを届かせてはくれない。ヌッコはそんな状況に於いても夜道に足を取られる事無く、真っ暗な中で宛も無く彷徨っていた。
「へぇ?偵察に来て、面白いモンと出会えたねぇ」
ざっざっ
「だっ、誰だ!?——ッ?!魔人……族?」
「流石、獣人族の四天王をやってるだけはあるねぇ。褒めてあげるよ」
「——ッ!?ヌッコの事を知っている?ぎりッ——魔人が「ハの国」を攻める気なのか?」
「そりゃ分からないさ。なんせウチは“偵察”なんだから。それを決めるのは「あの御方」の心意気次第ってヤツさね」
彷徨うヌッコが遭遇したのは魔人と呼ばれる種族。その対峙している魔人だが赤い短髪で豊満なバストを揺らしながら妖艶な歩みでヌッコに向かって来ており、尻尾の蛇は禍々しく牙を剥いていた。
その全てが魔人族の特徴ではないが、ヌッコが魔人族と見抜いたその理由は、頭に生えた大きな角、首と両腕両脚に刻まれた不可思議な紋様。更には下腹部にある淫紋……。
それら全てが魔人族だと告げていたからだ。
そして今、一触即発と言う言葉が適していると言っても過言ではない状況に陥っている。
「偵察と言ったな?「ハの国」を偵察してなんの意味があるッ!オマエはとっとと自分の国に帰れッ!今なら見逃してやるッ!」
「ウチも命令で来ただけだ。とは言っても、四天王を見付けちまった以上、手ブラじゃ帰れなくなっちまった。恨むならウチと出会った運の無い自分を恨むんだねッ」
「ヌッコは四天王だッ!オマエなんかには負けないッ!退かないなら捕まえるまでだぁッ!!」
身体能力が高い獣人族と違い、魔人族は接近戦には弱いとされている。だからこそヌッコは、持ち前の俊足を使って距離を詰め、一撃で戦闘不能にしようと思ったのだが……。
がしッ
「?!う……そ?」
「なぁんだ?四天王ってのはこんなモンなのかい?こんなか弱い蹴りじゃ蟲族も殺せやしないだろ?」
がきッ
「ぎゃわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ」
ヌッコの蹴りを魔人族の女は軽々と止めた。更には掴んだヌッコの足を握り潰す程の怪力を見せた。驚きを隠せないヌッコは突然身体に奔った激痛により叫び声を上げる事しか出来ず、思考は激痛によって何も考える事を許してはくれない様子だった。
「ヌッコの足が……痛いッ痛い痛たぁいッ……」
「なんだ?ウチはほんのちょっと力を入れただけさ?まだまだお遊びはこれからだろッと!」
ぶぉん
「がハッ」
「それそれどうしたどうしたッ!さっきの威勢はどこに行ったんだいッ!」
魔人族の女は握り潰した足を離さず、ヌッコを軽々と持ち上げると地面や周囲に生えている木々に向けて叩き付けて行く。
圧倒的な暴力に拠って、ヌッコの身体はみるみる内にボロボロになって行った。
「おや?もうおねんねかい?お嬢ちゃん」
「ヌッコは……ヌッコはノーラ……だ。流石に痛かったけど……ま……だ……負けて……ないッ!」
「ズタボロの姿で負け惜しみなんて聞きたくは無いんだよッ!このままウチが飽きるまであっちこっちに叩き付けて、気が向いたらそのまま城壁の中に放り投げてやるさッ!運良く生き存えたらママのおっぱいでも飲んでなッ」
魔人族の女はヌッコの足を持った手を高々と掲げ、逆さ吊りのヌッコに対して死刑宣告とも取れる物言いをした。
対するヌッコの瞳は負けを認めていないが、力量は明らかで圧倒的な暴虐の前に為す術は無く、このままではヌッコの命がいつ潰えても可怪しくなど無い状況だった。




