第三戦闘配置 第一種戦闘開始 桃色頭の勘違い
〜ピンクの場合 其の“ Ⅰ ”〜
「う……うぅん。朝?あれ?ここは……アタシの部屋?昨日はダイエットがてらセズーメさんと闘って……あれ?記憶が無い……そう言えば、昔もあったなぁ……。それでそんな時は必ず可愛い女の子が部屋にいて……」
「あっ、おはようございます、おねえさま。スズは今度からおねえさまを、“おねえさま”と呼ばせて頂きます」
「アタシの事を「お姉様」って言う……あれ?なんか聞こえ……た?」
「おねえさま、おはようございます。某の事を可愛がって頂き、昨夜はありがとうございました。某もセズーメ同様、“おねえさま”と呼ばせて頂きたく……」
うん……アタシがアタマピンクの頃にも見たデジャヴなんですけど?なんか毎回お決まりの光景が来ると普通にウケるんですけど?
アタマピンクの時は毎回違う女の子で知らない子だったけど、今回は知ってる二人……。話しを合わせるべきか、悩ましいわよね?
まぁ、アタシのナイスバディの方がイケメンには悩ましいと思うけど、アタシは別に悩みたいワケじゃないしッ!
「おはよ、二人とも。よく寝れた?」
「はい。おねえさまのお陰様でぐっすりです。それに……おねえさまからして頂いた調教のお陰で、身体もすこぶる調子がいいみたいです!その……また宜しければ、調教して頂けますか?」
「ちょ、セズーメ!某の方が序列は上なのだ!某が先に調教して頂く!おねえさま、是非とも某を優先して下さいませッ!」
ナニコレ?マジウケる超ウケるバチクソウケるんですけど!可愛い女の子が「調教」とか言ってるし!それにそんな可愛い子が、自分から進んで「調教して欲しい」とか、どんなだし!
アタシ、そんな変態じゃないしッ!喜んでヨダレ垂らしながら調教したいとか、そんな趣味無いしッ!
ただ、可愛い子がオモチャで弄ばれながら「ダメッダメぇッ」とか言いながらも腰振ってヨガる姿とか、ヨダレ垂らしながらいじらしい感じで甘酸っぱく喘ぐ声とかは好きだけど……。
まぁそれにしてもアタシはイケメンでも可愛い女の子でも、どっちでもイケるからいいんだけどさ……でもアタシが誰かを調教するってコトは、アタシは気持ち良くなれないワケで……はぁ。
まぁ、いっか!
こんこんッ
「ピンク様、こちらに四刀聖のお二方はいらっしゃいますか?」
「おねえさま、某達に何やら用事のようですので、これにて失礼致します。また、早いうちに……その、可愛がって下さい。ほらセズーメ行くぞッ!」
どたばたどたばた
「スズはまだおねえさまとぉ………………」
こうしてアタシの部屋は静かになった。昨日の闘技場からさっき起きるまでに何があったのか分からないけど、どうやらアタシは勝ったのかもしれないみたいな?勝ったから、二人をお持ち帰りして、キャッキャウフフした感じ?
今までのデジャヴと同じ感じがするから、お持ち帰りした感が強いんだけど、よく覚えてないからどうでもいっか!
記憶にないし、アタシ知ーらないっと!
「朝からなんか変な感じだったなぁ……それにしても外がさっきから騒がしいんですけど?避難訓練でもしてるワケ?あっ!そうだ、この呼び鈴を鳴らすと側仕えが来るって言ってたっけ?何があったのか聞いてみよっと」
ちりりんッちりりんッ
しーん……
「なんだしッ!来ないしッ!この呼び鈴壊れてんの?なら……。——にへらっ」
がちゃッ
「……誰も来ないんだから、一人で散歩してても文句は言われないっしょ?」
そろーりそろーり
アタシは文句は言われないと分かっていながらも、足音を殺しながら散歩にする事にした。だって、なんか言われたらイヤじゃん?まぁ、そん時はそん時で「呼んだけど来ない方が悪いッ」って開き直るつもりだし!
んでもって、散歩してると全員集合してる風の場面に出くわしたワケ。なんてゆーか、ホントに避難訓練みたいな?
チッカさんがお立ち台の上に立ってなんか話してるから、避難訓練が終わった後でお偉いさんが、あーでもねーこーでもねー言ってるみたいな?
——あれ?チッカさんが今……アタシの事を見たような気が……まっさか!距離は結構あるし、見付かりっこないって!
よし、今のうちにプラプラしよっと!
「ピンク殿、こんな所で、何をされているのかな?」
「チッカ……さん?えっ?さっき、あそこに……」
「はっはっはっ。余は鳥人族だ。距離があろうと空を駆ければ直ぐさ。それに、兵達が集合している際に見掛けたのでな」
やっぱり、さっき見られたのは正しかったみたい……。まぁ、いっか。アタシは別にやましいコトなんてまだしてないし。
「何か用事があったのではないのか?」
「いや、ちょっと騒がしかったから、何かあったのかは気になってたけど、避難訓練でもしてたんでしょ?」
「避難訓練?いや、蟲族が攻めて来たのでな……兵を召集して指示を出していたのだ」
「えっ?この城、攻められてるの?」
「如何にも。此度は蟲族共の数が多い様子でな、もしも城に攻め入って来た時には応戦を願うかもしれん。構わぬか?」
「それは別に構わないけど、蟲族ってこの前のカマキリみたいなヤツでしょ?あんなのがたくさん来るワケ?」
「カマキリ?あぁ、マントデアの事か。いや、今回は元から飛翔形態の蟲族共だ。アピスとタバヌストゥリゴヌスの混成群と報告にあった」
「アピス?タバスコ?エジプトのタバスコみたいな?なんか辛そうね」
「流石に食した事はないから辛いかどうかは知らぬが、如何せん数が多い。苦戦は覚悟せねばなるまい……」
鳥人族が住むこの空飛ぶ島の人口は2000人くらいって、来たばっかりくらいの時に聞いた気がする。んでもってチッカさんの話しだとエジプトタバスコは4000匹くらい向かって来てるらしい。何コレ?ウケない?数の暴力で負けてるんですけど!
まぁそれなら、アタシに頼みたくなる気持ちも分かるってモンよね。
そんでもって結局アタシはテンションアゲアゲで協力する気マンマンになった。そりゃああんなデッカい虫と可愛い女の子だったら可愛い女の子の方を応援するに決まってるし!それにアタシのコトを「お姉様」って呼ぶようになった二人が傷付いたらアタシ許せないモン!
「ねぇ、チッカさん。戦闘がよく見える場所に案内してもらえる?援護出来るならそこから援護するから」
「援護?この城からか?距離がかなりあるぞ?」
「えぇ、そうよ!アタシは飛んで闘うよりその方が手っ取り早いもの。援護射撃には自信があるの!」
アタシの提案にチッカさんは驚いた顔をしていたけど、提案通りに城にある展望台っポイ場所に案内してくれた。
そこから見える近い景色は一面のわたあめ……じゃなくて、真っ白い雲ばっかで特に景色がいいとは思わなかったけど、遠くの方には黒い雲みたいなカタマリと、キラキラと太陽を反射してる何かが見えていたのよね。
「こっからならイケそう!じゃ、いっちょヤったりますかッ!」




