第七戦闘配置 第六種戦闘開始 セイギノミカタ
〜レッドの場合 其の“ Ⅵ ”の“ ⅵ ”〜
「俺の妻にそれ以上、手を出すなあぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ」
ざざざしゅばんッ
「キキッシャ」
「う……そ……新王……陛下?なんでここに?それに妾の暴風の中を突っ切って来たのに無事なんて……」
「俺はエレファがあの時、言おうとして言わなかった続きが知りたいッ!コイツは俺が倒す、だからその後でいい!必ず続きを話してくれ……「一度も」なんなんだ……うッ!?」
今度も間一髪だったぜ!いや、走ってたらどこまででも聞こえそうな悲鳴が聞こえたから本当の本当に全速力で走ったって訳だ。
その代わり、ジャングルがジャングルじゃなくなっちまった部分があるけど、緊急避難だから大丈夫だッ!
俺は咄嗟に飛び込んだ訳で、咄嗟に女王サマの腕に刺さってた鍬形を切り落とした訳で、敵は俺の目の前にいる訳で、ただどうしても俺は罵られたのか聞きたかった訳だ。
で、勢い余って敵から視線を切って女王サマを見たって状態だな。
「見ィィィィィィィィィたァァァァァァァァァァぞォォォォォォォォォォ」
「お前の血はぁぁぁぁぁぁぁナニイロだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
「へっ?新王……陛下?」
「へっ、今度はクワガタムシかよ?俺様のオモチャに手を出したんだ、覚悟は出来てんだろうなァァァァァ?」
「キキキキシャ」
「新王陛下……コヤツは将軍・ルカニデです。妾の攻撃ではビクともしません。新王陛下は危険ですからお逃げ下さいッ!」
「黙ってな、子象ちゃん。こんなクワガタムシ俺様の敵にすらなれねぇぜッ」
「こ……こぞう……ちゃ……ん?」
突然の豹変ぶりに女王エレファは絶句していた。やっとレッドに名前を呼んでもらえたと思った矢先に、子象呼ばわりされたから尚更だ。
嬉しさや驚きや恐怖……色々な感情が入り混じった不可解な状況で、エレファの美しい顔は歪な様子で崩壊しかけていた。
くいっくいっ
「キッキキキキ」
「凄技・荒刀無稽七転八刀!」
レッドの挑発。そして意味の無い凄技。レッドは凄技と言っているが、これは技などではなく力と武器の性能に任せた、ただのめった斬りだ。
その偽“凄技”に因って、将軍・ルカニデの外骨格は見るも無残に小間切れにされ、外骨格が守っていた中身は、未だ吹きやまない暴風に拠って散り散りに飛び散って行った。
女王エレファが大いに苦戦した相手が瞬殺された姿に驚いたのは、女王エレファ本人でありレッドを見詰める目は畏怖を覚えていたと言える。
「この風も邪魔だなッ。ふんッ」
「えっ?嘘……妾の暴風が掻き消された?」
「さぁて、邪魔が入らないように他の虫共も一匹残らず狩って来てやらぁ!子象ちゃんはそこで大人しくしてろよ?」
「“こぞうちゃん”って……やはり妾の事?」
「ひゃっはーーーーーーーーッ!おーーーーりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃ」
そこから先、蟲族にとってはただの惨劇でしかない。いくら女王エレファの暴風によって群れの大半が瓦解したとは言え、そこにはまだ千に近い数の蟲族がいた。それをレッドは二丁包丁のモードすら変えずに、嬉々として群れの中に入り斬り刻んで行ったからだ。
二丁包丁のたった一振りで数十匹の蟲族が屠られ、それを連続で目にも映らない速さで繰り出して行く。
蹂躙を超えた大虐殺。数分と経たずに全ての蟲族は散り散りになった躯を大地の上に晒し、その体液は大地を緑色に染めて行った。
