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【完結】魔石精製師とときどき魔王 ~家族を失った伯爵令嬢の数奇な人生~  作者: きゆり
第2章《修行》編

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第70話 砂漠へ!

 食事を終え、宿へと戻ると各々部屋へと別れ、明日へと備える。


「今回はルーちゃん、ずっと傍にいてくれるんだね」


 いつもすぐに姿を消してしまうルギニアス。本人もずっとはいられないって言っていたはず。今回はずっといて大丈夫なんだろうか。


「あぁ、まあ……な」


 特になにを言うでもなかったが、ルギニアスが傍にいてくれるというのは嬉しいものだな、と、そんなことを考えながら眠りに就いた。




 翌朝、太陽が少し登り始めた頃、私たちは宿のエントランスで待ち合わせた。


「おはよう、ルーサ、眠れたか?」


 ディノがニッと笑いながら待ち構えていた。


「二人ともおはよう。うん、なんとかね」


 そう言いながら笑う。正直、緊張で眠れないかと思ったけれど、またルギニアスがなにかしてくれたのか、いつの間にやら眠っていた。そのルギニアスは今日も私の肩の上。


「では行くか」


 イーザンが私とディノを見たかと思うと、そう口にした。


「よし、じゃあ出発!」


「気を付けてなー!」


 ディノの元気な声で宿のおじさんがひょっこり顔を見せた。そしてニッと笑って手を振ってくれていた。


「いってきます!」


 おじさんに手を振り、そして外へ。


 まだ太陽が昇り切っていないということもあるのだが、王都の朝よりもさらに寒い。冷たい空気で身体が縮こまる。


「さ、寒―い」


 思わず口に出ると、ディノは振り向き笑った。


「ハハ、でも昼間は暑くなるぞ。砂漠地帯は気温差が激しいんだよな。俺も初めて来たときは気温差がきつかったなぁ。朝晩はやたら寒いのに、日中はめちゃくちゃ暑いからな」

「そうなんだ……」


「その気温差にへばると危険だから気を付けろ。魔蟲にはそんなこと関係ない」

「う、うん」


 イーザンが前を向いたまま言った。確かに魔蟲にはそんなこと関係ないよね。気温差で体力を消耗しないように気を付けないと。



 街はまだほとんど人を見かけない。私たちのように旅の人だろうか、といった服装の人々はちらほら歩いているが、まだ店も開いていないため、とても静かなランバナス。昨日の賑やかさが嘘のように静まり返っている。


 昨日入って来た街の入り口の反対方向、南側にもう一つ、街の出入り口がある。そこから先は広大な砂漠が広がる。


 ダラスさんから教えてもらったときに地図で確認した限りでは、大陸南部の半分ほどを埋め尽くしそうな勢いの広大な砂漠だった。この砂漠を越えた先に、ランバナスのような街があったり、港町があったり、と、どうしてもこの砂漠を越える必要がある街がある。


 魔導師が魔法陣を使い、空間移動を行うこともあるようだが、一度行ったことのある場所でしか発動出来ない。さらには魔導師の空間移動は難易度の高い魔法らしく、普通一般人はお目にかかることはない。複数人の移動となるとさらに高度な魔法となるため、普通の魔導師ですら、発動出来る者は少ないそうだ。


 だから必然的に魔導師以外の人間は自力で砂漠を越えて行くしかないのだ。ガルヴィオには何やら空を飛ぶ魔導具があるらしいけれど、そんなものこの国にはないしね。あ、でも昔魚を空輸しているとか聞いたことはあるわね……あれはどういうことだったのかしら。


 そんなことを考えながらも、私たちはすでに砂漠を歩いていた。朝食がてら軽く携帯食を食べつつ移動して行く。


 街を出てすぐは比較的に地面がならされていて、歩きやすかった。しかし街から離れるにつれ、次第に砂が多くなっていき、足を取られる。ずぶずぶと砂に埋まり、歩くたびに疲労感が増す。


 風に煽られるせいなのか、あちこちに小高い山のようになっていて、先へ進むにはそれらを越えて行かねばならなかった。

 ディノやイーザンに助けてもらいながら、少し小高くなった砂山へと昇る。そしてその先は……


「凄い……」


「ハハ、壮観だよな」


 見渡す限りの砂漠。太陽が昇り始め、見渡す限りの砂は波を打つように影を作り、まるで一枚の絵のようだった。


「所々に岩がある。ああいった場所に小さな獣や虫がいたりはする。魔蟲はそれとは関係なく、砂に潜っていたりもするから要注意だ。突然現れるから気を付けろ」

「わ、分かった!」


 イーザンが冷静に忠告してくれるけれど、魔蟲って砂に潜ってるの!? こ、怖過ぎる……。


 慎重に辺りの気配に注意しながら、少しずつ歩を進める。次第に太陽が昇ってくると、じりじりと暑くなってくる。レインさんに見立ててもらったマントのおかげで陽射しは遮ることが出来て、幾分かマシだ。

 暑さでボーッとしてしまいそうなときに、耳元でルギニアスが声を上げた。


「来るぞ!」



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