「けっ!気色の悪い色だったな。俺様が見たいのは滾るような情熱的な真っ赤だぜ」
「その……新王陛下。助けて頂きありがとうございました」
「子象ちゃんは俺様のオモチャだ。俺様は俺様のオモチャを誰かに取られるのが大ッキライなだけだ。ところで、腕の怪我はもういいのか?」
「はい。既に傷は塞がりました。流れ出た血液は多いですが、数日もすれば政務も滞り無く出来ると思います」
「そうか。なら、俺様はこれからオモチャで遊ぶ。子象ちゃん、股を開きな。これからは俺様お楽しみの……イッィィィツァ・ショオォォォォォォォ・タアァァァァァァァイムッ!」
「へっ?新王……陛下?ここで……ですか?こんな青空の元で?周りに蟲族の躯があるのに?」
「子象ちゃんに拒否権は無ぇよ。俺様がヤるって言ったら喜んで股を開きな。このギンギンのマグナムでたぁっぷり気持ち良くしてやんよ」
「ごくりっ。これが新王陛下のマグナム……なんと大きくて……あぁ、こんなにも硬い……ダメッ、妾はこれが欲しい。今すぐにでも欲しい。外であろうと、周りがどんな状況であろうと、もう関係などある筈もない。妾の初めてを捧げます。だからどうか妾の中に新王陛下の精をあらん限りぶち撒けて下さいまし」
「へっ、いいおねだりだ。じゃあ、腰が砕けて意識がぶっ飛ぶまで、本当の凄技を味合わせてやんよッ」
女王エレファは自分の初めてがベッドの上でもなく薄暗くした部屋でもない、真っ昼間の太陽が燦々と照り付ける空の元で今すぐにでも行われようとしている事に、多少なりとも引いていた。更に付け加えれば周りには蟲族の躯が散乱し、雰囲気もムードもへったくれもない状況だから尚更だ。
そんな夜ですらない初夜など誰しもが認めたくなど無いだろう。初めての行為が最悪の記憶に為り兼ねないのだから当然と言える。
しかし、女王エレファはレッドのそそり立つマグナムを見た瞬間に気が変わった。
昨夜も含めて夜になると必ずレッドの寝室を訪れ、色々と手を尽くすにも拘わらずレッドのマグナムはデリンジャー以下な様子で音沙汰が無い。しかし、今は自分が何もしていないのに、期待した以上の大きさで雄大な山脈のようだ。
女王エレファはそのマグナムの姿に愛おしそうな表情で顔を蕩けさせ、その両手で優しく包み込むように硬さを確認するとその妖艶な唇を近付けていく。
女王エレファの中で、先程まで引いていた感情が嘘のように失くなり、本来ならば自分が言えないような恥ずかしいおねだりをマグナムをその手に握ったまましたのである。
こうして女王エレファは盛大に喘ぎ腰を振り、レッドの精を浴びるほど自分の中に飲み込んでいった。
「もっと、もっと、もっと下さいませ。新王陛下……いえ、レッド様。妾の中にもっとたくさんの精を!」
「いいぜ、俺様は何回でもイってやる。何回でも凄技を味合わせてやる。子象ちゃんは失神するまで、しっかり腰を振ってヨガって、喘いでイきなッ!」
透き通るような青空の元で行われた痴態だが、夜伽に赴いて全戦全敗で枕を濡らしていた女王エレファにとっては、最高に開放的で自らが進んで快楽に溺れた瞬間だった。
更には欲望の赴くままにレッドを味わい尽くそうとしながらも、何回もイかされた後、唐突に行為の途中で失神して果てたのである。
「ひゃーっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ。四発だ。俺様の凄技四発だ。流石だぜ、子象ちゃん。初めてで四発は上出来だ。これからもっと楽しくしてやんぜ。ひゃひゃひゃひゃひゃひゃっはーーーーーッ」
レッドの“凄技”とピンクの“性技”。更に付け加えればブルーの“精技”。異端の“セイギノミカタ”の末路はまだまだ続くが、誰一人として“正義”を貫く者達などではない事は分かって頂けている事だろう。




